薬物使用 停止1年妥当か

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世界ランク108位のエバンスが、コカインの使用を認めて1年間の出場停止となった。バルセロナ・オープンに出場していた4月にドーピング検査を受け、コカインの陽性反応とその代謝物が検出された。6月にその事実が告げられ、即座に暫定的な公式戦への出場禁止が科されていた。

不思議なのは『たった1年?』ってことだ。

日本に生まれ育った我々からすると、薬物は犯罪。ドーピングは、陸上競技で良く耳にする言葉だが、薬物使用となると、芸能人やミュージシャン、プロ野球選手が問題になることは多い。テニスプレイヤーの薬物使用は、シャラポワが話題となったが、普段服用していた薬に含まれていたとして、故意の薬物使用を否定していた。
今回、エバンスは、コカインを使用していたことを認めている。エバンスの国籍であるイギリスでは、コカイン使用は認められているのか?

イギリスでも、もちろん麻薬は違法である。
イギリスは、麻薬の種類によってA・B・Cの3クラスに分け、ペナルティが異なる。

エバンスが使用を認めたコカインは、最も重いAクラスに属し、所持は最高懲役7年、売買は終身刑である。罰金で免れるようだが、法的にはそれなりに厳しいのである。

ところが現実的には、音楽イベントやクラブでは、当たり前のようにドラッグが存在する。街中歩いてても、におう時がある。警察官が回りに居ても、暗黙の了解といったような感じ。もちろん捕まる人もいるが、相当な量を持っていたか、ただアンラッキーなんだろうと思える感じ。というのが、イギリスに在住していた日本人から見た感覚である。中毒者並みの人は見かけないが、軽くやる人は、かなり多いように感じるという。銀行員から弁護士、そしてなんと、警察官の友達でマリファナ吸ってる人もいたそうだ。イギリスに育って一度もやったことない人を探すほうが難しいんじゃないかと思えるほどの物であるそうだ。 

なぜコカインを使用したのだろうか?

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コカインの効果を調べてみると、特有の陶酔感や覚醒作用が現れ、頭が冴え渡り陽気になるそうだ。しかし、その効果は15~30分程度だそうだ。持続しないから、依存症になりやすいのだそうだが、テニスのプレーに良い影響を与えるとは思えない。試合中に使用することはまず不可能であろう。そうなると、選手控室で使用したとしても、アップが終わった頃には切れている可能性が高い。ドーピングで出場停止になるだけでなく、母国の法律でも裁かれるリスクを負ってまで使用するだろうか?その判断が出来なくなるのが薬物の怖いところである。

そこまで依存してしまったエバンスが、たった1年出場停止になって、コカインを止められるとは思えない。ITFが本気でドーピングを止めさせたければ、依存症の治療を義務付けるべきではないだろうか。

ライター:剛力健一(ごうりき けんいち)
スポーツライター、テニスでインターハイ出場。大学卒業後オーストラリア留学し、アスレティックトレーナーとして活躍。現在は、スポーツ記事の寄稿、講演活動を行う一方、地域に密着したスポーツイベントやスポーツクラブ作りにも参画。

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