男子テニスで、世界ランク1位ラファエル・ナダル(スペイン)とのラリー中に突然、立ち尽くした直後、股の下からレシーブを返す美技が炸裂。世界NO1を欺き、サイドライン際に絶妙に決めたスーパーショットをATP中継サイト「テニスTV」公式ツイッターが「純度100%のマジック」と動画付きで紹介すると、ファンから「イカすプレーだ」「なんて天才なんだ」と絶賛を呼んでいる。
時間にして0.9秒。一瞬、一時停止ボタンで動きを止めたかのような“直立”の後、天才的プレーを演じたのはパブロ・クエバス(ウルグアイ)だった。
2日行われたロレックス・パリ・マスターズの3回戦。対峙したのは世界ランク1位ナダルだ。第1セット、ゲームカウント1-3で迎えた相手のサービスゲーム。クエバスは強烈なサーブをレシーブすると、自陣左サイドに打ち込まれ、これになんとか追いついて返した。しかし、体勢が崩れたのを見て、ナダルは前進。ボレーを打ち返された次の瞬間だった。
センターラインまで戻ってきたクエバス。ボールは体の正面に向かってきた。しかし、なぜかレシーブの体勢を取らない。それどころか、両足を揃えたまま一瞬、直立に近い姿勢を取った。すると、右足のラケットを体の後ろに回す。そして、自分の股の下からボールを打ち返してみせた。虚を突かれたナダルは反応が一瞬、遅れた。
驚いたのは、その体勢だけではない。打ち返したショットはネット際に前進していたナダルの手の届かないように正確にコントロールされ、相手コート右サイド際に綺麗に入ったのだ。これには場内大喝采でファンも大喜び。実況も「オオー!」と感嘆の声を上げ、開いた口がふさがらない様子だった。
王者を欺いた頭脳と技術に絶賛「偉大なパブロ!」「イカすプレー」「真の魔法使いの登場だ」
頭脳と技術を結集させ、王者を欺いたスーパーショットを「テニスTV」は動画付きで紹介。「パリでパブロ・クエバスから純度100%のマジック」と評した映像を見てみると、ラリー中に突然足を止めていたのは、およそ0.9秒。この一瞬の動きでナダルの思考を揺さぶっていることが見て取れる。目の当たりにしたファンからも仰天の声が次々と上がっていた。
「偉大なパブロ!」
「ゾワゾワっとした。イカすプレーだ」
「この男は空中で嘲笑ってみせた」
「モンスターだ」
「なんて天才なんだパブロ! 真の魔法使いの登場だ」
このように絶賛が相次ぎ、さらに「あのナダルからポイントを奪うには逆にこれくらい逆手に取らないと厳しいということなのか…」と王者を戦い抜くことの過酷さに同情しているファンもいた。
試合はフルセットまでもつれ込んだが、クエバスは敗戦。金星を手にすることはできなかった。しかし、王者をも欺いた天才的プレーはファンの心にしっかりと刻まれたはずだ。
ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer
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