人気のスポーツ選手になる条件

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子どものスポーツに関する調査の中で、「好きなスポーツ選手」という項目がある。笹川スポーツ財団という所が毎年行っている調査の結果、4~11歳、12~21歳の堂々第1位に錦織圭が輝いた。

4~11歳の2位は浅田真央と福原愛が同率。
12~21歳の2位は羽生結弦だった。


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2002年に「好きなスポーツ選手」の調査が開始され、ほぼ第1位に君臨し続けてきたのが、イチローである。第2位は浅田真央で、女子からの人気はダントツである。1度はイチローを抜いて浅田真央が1位になったこともあった。
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そして、2014年に錦織が8位に入ると、一気に上がってきて昨年浅田真央を抜いて2位になっていた。
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調査した時期が、2017年6~7月ということもあって、浅田真央が4月に引退を宣言し、プロスケーターに転向したことで話題が集まったことが要因でもある。今までトップ10にランクインしたことがなかった福原愛は、2016年リオデジャネイロオリンピックでの活躍や結婚報道などもあり、メディアの注目が集まった。

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2015年から順位を大きく上げた錦織圭と羽生結弦は、大きな大会での活躍が影響したと言える。錦織は、2014年に全米オープン準優勝、2016年リオデジャネイロオリンピックで銅メダルを獲得。羽生結弦は2014年にソチオリンピックで金メダル獲得、その後もグランプリファイナルで連覇を果たし、2016年は史上初の4連覇を達成するなどの活躍は続いている。また、前回調査まで10位圏外であった大谷翔平が錦織・羽生に次いで3位にランクインしており、急激に人気が高まっていることがうかがえる。
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メディアでの露出はランキングに大いに影響を与える。そんな中でも、活躍して結果を残すだけでなく、挫折や困難に立ち向かい、時には感情を隠すことが出来なくなることもある、ある種の人間らしさというのが、イチロー、浅田真央、福原愛、錦織圭、羽生結弦、大谷翔平に共通する。

驚くべきは、現役選手が名を連ねる中に、常に5位から8位にランクインしている長嶋茂雄だ。

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記録で言えば、数々の名選手がおり、王貞治もその一人である。それでも、王貞治の名は数回入っただけである。

当然、今の子ども達が長嶋のプレイをテレビで見る機会は少ないはずである。もちろん話題もほとんどない。オリンピックや大きな大会に出てくることもない。長嶋が挫折する姿は今では見られない。それでもランクインしてくるというのは、今の子ども達に話をしている大人達がいるということである。10代の親達が長嶋のプレイをどれだけ記憶しているだろうか?どちらかというと、更にその親達世代であろう。

好きなスポーツ選手として子ども達に選ばれる選手というのは、結果を残すだけでなく、メディアの話題が多いだけでなく、その人の人柄、人間らしさ、もろさのようなものが必ずある。スポーツを通して大切なことを伝えていきたい、とアスリート達はいつも願っている。そんな想いが、きちんと子ども達に伝わっている証拠が今回のランキングに現れていると思う。

ライター:剛力健一(ごうりき けんいち)
テニスでインターハイ出場。大学卒業後オーストラリア留学し、ATとして活躍。現在は、スポーツ記事の寄稿、講演活動を行う一方、地域に密着したスポーツイベントやスポーツクラブ作りにも参画。


カテゴリー: 15-0 NEWS, 話題のニュース | 投稿者オールサム | コメントは受け付けていません。