月別アーカイブ: 2017年3月

ダニエル太郎 vs コリア

先週開催されていたチリのチャレンジャーの1回戦でダニエル太郎vsフェデリコ・コリアというカードが実現しました。フェデリコ・コリアはついこの間25歳になったばかりのアルゼンチンの選手で、元世界ランク3位のギジェルモ・コリアの弟です。兄のギジェルモが22歳でグランドスラム(全仏)の決勝を戦ったことを考えると兄との才能の差は明らかですが、毎年ランキングを少しずつ上げていて、昨年あたりからフュチャーズでは負けなくなってきました。

ダニエル太郎との試合は4-6 6-3 1-6で敗れましたが、ダニエル太郎が119位でコリアが245位というランキング差を考えたら善戦したと言っていいのではないでしょうか。

兄のギジェルモは肩の故障で27歳の若さで引退を余儀なくされたことを考えると、フェデリコには焦らず息の長い選手に育って欲しいと思います。

以下にYoutubeの動画を紹介します。

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カテゴリー: 動画紹介 | 投稿者ステイバックダブルス 00:24 | コメントをどうぞ

インディアンウェルズのダブルス

ナダル/トミック vs カレーノブスタ/ソウザ

ハイライトはこちら。誰もサーブ&ボレーをしないという個人的に大好きな展開…のはずなのですが、やっぱりダブルスプレーヤーorダブルスに注力している選手でないと何か違うな、という気もします。トミックはシングルスは負けてしまったようなので、やる気を失わず次のラウンドも頑張って欲しいところです。次はゴフィン/ツォンガ vs クラーセン/ラムの勝者と対決です。どちらも見てみたい顔合わせですが、今大会はちょっとダブルスプレーヤーがシングルスプレーヤーに押され気味なので、クラーセン/ラムに期待したいです。

ジョコビッチ/トロイツキ vs ボパンナ/クエバス

ハイライトはこちら。クエバスは全仏オープン男子ダブルス優勝、ボパンナはウィンブルドン準優勝の経験のある実力者コンビです。今年の全豪でもペアを組んでいました。どちらもアドサイドのリターン担当なのですが、このペアではボパンナがデュースサイドに入っています。クエバスは「ステイバックでダブルスをする選手」なので応援していたのですが、残念ながら初戦敗退となりました。マッチタイブレーク4-1リードから逆転されてしまったのが痛かったです。ジョコビッチ/トロイツキは次は第1シードのエルベール/マウと対戦です。

マレー/エバンス vs ロペス/ロペス

ハイライトはこちら。ハイライトでもマレーの強さが際立ちます。特にリターンは巧いですね。マルク・ロペスのサーブは勝負所ではかなり叩かれていたようです。クレーはともかくハードではもう少し強いサーブが欲しいです。

メルゲア/クレシ vs ドディグ/グラノイェルス

メルゲアvsドディグという個人的に大変悩ましいカードでしたがメルゲア組が勝ちました。ドディグ/グラノイェルスは今シーズンハードコートでは活躍するのではないかと思っていたのですが、これで2大会連続初戦敗退となってしまいました。メルゲア/クレシは恐らく組むのは初めてなのではないかと思いますが、ビッグサーバーのクレシとストローカーのメルゲアとで、意外といいコンビなのかもしれません。

ミュラー/クエリー vs デルポトロ/パエス

今大会のダークホースと予想していたデルポトロ/パエスですが、サクッと1回戦で負けてしまいました。しかも、接戦の多い今大会のダブルスで数少ないストレート負けでした。気になるのはパエスのこのところのダブルスの成績です。ヒンギスとのミックスダブルスでは活躍していますが、男子ダブルスではあまり勝てていません。年齢的なところもあってパワーに太刀打ちできなくなってきているのでしょうか(実は178cmと小柄ですし)。勝ったミュラー/クエリーはメルゲア/クレシと対戦です。

 

カテゴリー: 大会 | 投稿者ステイバックダブルス 14:41 | コメントをどうぞ

イワン・ドディグ

男子ダブルスでサーブ&ボレーをしない(ステイバックする)選手について書いています。今回はドディグです。ドディグは楽天ジャパンオープン、デ杯での来日があったり、シングルスで錦織選手との対戦があったりと、日本では比較的有名なダブルスプレーヤーではないかと思います。

イワン・ドディグ

  •  国籍 クロアチア

  • 生年月日 1985,1,2

  • 身長183cm 体重83kg

  • 右利き 両手打ちバックハンド

  • サイド アドサイド

  • 主な成績 2013年:ウィンブルドン 準優勝(w/メロ)、マスターズ1000上海 優勝(w/メロ) 2014年:ATPツアーファイナルズ 準優勝(w/メロ) 2015年:全仏オープン優勝(w/メロ)、マスターズ1000 パリ 優勝(w/メロ) 2016年:全仏オープンミックスダブルス準優勝(w/ミルザ)、マスターズ1000 カナダ 優勝(w/メロ)、マスターズ1000シンシナティ 優勝(w/メロ) 2017年:全豪オープンミックスダブルス 準優勝(w/ミルザ)

経歴

ドディグはシングルスにも出場している選手です。シングルスのランキング100番以下まで落ちてしまったので、ダブルスとのランキングにかなり差ができてしまいましたが、現在もシングルスを続けています。

私がドディグの試合を観たのもシングルスの試合が先でした。2011年のザグレブオープンの決勝で、この試合に勝利し、ドディグは自身初のツアータイトルを獲得しました。試合そのものよりも印象に残っているのは表彰式で、自国開催の大会でツアー初優勝を飾ったにも関わらずドディグはほとんど無表情で、「無愛想な人だなぁ」と思ったのを覚えています。ただ、楽天オープンで来日したときにはファンからの写真撮影やサインの要望に時間をかけて応えており、寡黙だけど良い人なのだと思います。

ドディグのダブルスプレーヤーとしての転機は2012年のメンフィスオープンと言っていいと思います。ドディグはここで後に長年のパートナーとなるメロ(ブラジル)と初めてペアを組みます。実はドディグもメロもそれぞれ別の選手と組む予定だったのですが、開幕直前で双方のパートナーが欠場になるという偶然が重なってのペア結成でした。ドディグとメロはそれまでほとんど面識がなく、お互いがどんなプレーをするのかもよく知らない状態だったそうですが、いざ試合になると2人の相性は非常よく、急造ペアにも関わらず準優勝という好成績を収めます。同年の全仏で再びペアを組んでベスト8に進出し、以降本格的にこのペアでの活動がスタートします。2013~2016年にかけては毎年ツアーファイナルズ(年間の最終戦。ランキング上位8ペアしか出場できない)に出場するなど、安定した強さを発揮し続けます。成績の欄を見て頂ければわかるように、ドディグのダブルスプレーヤーとしての実績は、ほとんどがメロとのコンビで築いたものです。

2016年シーズン終了時に、ドディグ/メロ組はペアの解散を発表します。解散の理由を私は知らないのですが、恐らくドディグがシングルスのランキングを上げるためにツアーの予選やチャレンジャー大会に出る試合数を増やしたかったからではないかと思います。そうなると必然的にメロと組めるダブルスの頻度が減り、チームとしてのランキングが下がって、ダブルスしかプレーしないメロにとっては大きな痛手になるので解散に踏み切ったのではないでしょうか。2017年にドディグとペアを組むのはスペインのグラノイェルスです。ダブルス巧者ですがシングルスもプレーする選手なので、必ずしも毎週ペアを組まなくても、メロほどは迷惑のかからないパートナーだと言えます。(グラノイェルスも当ブログで取り上げている「サーブ&ボレーをしない」ダブルスの選手なので、機会があれば取り上げたいと思います。)ドディグはハードコートを得意としていて、グラノイェルスもダブルスではハードコートでの実績の高い人なので、今年の全米オープンでかなりチャンスのあるペアなのではないかと期待しています。

プレースタイルなど

ドディグは技術的に大きな弱点のないオールラウンダ―だと思います。本人は公式サイトで「得意なショットはサーブ」と書いています。身長183cmというのは今の男子選手の中では平均より少し低いぐらいの身長なのですが、体の捻りを大きく使ったいかにも力がありそうなサーブを打ちます。個人的にドディグのショットで好きなのはバックのトップスピンロブで、非常に精度が高い印象を受けます。

当ブログではサーブ&ボレーをしないダブルス選手を中心に取り上げていますが、実はドディグは元々サーブ&ボレーをする選手でした。少なくとも2014年のツアー最終戦ではサーブ&ボレーをしています。いつからドディグがステイバックを選択するようになったのか私は知らないのですが、優勝した2015年の全仏オープンではステイバックしているので、2015年シーズンの全仏までの間にプレースタイルに変化があったのではないかと思います。

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カテゴリー: 選手紹介 | 投稿者ステイバックダブルス 01:37 | コメントをどうぞ

インディアンウェルズのドローが発表になりました。

3月9日開幕のインディアンウェルズのドローが発表になりました。面白いペアがいたので書きたいと思います。

ナダル/トミック組

一番びっくりしたのがこのペア。真面目なナダルと不真面目なトミック(失礼)のコンビです。どういうプレーをするのかも気になりますが、どうして組むことになったかも気になるところです。1回戦のはカレーノブスタ/ソウザ組と対戦です。カレーノブスタは昨年の全米オープンのダブルスで準優勝した選手ですが基本的にはシングルスの人なので、4人ともシングルスプレーヤーの1回戦です。

デルポトロ/パエス組

ワイルドカードで出場のペアです。パエスは4大大会全てでタイトルを持っている実力者で経験も豊富なのですが、割と押しの強い印象のある選手です。特にインドの他の選手から反感を持たれてしまった時期があり、ロンドンオリンピックのときには他のインドの選手がパエスと組みたがらなくて揉めたことがありました(その後、後輩のボパンナとは和解したみたいです)。その点今回ペアを組むアルゼンチンのデルポトロはなんとなく素朴な印象のある選手です。このダブルスもパエスが仕切る形になると思いますが、デルポトロは結構素直にパエスの言うことを聞いてプレーしそうな気がします。デルポトロが定期的にダブルスに出続けるとは思えないのでこのペアは今回限りかもしれませんが、意外とダークホースかもしれません。1回戦はミュラー/クエリー組と対戦です。

 メルゲア/クレシ組

ひとつ前の投稿で書いたメルゲアです。今シーズンはイングロットと組むのかと思っていましたが先週はトロイツキ、今週はクレシと組んでいます。もしかしたらイングロットに故障が発生してしまったのかもしれませんし、あるいは解散になったのかもしれません。クレシはウィンブルドンのダブルスで準優勝の経験のある選手です。このところ固定のペアのいない選手なので、もしここで良い結果が出せればしばらくメルゲアと組み続ける可能性もありそうです。どちらもデュースサイドの選手なので、どちらがアドサイドでリターンをするのか気になります。1回戦で第8シードのドディグ/グラノイェルス組と対決します。

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カテゴリー: 大会 | 投稿者ステイバックダブルス 05:04 | コメントをどうぞ

フロリン・メルゲア

男子ダブルスでサーブ&ボレーしない(ステイバックする)選手について書いています。今回はルーマニアのメルゲアです。2016年リオオリンピックでナダルがダブルスで金メダルを取りましたが、その時決勝で負けたのがこの選手です。

フロリン・メルゲア(Florin Mergea)

  • 国籍 ルーマニア

  • 生年月日 1985,1,26

  • 身長180cm 75kg

  • 右利き 片手打ちバックハンド

  • サイド デュースサイド

  • 主な成績 2014 全仏オープン ベスト4(w/ドラガンヤ)、2015 マスターズ1000 マドリード 優勝(w/ボパンナ)、2015 ウィンブルドン ベスト4(w/ボパンナ)、2015 ATPツアーファイナルズ 準優勝(w/ボパンナ)、2016 リオオリンピック 銀メダル(w/テカウ)

経歴

私が初めてメルゲアのプレーを観たのは2007年のデビスカップ・ワールドグループプレーオフ・日本vsルーマニアの試合です。メルゲアはテカウと組んでダブルスに出場しました。当時のランキングは163位で完全に無名の選手でしたし、私は日本ペアを応援していたので、観たといってもこの時のプレーはほとんど印象に残っていません。ここでの試合はチームとしてはルーマニアが3-2で日本を下しましたが、メルゲア/テカウ組は鈴木貴男/岩淵聡 組に4-6 4-6 4-6のスコアで敗れています(上にも書いたようにこの9年後にメルゲア/テカウ組はオリンピックで銀メダルを獲得します)。

私がメルゲアに着目するようになったのは2015年オーストリアンオープンからです。この年、メルゲアはイングロットという選手と組んで出場し、ブライアン兄弟を撃破してベスト8に浸出しました。(下にその試合の動画のリンクがあります。)途中でイングロットが故障でツアーを離れてしまった後は、インドのボパンナと組むようになります。ボパンナ/メルゲア組はこの年2大会で優勝、3大会で準優勝と活躍し、メルゲア自身は年始24位だったランキングを11位まで上げてシーズンを終えます。

2016年もボパンナと組んでいましたがシーズン終盤でメルゲアが足の怪我でツアーを離れたため解散となりました。2017年からは再びイングロットとダブルスを組んでいます。

プレースタイルなど

メルゲア自身は最も得意なのはフォアハンドだと述べています。個人的にはバックのリターンが素晴らしいと思います。メルゲアはデュースサイドの選手なので、バックでリターンをするときには基本的には逆クロスに流すのですが、時折ストレートに強打して相手の前衛の左側を抜けていくショットを打ちます。

大きな弱点はない選手のように思うのですが、強いて言えば大舞台での接戦をなかなかものにできないような気がします(経歴の欄に書いたようにマスターズ1000のタイトルを持ってはいるのですが)。グランドスラムではウィンブルドンと全仏のベスト4が最高で、この時の準決勝はいずれもフルセットで敗れています。銀メダルだったオリンピックもファイナルセット先にリードしてから逆転負けしています。

もうひとつ本当に細かい話なのですが、オリンピックでペアを組んだテカウとの対戦成績が悪いというのも気になります。2015年以降の対戦成績を調べたところ6戦全敗でした。ジュニアの頃からダブルスを組んでいる旧知の仲の選手ですが、なにか弱点でも知られているのでしょうか。

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カテゴリー: 選手紹介 | 投稿者ステイバックダブルス 08:31 | コメントをどうぞ

マルク・ロぺス

男子ダブルスでステイバックする選手を書いていきたいと思います。第一弾はマルク・ロぺスです。グランドスラムタイトル(全仏)、ツアー最終戦、オリンピックと3つのメジャータイトルを持っており、現時点で最も実績のあるステイバックでダブルスをプレーする選手と言えます。

2017年ジャパンオープンのマルク・ロペス

2017年ジャパンオープンのマルク・ロペス

マルク・ロペス(Marc Lopez)

  • 国籍 スペイン

  • 生年月日 1982,7,31

  • 身長175cm  体重72kg

  • 右利き 両手打ちバックハンド

  • サイド アドサイド

  • 主な成績 2012 ATPツアーファイナルズ 優勝(w/グラノイェルス)、2014 全米オープン 準優勝(w/グラノイェルス)、2016 全仏オープン 優勝(w/F.ロペス)、2016 リオオリンピック 金メダル(w/ナダル)

経歴

私がマルク・ロぺスのプレーを最初に見たのは2012年のデビスカップ1回戦(スペインvsカザフスタン)です。この前年、スペインはナダル、フェレール、F.ロぺス、ベルダスコという当時のドリームチームでデビスカップを制覇しました。ところが2012年はこの4選手が揃って代表を辞退してしまい、スペインはいわば「二軍」での闘いをよぎなくされます。マルク・ロペスはこの時ダブルス要員としてデビスカップ代表に選出され、グラノイェルスとのコンビでチームの勝利に貢献しました。

この2012年シーズンはマルク・ロペスにとって飛躍の一年となります。それまで様々なスペイン選手とダブルスを組んでいましたが、デビスカップ1回戦を皮切りにほとんどの試合をグラノイェルスと組んで出場するようになりました。グラノイェルス/ロペス組はシーズンを通して安定した成績を収め、年間の上位8組しか出場できないツアー最終戦(ATPツアーファイナルズ)の出場権を獲得します。予選ラウンドでブライアン兄弟を破るなどの番狂わせを演じ、初出場にして優勝を飾ります。デビスカップ1回戦の時点で42位だったランキングはシーズン終了時には6位までジャンプアップし、スペインの「二軍」相当の選手から、ダブルスのエースとしての地位を確立しました。

2015年でグラノイェルスとのペアを解散し、2016年~現在はF.ロペスとペアを組んでいます。昨シーズンはこのペアで全仏オープンを制しており、連覇に期待がかかります。

プレースタイルなど

マルク・ロペスのプレーの特徴は、これだけ実績のある選手に大変失礼ですが…バックハンドの下手さです。以前はバックを打たされたらとりあえずロブで逃げるしか選択肢がないような状態でした。最近は多少マシになりましたが、このレベルの選手としてはお粗末と言わざるを得ません。それでもこれだけ勝てるのは反応が早く、かつ動きが速いのでほとんどのボールをフォアに回り込んで打つことができるからです。反応早さはネットプレーでも活かされていて、強いボールもしっかりブロックして角度のあるボレーを打ちます。

技術的に改善の余地があるのは前述のバックハンドとサーブでしょう。175cmと小柄のは確かですが、ファーストサーブでも150km/h程度なので、もう少し良いサーブが打てるのではないかと思います。

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カテゴリー: 選手紹介 | 投稿者ステイバックダブルス 02:43 | コメントをどうぞ

初めまして

男子ダブルスプレーヤーでサーブ&ボレーをしない選手にはまっています。マニアック過ぎる趣味で語れる場がないのでここに吐き出していこうと思います。お時間ある方は読んでいただけると幸いです。

カテゴリー: 未分類 | 投稿者ステイバックダブルス 14:55 | コメントをどうぞ