アナベル・クロフトは私がプレーしていたころのイギリスのNO1選手です。
彼女とはここメルボルンでアーバーさんという方の家にオーストラリアンオープン中に泊めて頂いたことがあって、まだ彼女が17歳ぐらいのときだったので何もわからずなんでも私に聞くので可愛くてトーナメントの回り方を教えてあげたのです。
ある晩、アーバーさん家族が出かけるから、「アナベルとナナで冷蔵庫の中のものを何を使ってもいいから夕食を作って食べなさいね。ステーキがあるからステーキとサラダがいいかもね。」と言って出かけたのです。
試合を終えて家に帰った私達、アナベルは「ナナ、お腹すいたわ」というだけで、私だって料理なんかしたことなかったし…。
でもステーキはフライパンで焼けばいいだけだなとフライパンで焼き、サラダを大盛り作って二人で食べました。
サラダを食べるときに「ナナ、このレタスちょっと硬いわねえ」と言いながもぐもぐ食べていたのが印象的でした。
そして私たちは寝て、次の朝の朝食を食べていたら、そのアーバー家小さな子供たちがなにか騒いでいるではありませんか。
「ギニーピッグのエサがない」と言っているようでした。
そしてアーバーさんのママが「ナナ、この辺にあった緑の葉っぱ知らない?」
「あら、それ昨晩ステーキと共にサラダとしてアナベルと食べました!」
となって大笑い。「アナベルには内緒にしましょう。」と言うことになったのに、まだ幼かった17歳のアナベルが小さなアーバー家の子供たちから聞いたのか、「ヤック!私達ギニーピッグのエサを食べたの?ねえ、ギニーピッグのエサを食べちゃったの?」
とオーストラリアンオープン会場へ向かうオフィシャルカーの中で何回も聞くのが可笑しくて。
「ギニーピッグのエサなんか食べるわけないじゃない」と言いながらも私は笑えて笑えて仕方なかったという思い出があるのです。
彼女は今イギリスのテレビ局で仕事をしていて、オーストラリアンオープンのレポーターをやっていました。