日別アーカイブ: 2016年5月28日

3時間半の死闘制し錦織圭16強

5月27日(金)、パリ、フランス。フレンチ・オープン

3回戦が行われ、錦織圭がベルダスコとのフルセットの死闘を6-3,6-4,3-6,2-6,6-4で制し、2年連続16強になった。

3時間21分
勝った!と言う大きなガッツポーズはない、
K303
「フーウ」と大きく息をすい、戦い抜いた安堵感を見せる。

ポイント数では錦織の151に対してベルダスコの方がそれより3ポイント多い154。

2セットアップするものの、そこからはベルダスコの攻撃テニスに押され気味の展開。
9本以上続くロングラリーは強いはずの錦織が、この日はベルダスコにポイント数で下回った。

「最初の2セットの後は、ずっと彼のペースだった。
粘り勝てて良かった」

早くから紅潮している錦織の顔を見ると、その日の暑さ、そして緊張がわかる。
松岡修造だったら勝ち切れなかったのでは、
たぶん、痙攣が起きてしまっていただろう?
(ゴメンナサイ修造、公私共々大変お世話になっているのに、こんな書き方をして)

4回戦は世界ランク12位で第9シードのガスケ(29歳)と対戦する。
二人の対戦成績は錦織から2勝6敗。2008年デルレイビーチ優勝、USオープン16強で凱旋出場したジャパンオープンで初対戦から6連敗していた。

「ガスケには(先月のマドリードとローマで勝っているので、)少なからず、苦手意識はなくなった。
すべきことはわかっている。」
マドリードオープン、7度目の正直?の末に、遂にガスケ破った

フレンチ・オープン9回優勝のナダルが左手首の痛みで3回戦を棄権した。

オーダー・オブ・プレー

<<3時間21分の3回戦死闘詳細>>
〇5)錦織圭 6-3,6-4,3-6,2-6,6-4 ●F.VERDASCO(ESP)

ベルダスコは32歳とは言え、ノーシードの中では最も恐ろしい。爆発力を持った危険なプレーヤー。
最高に強かったころのナダルにクレーで勝っているので。

ベルダスコのゲームで始まる。
バックへ跳ねてくるのを錦織はバッククロスウィナー。ライジングで打ちまくる。
いきなりブレークのスタート。

と思ったら、錦織の第2ゲーム、
3つ目のブレーク・ポイントで、ベルダスコにバッククロスのドロップ・ショットを決められブレーク・バックされる。1-1
このドロップ・ショットにこれほど苦しめらえるとは、この時は思わなかった。

ベルダスコの第3ゲーム、
錦織のバックダウンザラインからフォアクロスドロップウィナー。お返しだ。
2-1とまたブレーク・バック。

最初からお互いのハイレベルなプレーのスタートダッシュだ!

ベルダスコの第9ゲーム、
まぶしいのか?やけに2人ともガシャミスが多い。

15-400のセットポイント、
ベルダスコ、一つはサービスワイドエースで逃れた。

二つ目のセットポイント、
ベルダスコのバッククロスミス。
6-3と錦織。
ベルダスコもいいストロークする中、第1セットを取ったのは大きい。

第2セット、錦織の第1ゲーム、
錦織はショートバウンドで打っても、フォアクロスはサイドに逃げてウィナー。
どんな動体視力とスイングの速さだよ!
1-0とキープ。

ベルダスコはまた大きなひとり言!?コーチと話しているよ!
よくやるのです。彼とフォニーニは・・・。集中力が欠けてきた証拠でもあるが・・・。
しかし、よくしゃべる。ポイントごとにしゃべるのだ!

錦織の第5ゲーム、
ベルダスコのフォアアングルウィナー。
ドッシリと腰を落として落ち着いて打ってきた。この方が怖い。
2-3とブレークされる。

ベルダスコの第6ゲーム、
今日はサービスにスピンを強くかけて、気持ち良くリターンさせないようにしているのか?
しかし、一発でドンと来た方が嫌だなあ!

錦織の上手いタイミングのロブで3-3とブレーク・バック。

錦織の第7ゲーム、
ベルダスコのバッククロスドロップからバックアングルボレーウィナー。
もうこれに翻弄されっぱなしだ!
3-4とまたもやブレークダウン。

ベルダスコの第8ゲーム、
錦織はリターンのポジションをかなり、ファーストもセカンドも下げてきた。
しっかり深く打って、ラリーで勝負という展開に持ち込む。
ミスを誘うのだ。4-4とブレーク・バックに成功。

錦織の第9ゲーム、
15-30でサービスセンターエース。
欲しい時に1本来た~!これは大きいぞ!
5-4とキープ。

ベルダスコの第10ゲーム、
錦織のフォアンアグルパスウィナー。上手く角度に持って行った。

30-40のセットポイント、
ベルダスコのフォアダウンザラインがアウト。
6-4で錦織が苦しみながらもこのセットを取る。

これでベルダスコが切れて???、簡単に勝つのではと思っていたが。

第3セット、
錦織の第1ゲーム、
3回のデュース。3つのブレーク・ポイントを逃れて、1-0とキープ。
これは良かったが・・・。

しかし、ベルダスコのバックドロップの確率と入る場所がありえないぐらいすごい!
昔、クエルテンが初めて出てきて優勝したが、4連続ドロップ・ショットウィナーを見たのは衝撃だった。
これに近いぞ!

ベルダスコの第2ゲーム、
15-40から急に開き直って、エースを含む速いファーストが入ってきた。1-1キープ。

錦織の第3ゲーム、
ベルダスコのジャンピングフォアドロップショットウィナー。
打ち込むと見せかけて、ドロップ。
バックしか打たなかったのに、
これにはむかついただろうなあ!錦織は。
1-2とブレークダウン。

しかも、ここで観客が余計なウェーブをやり始める。

ベルダスコの第6ゲーム、
ダブルフォルトが絡んで、3-3とブレーク・バック。

しかし、次の錦織のゲームもダブルフォルトで3-4と落す。

ここからギアを上げて終わらすのに、ギアが完全に下がって、逆にベルダスコが落ち着いてきた。
ひとり言がなくなって、集中してきたよ。

錦織の第9ゲーム、
錦織のバッククロスミス。3-6で落とす。
自分のサービスゲームを落として、セットダウンはヤバイ!

第4セット

錦織の第4ゲーム、
また、ベルダスコのバックドロップからバックアングルボレーウィナー。
そして、最悪のダブルフォルト。
1-3とブレークダウン。
どうもピリッとしないなあ!

ベルダスコの第7ゲーム、
6回のデュース、2回のブレーク・ポイント。
これを取ればまだ行けたのだが・・・。

210キロのサービス・エース、211キロのサービスウィナー。
キープされる。錦織から2-5だ!

錦織の第8ゲーム、
また、ベルダスコのフォアダウンザラインウィナー。
2-6でこのセットも自分のゲームを落として終わる。
一番やってはいけないパターン。暗雲が立ち込める。

ファイナルセット

ドキドキして迎える。

ベルダスコの第3ゲーム、
錦織のフォアスライスが深くて、いいポイントが久しぶりにあった。
キープされ、1-2だが、いい兆しが見えた。

しかし、後は一発勝負。ベルダスコが数ポイント爆発したらヤバイぞ!

ベルダスコの第5ゲーム、
錦織のフォアダウンザラインウィナー。
腰が低くなって、集中し直してきた感じだ。

バックダウンザラインウィナーで30-40、
ここで錦織のバッククロスアプローチが厳しい。
3-2とブレーク。
錦織は声に出さずにガッツポーズ!
よほど取りたかったのだろう!これは大きいぞ!

ベルダスコの第9ゲーム、15-40とマッチポイント!
ベルダスコのフォア逆クロスウィナーなどで挽回。

まだ、死んでいないベルダスコ。かなり、いいプレーをしている。
ここ最近でベストな試合だろう!
ここで締めずにベルダスコはキープ。(錦織5-4)

錦織5-4の第10ゲーム、
ラリー戦、ベルダスコが放ったドロップ・ショットを錦織は拾って、浮いてきたボールをバックで思い切り引っぱたく。
これまでのうっぷんを晴らすかのように。

40-15と3つ目のマッチポイント、
なんと錦織はチャンスボールをフォアクロスにアウト。
本当かよ!

4つ目のマッチポイント、
最後は錦織のフォアダウンザラインウィナー。
やっと取ったよ~!

6-4で錦織の勝利~!
3時間21分の死闘だった!

これは本当によく勝った!
見事としか言いようがない。

ベルダスコのサービスやストロークも良かったが、何と言ってもバックドロップの確率と量は何なんだ~!
それを使われたら、ほとんど、ポイントが取れていないのでは・・・。
しかし、耐えた~!
錦織~お疲れ様~!

錦織インタビュー
「3セットの目の序盤に彼のフォアが強烈になってきた。
相手が打ち始めてきたので、かなり主導権を握られた。
スピンが跳ねてきて3セット目4セット目は苦しかった。」

「バックの高い所を狙われた。
ファイナルセットには前に入るようにしてライジングなどを難しかったがやった。
すると相手が少し焦ってミスが増えてきた。」

「相手のドロップ・ショットは上手かった。
すごく切っていて、雑なドロップ・ショットもあったが、大半はスピンで返せないほど良かった。
最後の方は少し対処できたが、それまでは大変だった。」

「次のガスケはローマなどで少なからず、苦手意識はなくなった。
すべきことはわかっている。」

「(地元ガスケに応援して)観客がクレージーになるので、気をつけながらやりたい。
ここが一番お客さんはヒートアップする。
ブーイングが簡単に出るので基本的には気にしないのが一番重要だと思う。」

大会オフィシャルHP:フレンチ・オープン
賞金総額:€32,017,500(40億円)
優勝賞金:€2,000,000(2億5千万円)
準優勝: €1,000,000(1億3千万円)
ベスト4: €500,000(7千万円)
ベスト8: €294,000(3.5千万円)
4回戦: €173,000(2千万)
3回戦: €102,000(1.4千万)
2回戦: €60,000(700万円)
1回戦: €30,000(350万円)
128ドロー、赤土クレー
会場:Rolandgarros
期間:5/22-6/05,2016
パリ現地時刻(時差-7時間)

<<3回戦>>
〇5)錦織圭 6-3,6-4,3-6,2-6,6-4 ●F.VERDASCO(ESP)

<<2回戦>>
〇5)錦織圭 63 63 63 ●A.KUZNETSOV(RUS)
〇3)S.WAWRINKA(SUI) 76(7) 63 64 ●ダニエル太郎

<<1回戦>>
〇5)錦織圭 61 75 63 ●S.BOLELLI(ITA)
〇ダニエル太郎 36 46 75 64 3-0ret. ●M.KLIZAN(SVK)
男子シングルスドロー

<<女子3回戦>>
〇6)S.HALEP(ROU) 46 62 63 ●大坂なおみ

<<女子2回戦>>
〇大坂なおみ 63 63 ●LUCIC-BARONI(CRO)
〇14)A.VANOVIC(SRB) 75 61 ●奈良くるみ

<<女子1回戦>>
〇奈良くるみ 57 63 2-0ret.●D.Allertova(CZE)
〇大坂なおみ 64 75 ●32)J.Ostapenko(LAT)
〇6)S.HALEP(ROU) 62 60 ●日比野菜緒
〇21)S.Stosur(AUS) 62 46 63 ●土居美咲
女子シングルスドロー

11人が予選に挑戦、西岡良仁が決勝ラウンドまで進出したが!
西岡良仁(114位)、伊藤竜馬(108)、添田豪(152)、守屋宏紀(218)の4人が挑戦
男子予選ドロー
尾崎里紗(127位)、桑田寛子(151)、加藤未唯(153)、日比万葉(178)、江口実沙(182位)、澤柳璃子(188)、穂積絵莉(220)7人
女子予選ドロー

錦織圭ブログ
錦織圭ATPページ
錦織圭ITFページ

(記事 塚越亘,Y.Morishita, T.Terashima, photo/H.Sato)

カテゴリー: 錦織圭 | 投稿者塚越亘 10:32 | コメントをどうぞ