10/26、オーストリアで行われているシングルスの2回戦が行われ、第8シードのツォンガが、ボスニアの選手相手に6-7 (5-7), 7-6 (9-7), 6-1の逆転で退け、ベスト8進出を果たした。
この日、タイブレークの末に第1セットを落としたツォンガは、続く第2セットでもタイブレークへもつれ込む接戦となったが、このセットを取りきってセットカウント1-1に。その後はツォンガに流れが傾いた。
そしてサービング・フォー・ザ・マッチを迎えた第7ゲーム、ツォンガが放ったボディーサーブに対し、相手はラケットに当てるのが精一杯で、リターン後に諦めたかのように次のサイドへ移動し始めた。
その行動を見たツォンガはボールをネットにかけ、「彼はやる気がない」と主審へ抗議したのだ。
主審にもそのように見受けられたため注意すると、相手は「何が悪いんだ?」と逆ギレ。次のポイントも大振りし、フレームショットで大きくアウトしてツォンガが勝利した。
握手を交わした両者だったが、ツォンガが問題のプレーについて話しかけると、相手は「ボールは返したじゃないか!何も悪いことはしていない!」と言い返し口論。最後はツォンガも呆れたかのように自身のベンチへ戻っていった。
問題のシーンがこちら
チェアアンパイヤの警告に逆ギレ↓
ツォンガが注意するも、聞く耳持たず。↓
https://youtu.be/lK7HUWWb_lg
様々な考え方があるとは思うが、ツォンガの対戦相手(あえて名前を載せない)がスポーツマンシップに則っていたかと言われて、YESと答えるのは難しい。
正直、セカンドセットまでは、両者素晴らしいプレイで見応えもあった。それだけに、ファイナルセットのプレイと最終ゲーム、最終ポイントでの相手の態度はとても残念でしかない。
更には、警告をしたチェアアンパイヤに対して執拗に抗議をする姿は怒りさえも覚える。注意したツォンガも得をしない。なぜならネットにかけてしまってからクレームを付けたからだ。わざとネットにかけたのであればそれはそれで問題であるし、真剣にミスをしているように見える。それは、相手の態度のせいにするのはおかしい。
この場合、ツォンガは何も言わずに最後までプレイをし、やる気のない相手に全力で勝利する姿を見せるべきだったかもしれない。
そして、チェアアンパイヤの警告は正しいが、これはツォンガがクレームを付けたからだ。その前にコールすべきだったと思える。チェアアンパイヤが相手の無気力に気付いた時点でツォンガのポイントにしなければならない。ツォンガは最終的にネットにかけたが、ポイントはツォンガに入るべきである。
最後に、テニス界として、ツォンガの対戦相手に制裁を与えるべきである。罰金や出場停止などそれなりの罰則が必要である。ラケット破壊同様、テニスのマナーをもう一度考え直さなければならない。
スポーツマンシップという点で紳士淑女のスポーツと言われていたテニスが、最前線を走るべきである。今の状態では到底程遠い。テニスプレイヤー一人一人の心構えで変えることはできるだろう。もう一度スポーツマンシップを考えて欲しい。
ライター:剛力健一(ごうりき けんいち)
テニスでインターハイ出場。大学卒業後オーストリア留学し、ATとして活躍。現在は、スポーツ記事の寄稿、講演活動を行う一方、地域に密着したスポーツイベントやスポーツクラブ作りにも参画。
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