日別アーカイブ: 2014年4月24日

「テニス馬鹿一代」では生きていかれぬ

まったく情けない話ですが僕は生まれてこの方、ずっと誰かに身の回りの世話を任せきりで生活のためにしなくてはならない必要なことを自分でやらずに来てしまいました。

独身の頃は母に何もかもやってもらい、結婚後は妻がその代わりを完全に引き継ぐことになったのでほんとに何も出来ませんでした。

子供が生まれて妻がそちらに専念中にはどちかの母にお世話になりましたので、さすがに皿洗いくらいは少しだけやったので食器洗いだけは何とか出来るようになりました。

でも、掃除、洗濯、料理の順にまったく手をつけることがなく未知の領域のまま最近まで来てしまいました。

ところが息子達が社会人になり妻から「もうあなた達の世話は最低限のことしかしてあげないから自分の事は出来るだけ自分でしなさい、そうしないとあの親父さんのようになってしまうわよ!」と申し渡され、彼らは殊勝にもそれを実行し始めたのです。

そうなると親父としては「馬鹿を言え、俺だって自分のことくらいその気になればちゃんと出来るに決まっているだろう!」などと大見得を切ってしまい今さら後には退けません。

そこでこの歳にして親父の家事労働修行がスタートしたわけですが・・・

正直いって最初は途方にくれました、何せ妻とは先のいきさつで冷戦勃発で外交断絶してしまいわからないことが聞けず、かと言って息子達にも偉そうなことを言った手前そんな小学生みたいな質問できません。

ちみなにどんなことがわからなかったかと言うと、洗濯するときに洗剤がいくつかあってどれをどのくらい、洗濯機のどこに入れたら良いのか?とか。

掃除機をかけていたら何かランプが点滅していて吸い込む力が極めて弱くなってどうやらフィルターを変えろとの指示らしいけど、それはいったい全体どうやるんだ?みたいな。

そして最大の難関は料理です、最初のうちはレトルトパックのカレーに白米とか冷凍スパゲッティーなんてものでごまかしていましたがあまりにも食べ過ぎて飽きたし健康にも良くないと思い何とか自分で作るという未知の試練にチャレンジすることに。

もうどのくらいのレベルからスタートかというと、たとえば野菜の切り方とか洗い方がわからない。

皮は以前にシチューを作ったことが一度ありその時に皮を剥く便利なものがあることを知っていたので幸いにもクリア、しかし、その時に切ったジャガイモとか人参を一つずつ丁寧に洗うというお馬鹿まる出しな事をしたのにそれが正しいと思っていました。

だからサラダを作るときにもレタスは一枚ずつ洗ってから千切るからまだ楽ですが、キュウリを細かく切ってその断面をいちいち洗う必要があると思いこみ苦労して、まるで川で砂金を探すような手間をかけてちまちまと洗っていました。

それである時にタマネギを刻んでから、これをすべて表面をキレイに洗うのは至難の業だなと思いネットで調べたりして(あれっ、もしかして野菜は内部までは丁寧に洗う必要ないのか?)と気づいて妻がサラダを作るところを盗み見てようやく悟りました!

ものを知らないにも程があるとはこういうことなんだろうと思いました、以前に仲間のコーチと呑んでいて酔った彼が「俺はテニスは好きだけどテニス馬鹿にはなりたくないよ!」と言うので「俺だってそうさ、それに俺はテニス以外のことだってやるし知っているから大丈夫だよ」なんて話をしたことがありました。

今になって考えるとあの時の自分は間違っていたなと気がつきました、僕はもう正真正銘の立派なテニス以外のことはほとんど知らない「テニス馬鹿」でした、いや「テニス」なんか付けないでただの「馬鹿」だろう :24 ワハハ:

カテゴリー: 未分類 | 投稿者fresco 12:01 | 2件のコメント