母さん
元気に過ごしていますか
僕は元気です
調布に来て１ヶ月が過ぎました
お客様もみんな優しくしてくれます
初めは戸惑いました
「あ、どうも、こんにちはー」
「あ、コーチ ハロー」
何だとー！
はぁ！
ハローだとー
このメリケンかぶれがー！
なんて言えずに自分を偽りました
「あ・・ハロォー・・」
調布セレブはさらに畳みかけてきます
「ではコーチ ごきげんよう
」
ガチか お前ら・・
ごきげんよお？
そんな言葉を何の悪気もなく使用する人が存在するなんて思いませんでした
サイコロトークだけの世界だと思っていました
「あ・・はい・・ごきげんよう・・・」
郷に入っては郷に従え です
虎穴に入らずんば虎子を得ず です・・・
あかん！やっぱ無理やっ
何とか頑張ってます
レッスンでもお客様は優しく返事をしてくれます
「スイングはしっかり足を決めて！野球と一緒です！腰でスイングです！」
「はい、コーチ 篠塚ですね！」
古っ！
昭和かっ！
しかも技巧派かっ！
「まあ・・そうですね 僕はちょっと世代ではないんで・・」
「えー、またまたー 岡崎とか山倉とか知ってるくせにー」
地味かっ！
原とか吉村とか いるでしょ！
山倉って・・
とか思ってると・・
「私は松井なのっ！」
何が！？
どうした急に！？
しかもテーマはフォアハンドストロークなんです
左バッターばっかり出すのやめてもらえないでしょうか・・
母さん
調布には左バッターしかいないみたいです
国立の皆さんは元気にやっているのでしょうか
あのブルーのコートが懐かしいです
・・・
え？
調布ですか？
調布もブルーです
細かいことは気にしないでください
もうすでに調布のお客様に本性がばれています
「内藤コーチがまた適当なこと言ってる」
私の耳に入らないところで言ってもらってよいでしょうか
心の中にしまっておいて問題ないと思うんです
そんなこと言われると
余計に適当なことを言いたくなってしまうんです
母さん
やはりＮ生命の最終面接で尊敬する人物を
高田純次と答えたのは人生最大のファインプレーだったのでしょうか
今思うとよくそんなこと言えたなと思います
もうこんな時間です
次のジュニアＳの準備をします
ジュニアＳのエース達
ジュニアＳの「Ｓ」って何のＳ？
聞かれたらどうしようっていつも怯えています
僕にも皆目見当が付きません
１つ言えること
それは「Ｓ」は皆それぞれの「Ｓ」があるんです
その日その日の「Ｓ」があるんです
・・・
母さん
明日までに有意義な答えが思い浮かぶとは思えません
寒くなってきたのでくれぐれも体には気を付けて
では
ごきげんよう
