こんにちは。
連日、本当に寒い日が続いていますね。
そんな日でも、きっと皆さんはテニスに興じているものと思います。
プレーヤーズの選手たちは、夜のレッスンになるので、本当に寒い中、頑張ってレッスンしています。
そんな寒い中で、ボールが弾まないことに多くの方が気が付いていると思います。
「このボール、パンクしているのか!?」と思った人さえいるかもしれません。
その通り、寒い時は暑い時よりもボールは弾みません。
では、なぜ弾まないのでしょうか?
それは、ボールの中に秘密があります。
通常使用しているボールは、プレッシャーライズドボールといって、ボールの内圧が外気圧よりも高くなっていて、そのため中の空気が圧縮された状態になっています。
その状態で、ボールが弾むと、さらに圧縮された状態になった空気は、反発して押し戻そうとします。
ちょうど、ラッシュアワーの満員電車にさらに人が乗ろうとしたときと似ていますね。
その押し戻す力が、ボールを弾ませる力になっています。
ここから、少し難しい話になります。
空気は、窒素が8割、酸素が2割で、この2つの分子でほぼ占めています。
その窒素分子や酸素分子は、細かく振動しています。
この振動が、気温が高いと活発に振動し、気温が低いと動きが鈍くなります。
ちょうど、人間と一緒ですね(笑)。
気温が上がり、ボールの中の分子が活発に動くと、それだけボールの内圧が高くなります。
逆に、気温が低くなると、ボールの中の分子の動きが鈍くなり、それだけボールの内圧が低くなります。
内圧が低くなるほど、ボールが弾んだ時に押し戻す力は弱くなります。
つまり、気温が低いとボールは弾まないのです。
もちろん、ボールに使用されているゴムが、寒くなると硬化することもすこしは起因していると思いますが、主には内圧によるものだと理解しています。
ちなみに、ノンプレッシャーボールというのがありますが、これは内圧が外気圧と一緒のボールで、ボールのゴム自体でボールを弾ませているため、気温の影響をあまり受けず、弾み方もある程度一定です。
ただし、打球感はプレッシャーライズドボールに到底及びません。
それから余談ですが、標高の高い場所でテニスをするとボールはやはり高く弾みますが、これは標高が高いと外気圧が低くなり、その分ボールの中の空気がより膨張して、中からボールを膨らませようとする力が働き、その結果ボール自体がパンパンになるからです。
以上、アカデミックな解説でした(笑)。
理解できなかったとしても、テニスは環境に大きく影響を受けるということです。
試合に出るジュニアの皆さんは、そういった環境も把握できるようにしましょう。