日別アーカイブ: 2016年9月5日

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 イオナイオラのサイトは結構自由な空気を持っていて、男性の部屋から女性が出てきても取り立てて咎められるようなことはない。お互い様ということもあるのだろう。その方面の事にはあえて触れないそういう不文律が出来上がっている。全ては自己責任ということだ。それでもキャシーはドアからそっと顔を
香港迪士尼萬聖節出して廊下に誰もいない事を確認してから、足音を忍ばせて自分の部屋へ戻った。そして大急ぎで作業服に着替え、何事もなかったように静かに管制室に顔を出すつもりだった。ところが、管制室は蜂の巣をつついたような騒ぎになっていた。
 管制室にはイオナイオラサイトに対する緊急出動要請が入っていた。急激に発達した低気圧による強風で、タグボートで曳航中だったリグの固定ロープが切れたということだった。曳航中のリグは嵐の影響を避けるため厳重に固定されていたのだが、嵐の規模が想定以上に大きかった。リグは漂流を始め、氷山と接触し浸水が始まった。取り残された作業員たちは懸命に排水作業を続けたが浸水に追いつかず、ついに脱出を決めたのだ。
 だが問題はどうやって救出するかだ。リグは流されて氷山に取り囲まれ、船による接近は無理だ。さらにこの強風の中、空からの救出なども自殺行為に思われた。ただちに関係者が招集され緊急事態の把握と対応が検討された。
 パイロットとして選ばれたのはこのサイトで一番のベテランであるロクだった。当然チーャシーは自分がBeauty and the Beast 聖誕吊飾参加できると思っていたが、レスキュー要員と要救護者を乗せると定員オーバーになってしまう。嵐の中では少しでも軽い方がいいということで、キャシーはバックアップに回ることになった。キャシーは行きたかったが、自分が参加することでリスクが増すと言われれば、強硬な主張はできなかった。
 メンバーはそれで何とか決定したが、出動できるかどうかの判断は微妙だった。キャシーから見ても飛行思えたし、リーダーのクリスも出動を見合わせる判断を下そうとした。
 だがロクが反対した。大丈夫だと言うのだ。
 ロクは天気図をモニターに表示させると、低気圧の予想進路のデータを示しながら救出作戦の行程を説明した。
「だが、低気圧の進路が予測より北だったら、あるいは速度が上がったらどうするんだ」クリスが問題点を指摘した。
「低気圧の方が速かったらイエローポイントのサイトへ向かう。進路が北にぶれたらサイアミのサイトへ向かう。それで問題はないはずだ」
「むう」それは合理的な考えだったのでクリスたちは反論できない。
「もうほとんど時間が無い。遅れるとこの対応を取る余裕もなくなる。それに俺達が向かわないと、奴らを見殺しにすることになる」ロクは強く主張した。
「最悪の場合、救助を放棄してイエローポイントかサイアミに非難することを出発の条件にしたい。どうだ?」クリスが言った。
「俺はパイロットだ。冒険家やヒーローじゃない」ロクは口元に笑みを浮かべた。
 キャシーはロクを見つめる。ロクは『大丈夫だ』という表情で見つめ返した。
「よし!20分で用意しろ!風が強くなる前に出発だ」クリスが結論を出した。
「15分で用意します」整備士のキャシーが告げた。
「頼むぞ」ロクがキャシーの肩にポンと手を置いた。キャシーは肩に置かれたその手にそっと触れ、ロクの顔を雨天親子活動見上げた。ロクはそれに答えて落ち着いた視線を返すそれだけだった。キャシーは立ち上がると管制室を飛び出し、格納庫へ急いだ。整備は万全にしておきたかった。

カテゴリー: 未分類 | 投稿者carrytion 13:26 | コメントをどうぞ