9
る。ぼくたちが彼女に危害を加えるつもりがないことを納得させられるまで、その丘のこちらが
わにとどまっていてくれ。そこには水がある。だが、彼女のすみNeo skin lab 呃人かにあまり接近するなよ。馬たちに水をやれるまで、ちょっと待たなけりゃならないだろう」
「なにをそうぶりぶりしてるんだ?」シルクがきいた。
「時間があれば、あのわなをしかけた人間を捜し出して、脚をへしおってやるところだ――何ヵ所もな。もう戻らなくちゃならない。彼女と子供がひどく腹をすかせているんだ」ガリオンは袋を
肩にかついで大股に歩きさった。自分の怒りが理性的でないことはわかっていたし、セ・Neo skin lab 美容ネドラやみんなに無愛想な態度をとる言い訳などありはしなかったが、どうすることもできなかった。死
を容認する雌狼の冷静な態度と、夫を失ったことへの嘆きが、ガリオンの心をかきむしり、怒りがかれの目を乾かせていた。
いったん姿を変えてしまうと、袋は運びづらかった。ガリオンはたえずよろけながらも、袋を地面にひきずらないように頭を高くあげて進みつづけた。
ふたたびすみかについてみると、ポルガラとベルガラスは雌狼と話をしていた。耳を傾けている雌狼の目に、疑念が浮かんでいた。
「わたしたちの話を受け入れることができないのよ」ポルガラが言った。
「嘘を言っていると思ってるの?」ガリオンは袋を地面に落としてたずねた。
「狼にはその言葉の意味は理解できないわ。彼女はわたしたちがまちがっていると思っているのよ。こうなったら見せるしかないわ。彼女が最初に会ったのはあなたなんだから、あなたのことな
らもうすこし信用するかもしれないわね。元の姿に戻りなさい。どっちみち、袋の結び目をほどくのに劉芷欣醫生両手がいるわ」
「わかったよ」ガリオンは想像力の中に自分自身のイメージをひきこんで、姿を変えた。
「まあおどろいた」雌狼は驚嘆した。
ベルガラスは鋭く雌狼を見た。「どうしてそう言った?」
「そうお思いになりませんの?」
「慣れているのだ。どうしてその言葉を選んだのだ?」
「自然に口から出たのです。わたしは群れのリーダーではありませんから、自分のめに注意して言葉を選ぶ必要はないんです」
ガリオンは袋をあけて、肉とチーズを雌狼の前の地面においた。彼女はむさぼるように食べはじめた。かれは飢えている子供のかたわらに膝をついて、鋭い歯に指をかまれないように気をつけ
ながら、食べ物を与えた。
「一度に少しずつよ」ポルガラが注意した。「気持ち悪くさせるようなことはしないで」
腹いっぱい食べると、雌狼は足をひきずって、ふたつの岩のあいだからわきでている泉に近づき、水を飲んだ。ガリオンは子狼をだきあげて、泉まで連れていき、水を飲ませてやった。
「あなたって他の人間とちがうわ」雌狼が言った。
「ああ。多少ね」ガリオンは同意した。
「結婚してるの?」
「ああ」
「狼と、それとも人間の雌と?」
「このたぐいの雌とさ」ガリオンは自分の胸をたたいた。
「ははあ。彼女はあなたと一緒に狩りをするの?」
「われわれの雌は普通狩りはしないんだ」
「なんて役立たずなの」狼は軽蔑するように鼻を鳴らした。