こから出ていかれ

物置きべやのうす明かりに目がなれてくると、ミルドレッドはイーニッドは、あたりを見まわしてみました。物置きは、天じょうの高い大きなへやで、使い古しの道具類でいっぱいでした。明かりは、ひとつだけあるアーチ形の窓から、さしこんでいます。
「助かった!」イーニッドが歓声をあげると、窓を指さしました。「窓があるよ。あそるじゃない」
「あーら、かんたんね」ミルドレッドは皮肉たっぷりに、「たった三メートルぐらいしか、高さが無いもんね。わたしたち、鳥みたいに飛んだらいいわけよね」
「いろんなものをつみあげたら、窓にとどくんじゃないかな」イーニッドは、やけっぱちになって、古いつくえや、こわれたベンチ、がくらたでいっぱいのダンボールの中などを、くまなく捜索し始めました。
「見て、ミルドレッド!」とくい気ないにの声が、聞こえました。
「ほうきがあったよ!」
イーニッドは、木づくりのたんすから、古ほけたほうきを、引っぱりだしました。もうすこしで、ポキリと、ふたつに折れてしまいそうですが、今はなんとか、つながっています。イーニッドは、腰にまいたサッシュベルトをはずすと、できるだけかたくまきつけました。
「これでよし!」と、イーニッド。「もう、飛べるよ。あの窓、ふたりが通れるぐらい、大きそうだ。さあ、いこう!」
ほうきに浮かぶよう命じて、ふたりの問題児は、ほうきにまたがりました。イーニッドが前にすわり、ミルドレッドは、イーニッドの腰に腕をまわして、うしろにこしかけました。
まず、外に飛んでいかれるぐらいの、高さになるまで、「上へ、上へ、上へ!」ふたりは、ほうきに命じて、ヘリコプターのように、上昇させようとしました。ところが、ほうきはぎくしゃくして、命令に応じるのもやっとのありさまです。こんなことでは、乗り続けていられるだろうかと、ふたりが、心配になりだしたところで、なんとか、窓の高さまで、たどりつきました。
「窓の外に、何が見える?」イーニッドが、ほうきをふらつかないように固定しようと、必死になりながら、いいました。
ミルドレッドが、目をこらしてみますと、どこかのへやの壁と、天じょうの一部が見えました。
「たぶん、」と、ミルドレッド。「この窓。外に向いてないと思うわ。ここをぬけると、大きな石のへやに出るみたい」
「わかった、ともかく出かけたほうがいいや。このほうき、もうすぐ折れちゃうよ」へやにたちこめるほこりとクモの巣で、くしゃみをしながら、イーニッドがいいました。「通りぬけるから、頭をさげて」
「ところで、どこに出るのかしら?」かがみこんで、窓を通りぬけながら、ミルドレッドは考えました。


カテゴリー: 未分類 | 投稿者enexcsq 12:50 | コメントをどうぞ

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