7月1日(月)ウィンブルドン、錦織圭が2回戦を棄権した。
1回戦は勝ったものの、左ふくらはぎの痛みは消えない錦織は試合前に棄権を決めた。
同じ日、女子ダブルスでクルム伊達公子/スキアボーネ(イタリア)組が1回戦を突破した。
同じように怪我で悩んだクルム伊達は錦織の決断を「勇気ある決断」と後輩を思いやりながら言った。
錦織圭の会見、クルム伊達公子の会見をお伝えしよう。
「試合できないのが一番悔しい。」
「朝から少し痛みはあった。
動いてみて、試合ができるかどうか判断しようと思った。」
「動いてみたときかなり痛みがあったので、またハレみたいに痛めるのは見えたので、
試合はできても勝てはしないだろうと思った。」
「(怪我の程度は断裂ほど)までではない。
先週(精密検査で)見たときも、ダメージは映ってなかったので、ハレほど酷くはない。」
「日曜日の練習は、ほぼ痛みなくできていてかなり良くなった手ごたえがあった。
1回戦、3セットで終わっていればそこまでダメージは酷くなかったと思う。
が、かなり激しい動きをして4~5セットでかなり痛みが出てきた。
あの試合はアドレナリンが出て、なんとか持ちこたえたが、
明日明後日に痛みが出てくるだろうとは思っていた。」
「ほぼ全ての動きで痛みがある。
ジャンプしたり、左右で逆をつかれたり。」
「(怪我の回復は)まあ1~2週間あれば大丈夫だと思う。」
「(怪我の原因は)急にきたことなので正確にはわからないが、
ヨーロッパ遠征も(4月のバルセロナから)長く、疲れも溜まっていた。」
「(自分の意志で棄権をきめたのか?)自分の意志。
先週のこともあり、痛みの具合がほぼ一緒だった。
試合をできる足ではなかったので。
もちろんコーチとトレーナーとも相談したが。」
「(これからはアメリカシーズンだが)久しぶりのハードコートなのでしっかり準備したい。
まずはケガを治して。
一ヶ月くらいあるのでトレーニングと練習をしっかりしたい。」
「(疲労を感じたのはいつごろ?)
毎年感じてはいますが、クレーシーズンは凄くハードだ。
ローマ、フレンチあたりでそれも感じた。」
「(途中)アメリカに帰れたのは良かったが、完全に休めた訳でもなかった。
そういうところもケガにつながったかと思う。」
「(日本に戻る?)無くはないと思う。
相談して決める。」
以上錦織圭のインタビュー
この決断についてクルム伊達公子は
「筋膜炎の経験は自分にもある。
爆弾抱えたような状態。」
「今の錦織君の状況を考えれば、2回戦勝っても満足しない。
セミファイナルや決勝なり、2週目を見据えた中で戦えるだけの状態かを見据えた中で、
爆弾がバンと言ってしまったらこの後のアメリカシリーズも棒に振るわけだし。」
「練習はできても試合の動きになればより練習より動くし、
試合の方がより緊張感が出て筋肉も硬くなり動くのが難しくなる。
すると負荷が掛かり肉離れになる可能性がある。
そうなると、怪我を治すのに下手すると6週間。
ちょっとやっても4週間掛かることがある。
今休めば、2週間で大丈夫。」
「ウィンブルドンで、ごまかしながら戦うことはできるだろうが、
ウィンブルドンの準決勝、決勝を目指すとなると、難しいだろうと思う。」
「だから私は、勇気ある決断だと思う。」
「芝は足元が取られることが多い。
プレーヤー、みんな言っているが、ハードコートは固いので反発で動けるけれど、
芝は足が一端沈み込む感じになる。
見えない疲労は蓄積していくので、ふくらはぎは負傷が起こりやすい個所だ。」
「滑って転べば膝の靭帯のリスクもあるし、足首もある。
ふくらはぎも、怪我の可能性が高い個所。
芝は見た目よりも手強いサーフェイスだ。」
ウィンブルドン
賞金総額26,750,000ポンド(約52億円)
優勝賞金1,880,000ポンド(約4億円)
1回戦出場者29,000ポンド(約600万円)
オーダー・オブ・プレーPDF版
オーダー・オブ・プレーと結果
ライブスコア
ロンドン現地時刻(時差-8時間)
ドロー
<<男子2回戦>>
〇S.GIRALDO(COL) w/o ●5)錦織圭
<<男子1回戦>>
〇5)錦織圭 63 67(4) 62 36 63 ●S.BOLELLI(ITA)
〇9)M.CILIC(CRO) 63 62 76(4) ●Q)守屋宏紀
〇17)J.ISNER(USA) 76(5) 64 64 ●添田豪
〇Q)B.KAVCIC(SLO) 76(3) 63 76(5) ●Q)杉田祐一
男子本戦ドロー
<<女子2回戦>>
〇2)P.KVITOVA(CZE) 62 60 ●奈良くるみ
<<女子1回戦>>
〇奈良くるみ 36 63 43ret. ●M.LINETTE(POL)
〇17)E.SVITOLINA(UKR) 36 63 62 ●土居美咲
女子本戦ドロー
クルム伊達組、奈良くるみ組2回戦、青山修子組、土居美咲組敗れる
女子ダブルスドロー
杉田祐一、守屋宏紀 厳しい予選を突破、見事本戦入り
日本からは総勢15名のプレーヤー達が予選に挑戦した。
男子予選ドロー
女子予選ドロー
(記事塚越亘 写真佐藤ひろし/TennisJapan)