8月31日(月)、ニューヨーク、USオープン。
昨年準優勝、日本期待の錦織圭が初戦で敗れた。
それも2つのマッチポイントを握りながらのまさかの敗退だった。
第1セットは緊張からか、本来のプレーができずに落とすが、第2、第3セットを取り、第4セットのタイブレークで6-4とマッチポイントを握ったまでは、さすが世界の錦織圭と感心しながら応援していたのだが。
「彼のショットはどこに来るか?頭に入っていなかった。
彼の好きなプレーをさせてしまったのが敗因。悔しい!
相手が攻めていいプレーをして押されていたが、完璧ではないが何とかかわしていた。
こういう試合を勝ちたかった。
大きな大会で負けたのはしょうがない。
また練習する。」
と悔しさを押し隠して錦織圭はインタビューに応じた。
ペールはフォアのメチャメチャ大きなアウトで観客の失笑を買うかと思えば、
バックでクロスやダウン・ザ・ライン、そしてドロップ・ショットと多彩でコースが読めない。
キレそうだなと思えば、サービス・エース。
しかも、セカンド・サーブは開き直ってオンライン気味に行く。
これに錦織のリターンが返らず、ファーストの出来も良くなかった。
最後まで頑張った錦織だったが、切れのある本来の錦織のテニスは戻らなかった。
これが目に見えない期待とグランドスラム大会の重圧なのだろう。
悔しい敗戦だが、この敗戦が錦織圭をグランドスラム大会で優勝できるプレーヤーに育ていくのだろう、他のグランドスラマーと同じように。
<<悔しい錦織圭1回戦詳細>>
●4)錦織圭 4-6 6-3 6-4 6-7(6) 4-6 〇B.PAIRE(FRA)
錦織圭の試合は初日、ルイ・アームストロングコートのオープニング試合(現地11時から)となった。
日本時間では31日月曜日の真夜中から始まった。
対戦相手はフランスのB.ペール。
二人の対戦成績は錦織の2勝だったが。
トリッキーなプレーヤーのペール。
シレッとした表情とバックに要注意!
バックハンドはいつでもどこでも入るよという不気味さはある。
錦織のサービスキープで始まる。
ペールの第2ゲーム、
錦織のバックのダウン・ザ・ライン・ウィナー、
フォアのダウン・ザ・ライン・ウィナーで30-40といきなり錦織にブレーク・チャンスがあったが。
(ここで立ち上がりの悪いペールを攻め切れれば良かったな。)
錦織の第3ゲーム、
ペールのバックパスからバッククロスドライブボレーパスウィナー。
落としても、ノーバウンドでも関係ない。
バック方面だと生き生きして打ってくるのだ。
セカンドをバッククロスリターンへヒット。
その前に、セカンドをペールはフォアで思い切りリターンミス。
しかし、これは実は見せ球だったのだ。フォアは入らなくていいという潔さがある。
ペールが早々とブレークに成功する。
ペールの第4ゲーム、
錦織の回り込みフォアダウンザラインがすごいコース、0-40の大チャンス。
サービスからフォアドロップウィナー。
ペールのバックダウンザラインアプローチからフォア逆クロスボレーウィナー。
(ここでもブレークできなかったのが痛い!)
錦織の第9ゲーム、
15-40のセットポイントをファーストのコース取りが良くて、4-5キープ。凌ぐ。
最後はペールのサービスワイドから低く沈んだまま、回り込みフォアダウンザラインウィナー。
6-4でペールが先取!
1セットダウンの苦しいスタートとなった。
今日のペールはいつもよりフォアが入って伸びて行く。
ガシャもあるが、少ないし、割り切っているのが怖い。
相変わらず、バックがいい。読めないし、積極的に前に来ている。
第2セット
錦織の第1ゲーム、
ペールは走って、左足をサイドに滑らせてオープンでバックアングルパスウィナー。
ジョコビッチ並みのスーパーショットだ!
30-40のブレーク・ポイントを握られるが、
フォアのミスを誘い、1-0キープ。
錦織の第5ゲーム、
錦織のバックダウンザラインへ打つとペールのフォアスライスが来る。
それを錦織のバッククロスウィナー。
フォアクロスだとペールの変な引っかけたフォアムーンボールが来る。
バックダウンザラインだとスライスになる。これを狙え!
3-2とキープ。
ペールの第6ゲーム、
錦織のバッククロスリターンが深い。セカンドを攻撃した。
「イヤー」と大きな声の錦織。
4-2待望のブレークアップ。
最後はペールのバックスライスがサイドアウト。スライスなら怖くない。
6-4と錦織が取り返す。
第3セット
ペールの第3ゲーム、
錦織のバックダウンザラインリターンエース。ようやく、初めて出たよ!今日!
15-40の大チャンス!
ここからナント開き直ったペールの3連続サービス・エース。
キープされた!
このファーストにやられた!?
ペールの第7ゲーム、
錦織のランニングバックアングルパスウィナー。
そして、フォアアングルパスウィナー。
これぐらいで出てくれるといい。
ブレークに成功、4-3とブレークアップ。
最後は錦織のバックダウンザラインへヒット。
少し攻めてきたようだ。
6-4で錦織が取る。
少し落ち着いてきたかな?
第4セット
錦織の第2ゲーム、
0-30から30-30で長いラリー。
ここでやることがなくなったペールのバックドロップミス。
ペールが攻めていてドロップは危険だが、こうやってやることがなくなってドロップはむしろやらせたい。はまっていくから。1-1キープ。
ブレークはできないが、錦織のリターンが徐々に当たってきて、その後のストロークもコートに中に入ってきたようだ。
ペールの第7ゲーム、
ペールのバッククロスボレーが甘い。バックアングルパスウィナー。
しかし、またファーストがすごいコースに入る。オンライン気味が多い。
キープされる。
錦織の第12ゲーム、
ダブルフォルト2つ。
少し危なかった。
錦織のバックダウンザラインへボレーを押し込む。このバランスは非常にいい。
ここが他の選手と違うところ。ストロークのみではない。
キープ6-6。
タイブレークへ
錦織のバックダウンザラインリターンエース。
デュースコートでこのコースのウィナーは初だ。ミニ・ブレークで1-0。
2ポイント連取でタイブレークは3-0!5-2とリード。
ペーアは2ポイント取り、5-4、
錦織は攻められたが、バックのドップスピン・ロブで6-4と錦織はマッチポイントを握る。
錦織のフォア逆クロスが僅かにアウト。6-5。
サービス2本で逆に7-6とセットポイントを握られる。
錦織のフォア逆クロスがなんと簡単にネットにかかるミス!
逆転されてタイブレークを6-8、まさかのこのセットを落とす。
完全に勝利のペースだったのに・・・・・!
ファイナルセット
ファイナルになり精神的にも肉体的にも疲れを感じているような錦織、
いつもの切れのあるプレーができない。
錦織の第5ゲーム、
ペールは思い切りネットに詰めボレーで決める
錦織はストロークをロングして0-30。
30-30、
ペールはフォアクロスを2つ思い切りヒットして、強打のバッククロスアプローチ。
ここぞとばかり攻めてくる。30-40、ブレーク・ポイント!
そして、バッククロスリターンエース。あ~!狙っていたよ!完全に・・・。
吠えるペール。先にブレークを許す、2-3、これは痛いよ!
ペールの第6ゲーム、
力が入ってミスを期待するが、逆にペールのバックアプローチからスマッシュエース。
難しい下がりながらのスマッシュだが、乗っていると入る。
また、ドロップ・ショットの構えからスライスでウィナー。
錦織のお株を奪うようなショットでラブでキープ。(ペール4-2)
ペール5-4リード、サービング・フォ・ザ・マッチの第10ゲーム、
錦織は攻め抜き、0-15、
ペールはTへファースト・サーブ、15-15、
ここでセカンドサーブ&フォアボレー!驚きだ!30-15、超積極的だ。
錦織のバック深くへサービス・エース、錦織はラケットを出すが吹っ飛ばされた!
マッチポイント
最後はTへ、133マイルのサービスセンターエース。
今日最速のサービスを打ち込んだペール。
信じられないが錦織が敗戦してしまった。
悪夢の敗戦だ・・・。
今日は錦織は良くなかった。
相手のペールの思い切りの良さが目立った。
フォアのガシャがあるが、そうかとおもえばムーンボールが伸びていた。
3時間14分の戦い。
まさか、まさかの敗戦。
大会データー:2015USオープン
賞金総額:$42,300,000(約50億円)
優勝賞金(男女同額):$3,300,000(約4億円)
準優勝:$1,600,000(約2億円)
4強:$805,000(約1億円)
8強:$410,975(5千万円)
4回戦:$213,575
3回戦:$120,200
2回戦:$68,600
1回戦:$39,500(500万円)
128ドロー、ハード
予選8/25-8/29,2015
本戦8/31-9/13,2015
会場:USTA Billie Jean King ナショナルテニスセンター
オーダー・オブ・プレー
ライブスコア
NY現地時刻(時差-13時間)
ドロー
<<日本人男子プレーヤー1回戦>>
〇B.PAIRE(FRA) 64 36 46 76(6) 64 ●4)錦織圭
Q)西岡良仁 vs Q)P-H.MATHIEU(FRA)
男子本戦ドロー
<<日本人女子プレーヤー1回戦>>
〇土居美咲 63 63 ●D.HANTUCHOVA(SVK)
奈良くるみ vs 27)A.CORNET(FRA)
Q)日比万葉 vs 16)S.ERRANI(ITA)
女子本戦ドロー
西岡良仁、日比万葉は見事予選突破!
男子予選ドロー
女子予選ドロー
(記事 森下泰/塚越亘 写真佐藤ひろし/TennisJapan)