古い友人に「クソゲー体質」の奴がおります。
私のようにクソゲーをそれと知って楽しむ「クソゲーマニア」ではなく、意図せずとも
なぜかクソゲーに出会ってしまう奴なのです。
古くはファミコンの「タッグチームプロレスリング」「燃えろ!!プロ野球」
に加えて私が「10円やるから頼むからもらってくれ」と渡した「ゲイモス」を所持
しておりました。
おそらくは経済的に余裕があり多くのゲームを買えること、事前の情報収集をせず
店に行ってパッケージデザインで選んでしまうことが原因と思われます。
そんな彼も大人になり分別をわきまえ、さすがにクソゲー体質も治っただろうと
遊びに行ったときに発見したのがこちら。
セガサターン「湾岸デッドヒート」
タイトル画面から早くも滲み出るこのチープさ。現在なら素人がMicrosoft Wordで
描いてももう少しましなデザインになるでしょう。
この時点でクソゲーの匂いを嗅ぎ分けた私はニヤリと笑いました。
「間違いない。これアカンやつや」と。
内容はよくあるレースゲームなのですが、斬新なのは車だけでなく助手席に乗せる
女の子を選べること。
・・・・・・。
いや、容姿について多くは語りますまい。1995年といえばバブルの名残を惜しむ
イケイケギャル達がボディコン厚化粧で世紀末の街を闊歩していた頃ですからね。
彼女達の黒歴史がしっかりCD-ROMに刻み込まれておりました。
その女の子のボイスも数種類しかなく、
選択したときに「よろしくね」
ドリフトしたり他車と接触すると「危ないわね」
ゲームオーバー時に「あなたとはお付き合いできませんわ」
などとスーパー棒読みの台詞が繰り返されイラッとする仕様になっています。
それよりもまず実写ってどうなのよ、どんな需要があるのよ。ヤンキー共がゲームの
中で女の子乗せてドリフトするんかいと突っ込みたくなること請け合いです。
チープさと痛々しさと意味不明さと誰得仕様を兼ね備えた、当時としてもなかなかの
クソゲーと言えましょう。
KOTY(クソゲーオブザイヤー)には「年末には魔物が棲む」という言葉があります。
クリスマスにはプレゼント、正月にはお年玉を控えて希望に満ちた子供に絶望を
与えんと魔物が蠢くこの季節、クソゲーには十分気をつけましょう。