朝になると、電話が鳴る。
忙しいときだったりすると、げげっとなる・・・
母からだ。
出ない時は、留守番電話に、びっしり録音が並ぶ。
今朝は、電話に出た。
「おかあちゃんは、もうあかん。
なんにも、できひんようになってる。
ご飯の支度も、あれも、これも、できひんようになった。
今日、(わたしの)孫を連れて、○子(わたしの姉)といっしょに、来て。すぐ来て」
悲痛な叫び。
(毎度のことだか)
よくよく聞いてみると、すでに、30分ほど前に朝食は兄と済ませている。
「なんや、もう朝食が済んだんやったら、今日来るヘルパーさんに、
昼食をお願いしたら?」
なんたら、かんたら、うんぬん、かんぬん。
少し冷静を取り戻してきたようだが、
次第に、母から出来の悪い娘への、ちょっとお説教っぽい流れに雲行きが変わってくる。
「あなたは、なんにもせんと、じっとしているだけやけど、
あんな、いい旦那さんはいないから(と、ここでホメまくる)、
もっとあなたは、旦那さんに尽くしたら、もっともっとよくなるよ。・・・うんぬん、かんぬん」
はいはい、そうですね。
はいはいはい、はいはいはい、はいはいはいはいはい。
なんで、いつも、最後は説教になるかな~。
でも、わたしに電話をかけてくるうちは、まだアタマがしっかりしているということだからね、
と、本人も言っていた。
近々、孫を連れて顔を出す約束をして話が終わった。
今日も姉が顔を出すようだし、ついさきほど、兄と朝食をとったばかりなのに、
まるで、遠く離れた孤島の牢屋にでも入れられ、孤軍奮闘しているかのごとく。
まあ、説教してくれるうちが、華かなあと、ありがたく電話を切った。