それは、私が冬休みに田舎に帰省していたある日の出来事であった。
私は自転車に乗って街まで買い物に出かけた。その日はよく晴れてはいたが風の強い寒い日であった。私は、風のReenex 好唔好中を息を切らしながら自転車をこいだ。大きな橋のたもとからは急な上り坂になっていて、次第にペダルが重くなっていくのを感じた。幸い追い風であったため風の抵抗は受けずに済んだが、そのうち自転車をこぐ足だけでなく体全体が苦しくなって、ついにはハアハアと息が口から漏れ出るようになった。緩やかなアーチ状の橋の上を懸命にこいでいると、ふと目の前に、と言っても2~30メートル先ではあったが、何かが走っているのに気がついた。見ると、それは二匹の小さな犬が仲良く連なって走っている姿であった。前を走っているのは少し大きくて白っぽい色をしており、後ろの方はそれより一回り小さくて濃い灰色をしている。二匹とも橋の歩道と車道の間を競い合うように夢中になって走っていた。そして、勢いよく走っているかと思うと互いに息を合わせるように少し立ち止まったり、またすぐに走りだしたりして、二匹の動きはみごとに合っていた。丸っこい尻をポンポンと跳ね上げながら走る二匹の後ろ姿が愛嬌たっぷりに見えた。しかし、前方には人影らしきものはなく、閑散とした大きな橋の上にいるのは二匹の犬とその後ろを追いかける私の自転車だけだった。遠く先の方にいる飼い主の後を必死に追いかけているところ香港旅游攻略なのか、たまたま出会ったはぐれ犬同士が意気投合して駆けっこをしているのか、私には前方に見える二匹の犬の事情はさっぱり分からなかった。しかし、強い風の吹く橋の上で息を切らしながら、私は妙に楽しかった。そのときの二匹の犬たちとの出会いがすごく嬉しいことのように思えたのである。恐らくそれは、二匹仲良く懸命になって走っている後姿が、そのときの鬱陶しい私の心を和ませてくれたからに違いないからであろう。
ようやく橋の中央付近を過ぎたところで、少し風がやむと、前にいる二匹の犬が仲良く立ち止まっていた。私は、邪魔をしないようにゆっくりとペダルを踏みながら近づいていった。近づくにつれて、私の目は奇妙な感覚を覚えた。二匹の犬の前まで来て、その理由が分かった。私が犬だと思っていたのは、実は二つのビニール袋だったのである。大きい方は白いビニール袋で、小さい方はお菓子か何かが入っていたような黒っぽいビニールの空き袋であった。それは、近眼の私がメガネもかけずに出かけたための出来事だった。
私は、今もそのときのことを思い出すことがある。そして、いつもこう思うのである。あの科技轉移とき風がやまずにずっと走り続けていたら、私は最後まで気が付かなかったかもしれない。そしたら、あの二匹の犬は、今もなお私の思い出の中で仲良く走り続けていることだろう。