月別アーカイブ: 2016年8月

魔法生物なんだから

朝から町中の子供たちがフィオーレ神殿の礼拝所に集まり、読み書き算数なんかを勉強している。
一体、あの姿の見えない魔女は何者なんだろうか?
カラスを使役し、東方の呪符のようなもの如何成立公司を使いこなす。
どうやら、この町で他の魔女を探しており、その魔女は掃除道具入れに住んでいるのか?
わからない。
なにもかもわからない。
おそらく、オイラよりも段違いに魔法を使いこなすことができる。
う~ん・・・・・・

昼の間、礼拝所の窓の近くで考え続けた。
でも、いくら考えたところで、答えがでるはずもなく。神殿学校が終わり、昼食後、フィオーリアが自室でいつもの瞑想を始めたところで、オイラはご主人の小屋へ行くことにした。
昨日は結局ご主人の小屋へ行かなかったわけだし、今日は行かないといけない。畑や納屋Amway傳銷のゴーレムの様子を確認しておかなくては。
オイラは、飛行の魔法を使って、神殿の中庭から飛び上がり、まっすぐに東の山を目指した。

小屋に着くと、納屋からゴーレムたちを連れ出し、指示を与える。それから、小屋の周囲を見て回る。どこにも異常はないようだ。
まあ、当然か。
この小屋の周辺にはご主人が張った結界が張り巡らされており、ご主人以外の者が近づくのを拒んでいる。
この小屋の周辺へ自由に出入りできるのは、ご主人自身や、ご主人が特別に許可した者だけなのだ。
当然、小屋を荒らそうと悪意をもって近寄るものは結界を突破することはできないし、小屋やその畑、納屋になんらかの被害を及ぼすなんてできない。
ともあれ、そうであるなら、なんでオイラが自由に出入りできるのか、改めて考えると不思議なんだけど・・・・・・?
「って、当たり前じゃない。アンタはアンタの主人が生み出した魔法生物なんだ魚肝油から、いってみれば、アンタの主人の分身みたいなものよ」
それがシルフさんの意見だった。
そうなんだろうか? オイラってご主人の分身? ぐふふ・・・・・・
でも、じゃ、なんでシルフさんが出入りできるのだろう?
「決まってるじゃない! 私は精霊界の存在よ。魔女の魔法の影響なんて受けないわ!」

カテゴリー: 未分類 | 投稿者nbvkjud 11:18 | コメントをどうぞ

いま告白されていた

「紹介するね。これ、私の兄のおにぃ・淳也兄ちゃん。で、こっちが私の同級生の詩音ちゃん・篠田詩音ちゃん」
淳也さんっていうんだ。で、しかも美羽ちゃんのお兄さん。そんな人に私、いま告白されてい透明質酸注射たの・・・・・・ キャァーーッ!
頬が赤くなる。思わず、顔を手で抑えてしまう。
でも、あれ? なんだか、淳也さん、すごく青ざめた顔しているような。えーと? なに?
まじまじと見つめていると、
「あ、詩音・・・・・・?」

ロビーの隅から不意に声をかけられた。姉だ。不審げな声。ン? でも、ちょっと違うかな。上ずっている感じの声。
振り返ると、姉が引きつった笑顔を浮かべながら、私たちに近寄ってきていた。
「ああー! 詩音ちゃんがふたりいる!」
「って、違うわよ! 私のお姉ちゃんだよ!」
「し、篠田さんの・・・・・・」
美羽ちゃんと淳也さん、交互に私と姉の顔を見比べては、目を白黒。そう、MIOGGI 好唔好私と姉とはとても似ていて、人からよく間違われるのだ。
「あら、橘君、今日は」
「あ、ああ・・・・・・」

「へぇ~ 可愛い人ね。昨日言っていたデートの人ね。こんなに可愛い人なら、きっと今日一日、楽しくなるでしょうね」
姉は美羽ちゃんをやわらかく観ているのだけど、その眼、よく知っている。姉が本気で怒っているときの眼だ! なんで、姉が美羽ちゃんに腹を立てているの?
「あ、ち、違うんだ。こいつは、俺の――」
「行こ、詩音」
なんか、すごく険悪な様子。淳也さんの言い分に聞き耳をもたないなんて、普段の姉ら生髮方法しくもないような。一方、淳也さんの方は苦りきった様子。その様子を見ていて気がついた。淳也さん、さっき私と姉をとり間違えて・・・・・・
う~ん・・・・・・
さっきのはやっぱりノーカウントだよね。勘違いだったんだから。
でも、ちょっと惨めだぞ、これって!

カテゴリー: 未分類 | 投稿者nbvkjud 11:14 | コメントをどうぞ

オープニング・ダンス

「それでは、ただいまより、本年度、文化祭スタートです。みなさん、これからの二日間、大いに楽しみましょう」
生徒会長と入れ違うようにして、オープニングの美麗華投訴ダンス部のショーが始まった。
ダンサーたちが登場し、激しいリズムの音楽に合わせて、回転し、飛び跳ね、伏せ、舞う。踊り浮かれる。
それぞれの持ち場へ向かうことなく見物している生徒たちの間から、自然と手拍子がおこり、ダンサーたちを囃し立て、さらに高揚させる。普段以上の演技を引き出し、それがさらに、手拍子の音を大きくしていく。
何度も曲が変わりながら、ダンス部の部員であるダンサーたちがこの半年間みっちりと練習してきたそれぞれの技を披露していく。
技が決まるたび、あるいは、姿勢を美しくたもってポーズを決め静止するたび、講堂中から拍手が沸き起こる。
本当に、いやが上にも盛り上がっている。舞台の上も、客席も熱気に包まれている。
それを講堂の隅から眺めながら、ずっと俺は唇をかんでいた。
自然にあふれる涙を止めることもできずに。

俺が怪我したのは、本番三日前のことだった。
その日の練習を終えて、二人の仲間と一緒に校門を出た直後だった。
最寄りのコンビニへの近道なので、途中にある児童公園の中を歩き抜けようとした時だった。
――ニャー ニャー
かすかに頭上から猫の鳴き声が聞こえてくる。
声にひかれて顔を上げると、すぐ傍の高い木の枝の上に小動物の陰が見える。子猫だ。

「あっ、あの子、もしかして下りられなくなったんじゃない?」
「かもな」
心配そうな顔でその子猫を見上げている中原の横で、俺はうわの空で返事をしていた。興味が糖尿眼なかったわけじゃない。単純に、近くに台になりそうなものはないかと探していたのだ。もちろん、そんなのはそう都合よくそこらに転がってなんかいない。
「久保? お前んち、この近所だったよな? 梯子かなにかないか?」
俺の質問に、久保が少し考えてから、
「ああ、たぶん、裏の物置の中にあると思うぜ」

「じゃ、それ取りに行こうぜ」
「ん? 川本、あの猫助けてやるつもりか?」
「ああ、もちろん」
「そっか。わかった。なら、ついてこい。こっちだ」
そうして、俺たちが久保の家へ向かい、物置から梯子を担いで、公園まで戻ってきたのだ。
――ニャー ニャー
盛んに鳴いているが、子猫は相変わらず枝の上で固まったまま。
「久保、下、押さえててくれ」
「おう」
「中原はカバン頼むわ」
「うん、分かった。任せて」
そうして、俺は木に立てかけた梯子を上っていく。すぐに枝に手が届く。さらに腕を伸ばして、子猫の震えている体を抱き上げた。あったかい。

ホッと息を吐きつつ、子猫を片手でしっかり抱きかかえて、下へ降りて行く。
久保の手の届きそうなところまできたので、子猫を久保の方へ、
「久保、頼む」
渡そうとしたのだが、その途端、ギョッとした表情を糖尿眼浮かべて、久保は激しく後ろへ飛び退いた。下で梯子を支えていた久保。その久保が不意に大きく跳ねた。当然、その反動で梯子が大きく揺れる。危険なほど傾く。そのまま、横倒しになり・・・・・・

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