福岡ソフトバンクホークスとのCS第5戦にて、日本ハムの大谷翔平選手が
日本最速となる165km/hを出しましたね。
当日Twitterでは「やめなさい!ヒトに戻れなくなる!」「パワプロで大谷使ったら
友達に嫌われるレベル」とまで言われていました。
「漫画を超えている」という表現もよく使われているようですが、これもその通り
だと思います。野球漫画で速球派のキャラクターといえば
不知火守(ドカベン)162km/h
茂野吾郎(MAJOR)164km/h
あたりですからね。加えて曲がりの大きいスライダーに150km/hのフォークとは
純粋な能力値で彼らを超えてしまっています。
また、キャラクターとしての問題もあります。
漫画であれば大谷選手のような抜群に才能のある若者は、生意気で人の和を乱す
性格で結果的にチーム力を削いでいたり、特殊な事情で能力に制限を設けたりする
ものです。
翼くんを上回る能力値を持ちながら心臓病を抱える三杉くんなどはその典型ですね。
ところが大谷君は温和で謙虚、自分の成績や球速よりもチームの勝利を最優先に
考える人柄で、才能に嫉妬するはずの先輩にも可愛がられています。
つまり分かりやすい欠点がないため、漫画としては「キャラが立っていない」
のです。
通常こんな能力値の高すぎるキャラは敵側のラスボスとして登場させるしかないので
「我らの赤ヘル戦士達が、諸悪の根源・魔王大谷に挑む!」という図式にしたい
ところなのですが、先述の通り性格が良すぎるので敵意が湧きません。
さらに物語としても出来過ぎです。
「シーズン序盤は不振が続きチームも低迷するが、大谷が勝ち始めるとチームも
上昇気流に乗り15連勝、ついには11.5ゲーム差を跳ね返して最後は自ら完封勝利で
優勝を決める。CS最終戦でDHの後クローザーを務め165km/hと日本最速を更新
して日本シリーズに出場、最終成績は10勝4敗 防御率1.86 本塁打20 打率.322
打点67」
ですからね。私がこの漫画の編集者なら
「『ぼくのかんがえたさいきょうのプロやきゅうせんしゅ』じゃねーんだからよ、
もうちょっと現実的な数字とシナリオにしろよ」
と言いたくなります。
つまり今季の大谷選手は
「主人公としては能力値高すぎ欠点なさすぎ、脇役としては存在感ありすぎ、
ラスボスとしてはいい奴すぎ、シナリオも出来過ぎ」
という、まさに「漫画を超えてしまった」存在と言えましょう。
ではどうするか。
「大谷翔平伝説 プロ野球編」ご愛読ありがとうございました!
次作「大谷翔平伝説 魔界トーナメント編」にご期待ください!