イタリア国際。その試合中に思わぬ“珍客”が乱入し、あわやスマッシュ直撃の事態が発生した。決定的瞬間をATP公式サイト「テニスTV」が動画付きで公開。海外メディアも「ローマの観客の注目を総ナメにした」「底抜けに愉快な奇想天外すぎる出来事」など続々と報じ、反響が広がっている。
ローマを舞台に行われているイタリア国際。18日に行われた男子ダブルス準々決勝、ルカシュ・クボット(ポーランド)、マルセロ・メロ(ブラジル)組―フアン・セバスティアンカバル、ロベルト・ファラ(コロンビア)の一戦、セミファイナル進出をかけたラリー中の出来事だった。
いきなりコートを横切る影が現れた。しかも小さく素早い。何者か――。観客が目を奪われた視線の先にいたのは、なんと猫だった。白と茶の1匹がネット際に沿うようにしてサイドから反対側へ駆け抜けた。しかし、注目を集めた理由はそれだけではない。コート中央を疾走する際にスマッシュがあやうく猫に直撃しそうになったのだ。
しかし、間一髪、頭上を通過して難を逃れた猫。わき目も振らず、そのままコートサイドの隙間から姿を消してしまった。プレーが止まり、会場は一段とざわめいた。なんともかわいらしい乱入者の横断シーンを「テニスTV」は公式ツイッターに動画付きで公開。さらに、海外メディアも続々と取り上げている。
「白熱した試合だったが、猫がローマの観客の注目を総ナメにした」
英衛星放送局「スカイ・スポーツ」は「サプライズ登場の猫がスマッシュを間一髪で回避」と見出しにつづり、「テニスってどんなもの? 猫がコートに侵入し、間近で鑑賞を楽しむ腹を括った。頭上を通ったスマッシュはあわや激突する寸前で、その後は風のように素早く去って行った。白熱した試合だったが、猫がローマの観客の注目を総ナメにした」とユーモラスに紹介した。
英スポーツサイト「GIVE ME SPORT」は「イタリアオープンのダブルスの試合が奇想天外な理由で長引くことに」と紹介し、「皆、選手がよく口にすることをご存知のことだろう。そう、スポーツでは何が起こるかわからない、と。そして、この日はまさに、スポーツは底抜けに愉快な奇想天外すぎる出来事をもたらしたのだ」と主役を奪った猫の登場を伝えている。
スペインのニュースサイト「ABCセビージャ」は「良いテニスプレーヤーは猫のようにネットをスライドすると言われているが、今回はその表現にピッタリなシチュエーションとなった」「一人の選手の放ったショットが素早い動きでネットを横切った猫に当たりそうだったことから、プレーに集中していた選手でさえ猫の存在に気付かなかったのでは」と報じている。
まさかの形で脚光を浴びた猫はそのまま客席を駆け上がり、颯爽と姿を消した。試合はセバスティアンカバル、ファラ組が勝利したが、1匹の猫が試合以上のインパクトをもたらした。