卓球台を挟んでボールを頭で打ち合う新スポーツ「へディス」が、静岡県内で着実に人気を広げている。20日には磐田市で全国初の団体戦の大会が開催。国内で普及が始まりわずか1年ながら、県内で常設チームが発足するなど、競技レベルも急速に向上している。
20日の「全日本ヘディスチーム選手権東海予選」には県内を中心に12チーム約50人が出場。上位2チームが8月の全国大会への出場を決めた。シングルスとダブルス計3試合で競う団体戦は白熱し、台に体を乗り上げてのダイビングヘッドや回転をかけたサーブなど、高難度の技が次々飛び出した。
「選手の真剣度が全然違う。レクリエーションでなく完全にスポーツ」。昨年夏に同市で県内初の個人戦大会を開いた磐田青年会議所の担当者は、1年での変化に驚く。
へディスは2006年にドイツで考案され、競技名はヘディングとテニスを合わせた造語。国内普及団体の代表を務める名越卓也さん(東京都)によると、国内競技人口は500~600人で、本県は非常に盛ん。ルールが簡単で子どもや女性も楽しめるという。
昨年の全国大会優勝者の平野伸幸さん(38)=浜松市天竜区=は、県西部の愛好者10人で4月にチームを設立し、週2回練習を重ねる。8月の団体戦全国大会にもチームで出場を決めた平野さんは「ヘディスは誰でも楽しめて、駆け引きや戦術の奥深さもある。子どもたちを含め、多くの人々に魅力を伝えていきたい」と語った。