◆テニス 全仏オープン第2日 ▽女子シングルス1回戦 大坂なおみ2(6―2、7―6)0ソフィア・ケニン(28日・パリ)
【パリ28日=大和田佳世】女子シングルス世界ランク20位で第21シードの大坂なおみ(20)=日清食品=が、同95位のソフィア・ケニン(19)=米国=をストレートで下した。第2セットは1―5から6ゲームを連取。2回戦で同51位のザリナ・ディアス(24)=カザフスタン=と対戦する。
4大大会で初めてシード選手になった大坂が、重圧から解き放たれた。最も広い会見場に笑顔で入ってくると、日本語で「普通じゃない勝利。緊張した。すごく負けたくない感じだった」と明かした。
第1セットは圧倒したものの、第2セットは緊張に負け1―5と大量リードを奪われた。ふと相手を見ると「緊張している。プレッシャーをかけ続けよう」と深呼吸して考え直した。冷静にバックハンドでライン際に決定打を落とし、終盤は13連続ポイントを奪取。「若い時は素晴らしい決定打を打とうとか、観客を喜ばせようと考えていたけど、年齢を重ねて勝つ方が大切と気付いた」。まだ20歳だが、豊富な経験を生かして立て直した。
“変化球”サーブ サーブでも進化を見せた。第1サーブの平均時速は152キロ。この日も最速183キロの速さは武器だが「全部を全力で打つのではなく確率を上げて、クレーではバランスも大事」とコート外へ跳ねる回転をかけ、スライスさせるなど変化をつけてポイントを重ねた。
3月に4大大会に次ぐ格付けのBNPパリバ・オープン(米インディアンウェルズ)でツアー初制覇を果たし、ランクも知名度も急上昇した。女子シングルスは初日(27日)に前回女王のJ・オスタペンコ(ラトビア)らシード3選手が初戦敗退を喫する混戦。優勝を期待する声にも「組み合わせは見てないから、誰がどうとかは分からない」とマイペースを崩さずに頂点を目指す。