「全仏オープン」(フランス・パリ/5月27日~6月10日/クレーコート)の大会4日目。男子シングルス2回戦で第19シードの錦織圭(日本/日清食品)が世界ランキング51位の地元選手であるブノワ・ペール(フランス)と対戦。6-3、2-6、4-6、6-2、6-3と錦織がフルセットを制し、見事3回戦進出を決めた。試合時間は2時間59分だった。
セットカウント1-2から第4セットを6-2で奪い返した錦織。錦織としてはこの試合が復帰後初めての第5セットだが、体力的には特に問題なさそうに見えた。
勝負の最終第5セットも、難敵ペールを相手に息の詰まる攻防。第4ゲーム、先にブレークポイントを握ったのは錦織だったが、そこからペールのスーパープレーが続き惜しくもブレークならず。ペールがここを凌ぎ観客を煽ると、地元フランスの会場はヒートアップ。大きな歓声に包まれた。しかし完全アウェーな雰囲気でも、錦織は冷静に自身のサービスゲームをキープ。
錦織3-2で迎えた第6ゲーム、ペールがサービスエースを決めるたびに大声援とブノワコールが沸き起こるなか、錦織にブレークチャンスが。会場の雰囲気を物ともしない集中力でここ一番のチャンスを掴み、ついにゲームカウント4-2とリード。直後の錦織のサービスゲームでは、再三苦しめられたドロップショットが甘くなるや、それをドロップショットで返しポイントするシーンも見られた。
その第7ゲームで、錦織は必死のペールにブレークバックを許すも、直後に再度ブレークをし返しゲームカウント5-3に。第9ゲーム、錦織のサービング・フォー・ザ・マッチでも、デュースまでもつれ込んだ。最後は相手のドロップショットも攻略し、苦しかった試合を逆転で制した。
試合後のインタビューで錦織は「今日は苦しかった。最後の最後まであんまり納得いかなかったので」「(相手のペールは)浅い球が来たり、すごくやりづらい相手だった」と振り返ったが、次の試合に向けて前も向いていた。錦織はそんなペールの揺さぶりを乗り越え、見事な3回戦進出。ますます強敵が増えてくる中でも、錦織の活躍に期待したい。
錦織は、3回戦でサム・クエリー(アメリカ)対ジル・シモン(フランス)の勝者と対戦する予定だ。