◇テニス 全仏オープン第1日(2018年5月27日 ローランギャロス)
4大大会復帰戦を白星で飾った錦織だが、初対戦のジャンビエ(フランス)のプレースタイルは想定外のものだったようだ。「攻撃的とはいえ、あれほど攻撃的な選手とは思わなかった」と世界304位の試合ぶりを振り返り「3セットで終われたのはラッキーだった」と語った。
強力なサーブはもちろん、ストロークでも強打、強打、強打の連発でミスもおかまいなし。ラリーを重ねてリズムを作っていく錦織にとっては何ともやりにくい相手だった。「ツアーにあれだけ打つ選手はいない。ディフェンスからもフラットで打ってきたり、たまにフェデラーとやっているような展開の速さがあったり」とロジャー・フェデラー(スイス)まで引き合いに出して持ち上げると、「まあ5回に1回ぐらいしか入らないんですけど」とオチもつけて笑わせた。
右手首のケガによる長期離脱があり、昨年のウィンブルドン以来の4大大会。「緊張はした。これだけ結果が出ていると自然と自分への期待も出てくる」と硬さは感じていたという。そんな時に思い出したのがテニスを楽しむという初心にも似た気持ち。「3セット目ぐらいで楽しまないといけないと思い出した。困難な時もどうするか考える楽しみがある。気持ちが少し軽くなった。この気持ちを忘れずにプレーしたい」
次戦は中2日で30日となる予定で、過去3勝2敗のブノア・ペア(フランス)と対戦する可能性もある。「ペアが勝ち上がってくればタフな試合になるので」と真顔での言葉に続けて、「まあ、あいろんなことを調整したいと思います。ありがとうございました」と勝手に会見を終わらせようとしてまた茶目っ気のある笑みを浮かべた。