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「テニス観客の熟成度はサッカーのメキシコオリンピックくらい?」

「テニス観客の熟成度はサッカーのメキシコオリンピックくらい?」

つい10~20年前まで、サッカーというスポーツは点が入るか否かで評価する傾向がありました。
場合によっては、前後半合わせて90分の試合において、多くて2~3点しか得点機会が無いことから面白味の無いスポーツとさえ言われることがありました。
もちろん、選手自身や関係者は時代に即した戦術やテクニック、知識を携えていたものの、多くの観客の観戦力はほぼ結果に興味がある程度でした。…
あの釜本選手が活躍されていた時代も1968年(昭和43年)メキシコオリンピックの得点王と銅メダルという好成績を残したものの、結果にフォーカスされたイメージが強いです。
それが月日が経ち1993年(平成5年)Jリーグが発足し、初代チェアマンでもある川渕三郎氏が牽引したサッカー界は、選手の力だけでなく、観客の観戦力も発達し、一大サッカーブームを巻き起こした経緯があります。
今では、小学生や女性でも戦術を語るような観戦力を身に付け日本でもメジャースポーツとして認知されるようになりました。

さて、これらをテニス界に置き換えてみましょう。
錦織選手の活躍により、各メディアでテニスを取り上げる機会が増えています。
この状態は、ある意味サッカーのメキシコオリンピックの時に酷似していると思いませんか?
勝敗がフォーカスされ、テニスや試合の内容まで突き詰めるほどの観戦力が向上しているかというと一抹の不安を感じます。
サッカーもメキシコオリンピックからJリーグまで約25年。
スーパースターが生まれれば、一過性のブームは起こるものの継続的な人気に繋がるかというと、ある意味で難しいことが証明されているとも言えます。

勝敗だけのフォーカスは一過性になってしまう可能性を秘め、本質的な競技の面白さを広められるかが重要なポイントです。
川渕チェアマンの凄さのひとつは、選手を育成したことより、全国民サッカーを観る人の観戦力を育成したことではないでしょうか?
一朝一夕に解決することではありませんが、テニスにおいても観戦力を高め、勝敗だけではない面白さ感じることができるような取組みをしていかなければなりませんね。

テニス界の川渕氏はだれでしょうか?

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カテゴリー: ミニコラム | 投稿者juniortennis 17:38 | コメントをどうぞ