月別アーカイブ: 2015年2月

「長所を伸ばす?短所を補う?」

「長所を伸ばす?短所を補う?」

練習において、自身の性格や長所短所を冷静に把握して、長所を伸ばし、不足した能力を補うための方法等を模索し行動に移すことは大切なことです。
ここで注意しなければならないのが、短所に目をむけてばかりしてしまい、長所を見失ってしまうことがあります。
ある意味で日本人的発想ともいえるかもしれません。

アベレージ思考の強い考え方は、時として短所に目を向けてばかりしてしまうことによって精神的にネガティブになってしまう傾向もあります。
勿論、トータルした能力を身に付けることが理想なので、アベレージ思考を否定するわけではありません。
ただ、精神的な部分も含めると、長所を伸ばすことに比べると、短所を克服することのほうが困難なことも多いです。

例えば、バックハンドが苦手で強力なフォアハンドを持ち合わせているジュニアプレーヤーがいたとします。その時点では、苦手が故に、フォアハンドを出来る限り回り込んで強力なフォアハンドを打つ攻撃的なプレースタイルでした。
それが、練習して人並みのバックハンドを身に付けることによって、今まで回りこんで打っていたフォアハンドのボールをバックハンドで対処するプレースタイルに変化していきます。
その結果、自分のストロングポイントを発揮する機会が減り、結果が伴わなくなってしまうことがあります。

あくまで極端な例で、もちろん練習が不正解というわけではありません。
今後、各ショットの使い方や組み立てを考えればより高みに近づけるとも言えます。
ただ、ここでの一考して頂きたいことは、対象がジュニアで、限られた学生時代ということと一番伸び盛りの期間に、苦手なものの練習ばかりに偏ってしまって良いかというポイントです。
レベルや個性によって異なりますが、得意なものの伸び率と苦手なものの伸び率を考えれば、比較的に得意なものの伸び率のほうが期待できる確率が高いとも言えます。

目先に囚われず長期的な目標に対して努力することは大切ですが、その過程で、結果が出なくても良いというわけにはいかないのも現実です。
出来ることなら努力したことに対して結果を期待するのが人間心理です。
自分の個性である長所の部分に目を向けて、向上させるように行動することは、苦手なものを克服するために努力すること以上に重要なこともあります。
少なからず、得意なものに対して行動を起こすことのほうが精神的にも気楽に立ち向かえるはずなので、その中で苦手なものを徐々に克服できればバランスの良い成長が期待できます。

練習とは「苦手なことを改善すること」
練習とは「得意なことを伸ばすこと」

皆さんの練習概念は前者に偏っていませんか?

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カテゴリー: ミニコラム | 投稿者juniortennis 18:07 | コメントをどうぞ

「指導者は第2コーチで、第1コーチはプレーヤーの中に」

「指導者は第2コーチで、第1コーチはプレーヤーの中に」

指導者というのは、プレーヤーを上達させることが出来るわけではなく、上達するような方法(アドバイス)を提示することが出来るだけです。
練習においても、表面上だけ行うことと、練習の意図や意義を理解して行うとでは大きな差が生まれます。

どんなに良いアドバイスをしても、実際にそのアドバイスを実行するのはプレーヤー自身です。
ということは、そのアドバイスをプレーヤーに覚えてもらわないと先に進むことは出来ません。

考え方によっては、プレーヤー自身の中にコーチが存在して、その内なるコーチは、覚えたアドバイスを意識させる役割を担っているとも言えます。。
このプレーヤーの中のコーチを育てなければ、アドバイスが機能し難いとも言えます。…
指導者は「いいことを言えた」かどうかでは無く、プレーヤーの頭に留めてもらえるような言葉(アドバイス)を発せられるかどうかが重要です。

禅問答のような話ですが、指導者が熱心になればなるほど、技術にばかり視点が偏る傾向があります。
一方でプレーヤー側は経験が長くなればなるほど、多くのアドバイスを聞き、頭の中で取捨選択や整理整頓が必要になります。

アドバイスを整理したり、状況に応じて過去のアドバイスを引き出せる能力の重要性を伝えることは指導者の大切な仕事ですね。
考え方のひとつとして頭の片隅に置いて頂けたら幸いです。

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カテゴリー: ミニコラム | 投稿者juniortennis 11:23 | コメントをどうぞ

「調子が悪かった」という言い訳は出来るだけ使わない。

「調子が悪かった」という言い訳は出来るだけ使わない。
ミスや敗戦の理由を「調子が悪かった」という言葉で片付けてしまうことは、とても安易なことです。ジュニア同士の会話で「今日は調子が悪かった」等を聞くことがあります。
では、「何が調子が悪かった?」「何故調子が悪かった?」
または、厳しい言い方をするならば、「調子」では無くて「力」が足りなかったのではないのか?
スポーツというものは、自己との対話がとても大切です。
「調子」という言葉はとても曖昧な表現であり、どこか自己との対話を避ける都合の良い言葉とも言えます。
仮に調子が悪いというならば、調子を上げる為に何をしなければならないかを整理しなければなりません。…

確かに日毎に体調は異なり、優れていないこともあります。場合によっては、どこかしら廻り合わせが悪く、運が無いような日もあります。
しかし、現実はそれらを言い訳にできません。
ジュニア自身もテストや試験を通じて、本当は「調子」という言葉が都合の良い言葉だと薄々気づいているはずです。
もしかしたら、分かっていても自分の気持ちを守るために「調子が悪かった」という強がりと似た解決策を選択しているのかもしれません。

ただ、ミスや敗戦の理由を「調子」という言葉で片付けることなく、冷静に「今の自分」と向き合い、分析・対応が出来るようになることは、テニスの上達だけでなく、人間力を高めることになるはずです。
苦しい場面や失敗後ほど、人としての真価が問われることが多いです。
学生スポーツの本来の目的は、社会勉強と人間育成である限り、スポーツを通じてどんな状況でも冷静に自己との対話の出来る精神力を養っていって欲しいですね。

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カテゴリー: ミニコラム | 投稿者juniortennis 08:40 | コメントをどうぞ

「練習」とは?「癖」は実力?

「練習」とは?「癖」は実力?

そもそも実力や技術とは意識して行うものではなく、無意識の中で行うものが多いです。
(戦術的な技術や力ではなく、ボールを打つという動作に対してです。)

人間、運動をしている最中に考えられることや意識することなんて一つか二つ出来ればよい方です。その考えることの一つを、試合中に打ち方や身体的な技術に使ってしまうということは、試合の流れや配球に対して意識を傾けることが出来ないということになってしまいます。
勿論、歴然とした実力の差がある相手であれば勝つこともできるかも知れませんが、拮抗した実力の相手であれば、勝敗を分けるポイントは配球や試合の流れを察知する能力が重要になるはずです。

では、根本である技術や実力を向上させるために何をするかというと、当たり前ですが練習をしなければいけません。
練習とは、言い換えれば…
「良い癖をつけること」が練習とも言えます。。
そして、その「癖」こそが実力であり、技術ということになります。
日本語で「癖」というと若干イメージは良くないですが、スイングひとつ挙げてみても、練習してきたスイングを無意識に実行できて、はじめて試合で役に立つことでしょう。
逆に、悪い癖をつければと実力が低下する可能性もあります。

極論ですが、単純にストロークを3球、ボレーを7球練習したら、どちらのほうが上達するかという問いを小学生にしたならボレーと答えるでしょう。
その理屈をそのままスライドして考えます。
10球ボールを打つ練習し、その内の3球を集中して打ち、残り7球を手を抜いて打ったとするならば、言い換えると
3球「良い癖をつける練習」
7球「悪い癖をつける練習」
とも言えます。
そうすると意識とは別に、身体はどちらの癖を認識して身につけてしまうかというと「悪い癖」になってしまうという考え方もできます。

もちろん、様々な練習方法があり、それぞれが目的が異なるので一概に全てこの理屈が当てはまるというわけではありません。また、一種の表現方法の違いとも言えるかもしれませんが、練習に対する意識付けとして念頭に置いておくことは大切だと思います。
「良い癖」をつける為に、「正しい意識」の元で、反復練習を行い、意識することなく「良い癖」を実行できる技術を身に付けることが大切ですね。

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カテゴリー: ミニコラム | 投稿者juniortennis 10:07 | コメントは受け付けていません。

「上達は右肩上がりの直線ではなく波線で上昇」

「上達は右肩上がりの直線ではなく波線で上昇」

テニスは特にメンタルなスポーツなので、調子の波が激しいことも多いです。
単純にそれによって、自身の実力自体が直線になることがないということになります。

さらに上達を目指して何かを変化させるということは、現在の自然な状態に違和感を与えるという考え方もできます。
多少の戦術くらいなら、そこまでの違和感を覚えることは無いかもしれまんせんが、フォームを変えようと試みている最中であれば、相当の違和感や歯車のかみ合わせの悪さを感じることも多いはずです。
その違和感が消えるまで継続することが上達に繋がります。

例えば、50%のストロークが、フォームを変えることによって一時的に45%まで下がり、そのフォームが身についた時、55%のストロークにレベルアップする流れです。…
ですから、
【50%】⇒変化⇒▼【45%】⇒練習⇒△【55%】⇒変化⇒▼【50%】⇒練習⇒△【60%】
単純ですがこのような流れが一般的とも言えます。

これは日常生活においても同様で、仕事や勉強においても波があるのは当然です。
学生スポーツの根本は、健全な身体を作り上げると共に、社会性等を高めるものです。
その中で、学生時期に自分の調子や努力と真摯に向き合える精神力を養い、努力自体がすぐに結果に結び付くものでは無く、継続という時間が必要なことを肌で感じ理解することはとても大切だと考えます。

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カテゴリー: 未分類 | 投稿者juniortennis 09:57 | コメントをどうぞ