土曜日
朝から雨でテニスはお休み。sさん出場の県室内テニスがパークドームで行われているので昼近く出かけた。
ドームの中に入るとkさんと鉢合わせ、彼女も彼女のテニスが気になって出てきたらしい。裏口から入ると正面の奥の左端のコートにTさんを彼女が見つけた。人気があるのだ同じクラブの仲間数名が観覧席に陣取っていた。
今日は12面のコートを貸切一般男女、男子60歳、女子40歳が行われていた。Tさんは40歳代に出場、5名エントリー総当たりで4試合も楽しめるようになっていた。
まだ日の浅い彼女にしては経験を積むに絶好の機会のようにも思えたが、残り4人は経験豊かなつわものと耳にしていた。どこまで通用するのか、そこに挑戦しようとする勇気には感服するものがあった。ぼくだったら二の足を踏んでいたに違いない、それをいうならぼくもなにがしかの年代に出場していなければいけなかったと後で後悔した。
1試合目が始まっていた。相手は福岡の大会でも名前を見かける選手、ストローカーではなかったし、サービスもそこそこ、しかしスライスやショートクロスで相手の弱点を攻めていた。フォアー得意なtさんは小細工には不慣れで、初戦の緊張感もあったかもしれない、終わって戻って来たので尋ねると指で丸を作った。
2試合目はコートにも雰囲気にも慣れたのか、得意のフォアーにエンジンがかかり、相手を追いつめるシーンもたびたび見られ序盤で2ゲームを取っていた。シングルスのテクニックにおいての差は歴然としていたが、彼女のサービスとストロークは引けを取らず堂々と渡り合っていたと思う。
3試合目、4試合目は同じく16だったが内容はそれ以上のもので挑戦する姿には必死さがあった。シングルスはボクシングと同じだと思う。打たれても打たれても4試合最後まで戦い抜いた彼女は輝いて見えたし、晴れやかに見えた。
「続けるの」と尋ねると笑みを浮かべうなずいた。