金曜日
気がつくと錦織はファーストを落としてセカンドが始まっていた。あくがきで知られたトミック、190余の長身からトスを前方に上げて鋭いサービスを放つ、バックは片手のスライスと両手打ち、フォアは長いリーチでバウンドしたボールはフラット一発で決める武器も持ちあわせ侮れない。
修行僧のような風貌、短く刈り込んだ頭髪に無精ヒゲ、削げた頬に見下したような眼差しで圭を凝視しているかに見えた。今までの戦いでは圭の苦戦が印象深い。
ファースト落としているんだ、やばいとみていると26 63とセカンドをものにしてほっと。3セット目はタイブレークで何とか下す。3セット目が勝敗の分かれ目だったと振り返る。
45で圭のサービス1540のピンチにサービス4本でしのいで55。相手のサービス、ジュースからドロップを追いかけてコートに転んだりして頑張るも56。圭のサービス、これもジュースに持ち込まれるも何とかしのいでタイブレークとなった。落してセット12でもなっていればトミックは気分良くして一気に攻め立てていたに違いない。
タイブレークは55まで競い65とセットポイント掴むも相手のサービスでスライスのミスショット、エースで決められ6667逆王手かけられるも圭のサービス、77そしてネットプレーで78と逆王手、相手はドロップ気味の浅いボールをネットしてセットを奪っていた。
4セット目も油断大敵だった。55まで競り合いそこから一気に6575と勝利していた。圭は近頃では最高のサービスで、ショットもミスが少なく強打を打ち込み、トミックは苦悩の表情を垣間見せていた。
3回戦の相手はキリオス、トミックと同じオーストラリアの悪ガキの一人、よりによって二人とのレンチャンとなる。キリオスには負けてないと思う。どちらかといえばキリオスの方が戦いやすいかもしれない。一目おいてくれているだろうし、トミックスと同じように後半力の差が出てくると予想する。
前チャンピオンのムグルサまさかの選手に敗れる。ぼくも初めてじっくり見たドイツの24歳、バン・ウィトバンク選手。ファースト、ムグルサ苦戦するも64で取ったのでさすがだと思っていた。しかし相手は鋭いサービスショットを打っていたなあと思っていたら、それが2、3セットに爆発した。ドイツのナンバーワンはケルバーだが彼女の方がよっぽどうまいと感じた。セカンド26ファイナル16と前チャンピオンはなすすべがなかった。刀折れ矢尽きてしまった沈痛な表情が印象に残る。
ワイン1ケース届く。父の日だな今回はかんばって痛飲しょう。
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