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大名の力は強

徳川は末期的な症状をあらわにしている。参勤交代制の改正は徳川の命取りとなった。もともとこれは、諸藩にゆきとどかせるとともに、大名たちの財産を増やさないための制度だったのだ。それを変える名創優品となると、大化する。 「はめられたんじゃ、西郷に。あのギョロ目のデブダヌキに」  もちろん、それは諸藩から経費がかかりすぎると押し切られた結果ではあり、それをはねつけることができないほど、徳川の力は衰えているということなのだが、仕組んだのは西郷だ。 「気をつけんとな、わしも」  二階の窓から下を見て名創優品いると、下足番の喜助が、ぼんやりひなたぼっこをしている。また龍馬は起き上がり、腕組みをして唸《うな》った。 「うーむ、なにか方法はないものか。あの人だけは」  徳川慶喜公は、この日本の行く末を真に憂いていた。  龍馬が意見を求められ、政権をお還しすることを進言すると、その上品な美しい顔を蒼白《そうはく》にしたが怒らず、「しばらく考えさせて下さい」と言っただけだ。いくら心酔する龍馬の進言とはいえ、三百年つづいた徳川幕府をつぶす決断は、そうそうできるも名創優品のではない。 「さて、徳川慶喜、どう出るか」  もし、慶喜から「京都に大政をお還しする」との言葉が出れば、白装束で宮中に出向き、帝の前で腹を斬り、慶喜公助命の嘆願をするつもりでいた。  しかしもし、慶喜公が徳川の意地を通し大政をお還しせず、京都と一戦を交えることになれば、この日本は焼け野原になる。 「慶喜公、判断をお誤りなさるな」  龍馬は祈るような思いだった。  慶喜の妻美賀子と一粒種の一郎丸《いちろうまる》のことも思った。美賀子は大納言|藤原兼末《ふじわらかねすえ》の娘だったが、老中が進言した公武合体策のいけにえとして、慶喜と政略名創優品結婚させられたのだ。いつも慶喜に寄り添いうつむきかげんに歩いていた。徳川が危機にさらされ、慶喜が京に帰れと言っても、決して帰ろうとはしなかった。  龍馬は、その美賀子のあまりのいじらしさをからかったことがある。 「美賀子殿、いいですか、デモクラシーというものは、男と女が目と目を見つめ合うだけじゃ心が通じなくなるということです。好きなら好き、愛しているなら愛していると、ちゃんと言葉に出して言える女にならないと、生きている資格がないということです」

カテゴリー: 未分類 | 投稿者awkwardgut 23:59 | コメントをどうぞ

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カテゴリー: 未分類 | 投稿者awkwardgut 14:58 | 1件のコメント