月別アーカイブ: 2016年3月

薄い亜麻色の髪を

東の空が白みはじめると同時に出発した一行は、エムサットの北に横たわる森を迂回し、北へ向かう街道のほど近くで停止した。
「ストラゲンとかいうのが約束を守ってくれるといいんだが」クリクがタレンに向かってつぶやく。「サレシア国ははじめてだし、事情もわからずに敵地を進むのはどうも気に食わん」
「ストラゲンは信用できるよ、父さん」タレンは自信たっぷりだった。「サレシアの盗賊にはお耳鳴治療かしな名誉の意識があるから。気をつけなくちゃいけないのはカモリア人さ。儲《もう》けになるとわかったら、自分をいつわるのも平気なんだ」
「騎士殿」穏やかな声が背後の木立の中から聞こえた。
 スパーホークは即座に剣に手をかけた。
「その必要はないぜ、閣下。ストラゲンに言われてきた。この先の山にかかるあたりには強盗が多いんで、安全にお送りしてこいと」
「ではそこから出てきてはどうだ、ネイバー」
「隣人《ネイバー》ね」男の笑い声が聞こえた。「これは気に入ったな。さぞたくさんの隣人がいるんだろう、ネイバー」
「近ごろでは、世界じゅうのほとんどの人間がそうらしい」
「ではサレシア国へようこそ、ネイバー」木立の中か能恩ら出てきた男は、していた。きれいに髭を剃り、粗野な服装をして、荒々しい外観の矛《パイク》を持ち、鞍には斧が下がっていた。「ストラゲンの話では、北へ向かうつもりだとか。われわれはヘイドまで同行する」
「それでいいか」スパーホークはフルートに確認した。
「完壁よ。そこから一マイルほど行ったところで街道からそれるの」
「子供から命令を?」と亜麻色の髪の男。
「目的地までの道はこの子が知っている」スパーホークは肩をすくめた。「案内人とは言い争わないほうがいい」
「かもしれないな、サー?スパーホーク。わたしの名はテルだ――だからどうだというわけじゃないが。一ダースの部下と、乗り換え用の馬を連れてきてる。それとクリクさんが必要だと言った、食糧そのほかも」テルは片手で顔を撫でた。「ちょっと驚いているんだよ、騎士殿。ストラゲンがよそ者にSCOTT 咖啡機開箱これほど親切にするのは、はじめて見た」
「プラタイムって名前を知ってるかい」タレンが尋ねた。
 テルは鋭く少年を見た。「シミュラを仕切ってる男か」
「そう、それ。ストラゲンはプラタイムにちょっとした借りがあって、おいらはプラタイムのために働いてるのさ」
「なるほど、それなら筋が通る。さて騎士殿、どうやら日も昇ってきた。そろそろヘイドへ出発しないか」
「そうしよう」スパーホークも同意した。

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例のトロールにも

「時間を取らせて悪かったな」クリクが馬にまたがりながら礼を言った。
 痩せた男はうなり声で答え、家の中に戻っていった。
 夕焼けに染まった村の外に出ると、スパーホークが従士に話しかけた。
「役に立つ情報だ。少なくともこのあたりにゼモック人はいない」
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「そこまで当てにできますかね」クリクは懐疑的だった。「あの男、あまりいい情報源だとは思えませんよ。周囲で何が起きてるか、気にするタイプじゃなさそうです。それに気をつけなくちゃいけない相手はゼモック人だけじゃない。シーカーが何を仕掛けてくるか知れたものじゃないし、気を配らな中醫診所くちゃならないんです。宝石が姿を現わせば世界じゅうに知れわたるってセフレーニアの話が本当なら、あのトロールこそがまっ先に気がつくはずだと思いませんか」
「どうかな。セフレーニアに訊いてみないと」
「そう思って行動したほうがいいですよ。王冠を掘り出したら、たぶんあいつと対決することになります」
「なかなか楽しい考えだな。とにかく塚の場所はわかったんだ。暗くなる前に、カルテンがどこに野営することにしたのか見てみようじゃないか」
 カルテンは湖畔から一マイルばかり離れた場所で、低木の茂みの中に野営地を設営していた。茂みのはずれでは盛大に焚《た》き火が燃えている。火のそばに立つカルテンのところに、スパーホークとクリクが戻ってきた。
「どうだった」
「塚の方角はわかった」スパーホークが馬を下りながら答えた。「そう遠電波拉皮くじゃない。ティニアンに相談しよう」
 重装甲のアルシオン騎士は、野営地の焚き火のそばでアラスと話をしていた。
 スパーホークはクリクが村人から聞き出した情報を話し、ティニアンのほうを向いた。「調子はどうだ」
「元気だよ。どうしてだ。具合が悪そうに見えるか」
「そうじゃないが、もう一度死霊魔術を使う気があるかと思ってね。前回はひどい目に遭《あ》ったわけだから」
「大丈夫だよ。一連隊をそっくり起こしてくれとでも言うなら別だけど」
「一人だけでいい。掘り出す前にサラク王と話をしておきたい。王冠がどうな二手Toyotaったのか知っているだろうし、サレシアへ連れ帰るのに異議がないかどうかも確かめておきたいからな。怒った亡霊を連れて歩きたくはない」
「まったくだ」ティニアンは大きくうなずいた。
 翌日は夜明け前から起きだして、地平線に最初の曙光が兆すのをじりじりしながら待ち受けた。空が白みはじめると、一行はまだ暗い野原を横切って駆け出した。
「もう少し明るくなるまで待ったほうがよかったんじゃないか」カルテンが不平を洩《も》らした。「同じところをぐるぐる回るようなことになるぜ」
「東へ向かうんだから、日の出の方角へ進めばいいだけだ。明るいほうへ向かっていけばそれでいい」
 カルテンはさらに何かつぶやいた。
「聞こえなかったぞ」とスパーホーク。
「おまえに言ったんじゃない」
「これは失礼」

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