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ーホークに尋ねた

クリクは脅すようにベルトに手をかけた。
「わかった、わかったよ。興奮しないで」少年は急いで階段を上っていった。
酒場はいささか煙たく、床に撒《ま》かれたおが屑《くず》のあいだ鑽石能量水機
には銀色に光る魚の鱗《うろこ》が散らばっていた。平服に着替えた五人の騎士にクリクとベリットを加えた七人は、遠慮がちに中に入り、あいていた隅のテーブルに腰を落ち着けた。
「ビールだ。どんどん持ってこい」カルテンが女給に声をかけた。
「飲みすぎるなよ」スパーホークがささやく。「おまえは重いんだ。部屋まで運び上げるのはごめんだからな」
「心配するなって。おれはラモーカンドに十年いて、前後不覚に酔ったことは一度もないんだ。ここのビールは薄くて、水っぽいんだよ」
女給は典型的なラモーク人女性だった。腰と胸が大きく、ブロンドで、控えめな表情をしている。着ているのは農民ふうのブラウスで、衿《えり》ぐりが大きく、それに重そうな赤いスカートを合わせていた。木靴をかたかたと床に鳴らしながら、愛想笑いを浮かべている。やがて銅の帯を締めた木のジョッキに注がれた、泡立つビールが運ばれてきた。
「まだいてくれ」カルテンは女給にそう声をかけてから、息もつかずにビールを飲み高鼻干した。「こいつはもう空《から》になっちまったからな。もう一杯持ってきてくれ」そう言いながら馴《な》れ馴れしく尻を撫《な》でる。女給は笑い声を上げ、急いでお代わりを注ぎにいった。
「いつもこの調子なのか」ティニアンがスパ。
「機会さえあればな」
そのときカルテンが、店じゅうに聞こえるように大声を張り上げた。
「さっきから言ってるとおり、半クラウン銀貨を賭けたっ中醫婦科ていい。こんな北のほうで戦闘があったなんて、考えられるものか」
「だったらおれは、戦闘があったってほうに銀貨二枚だ」即座に作戦を見抜いたティニアンが応じる。
ベヴィエはしばらく戸惑った顔をしていたが、やがて目に理解の色が浮かんだ。

カテゴリー: 未分類 | 投稿者blankgut 13:02 | コメントをどうぞ