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零細・中小企業が融資を受けられるように-企業向け税制優遇融資-企…

に合わせて独自の解決策を提

最近、お客様から「中小企業はどのようにしてローン事業を利用できるのか」十大升幅けることがあります。ここでは、筆者が法人税額控除に関するいくつかの知識を紹介する。質問があれば、著者はあなたの具体的な状況に合わせて独自の解決策を提案します。

中小企業向け融資の条件について教えてください。

国の産業政策に沿って、高公害、高エネルギー私人貸款利率していない。

商業銀行からの評判も良く、信用度も悪くない企業です。

工商行政管理及び資源管理の関連部門に認可され、登録され、年次検査に合格した営業許可証を保持し、社会人銀行が発行した正常な年次検査用ローンカードを保持すること。

ビジネスリスク管理会計システムと財務情報管理作業システムを持つ正式な組織で、固定された基礎と事業活動の場所、法的操作、製品に市場と利益がある。

契約を履行することができる。良好な支払能力、返済意思、信用資産のリスク区分が通常または非金融要因であること。

事業者または実際のオペレーターの質が高く、個人の信用実績が良好であること。

原則1年以上(1年を含む)継続して設立され、一部の製品や新規ライセンス取得の要件が緩和された安定した事業環境。

MSMEが融資を行う際のプロセス管理はどのようになっているのでしょうか。

調査段階。

申請者は、どの銀行や小口金融機関が中小企業向けの融資を行っているか、その条件が満たされているか、どの融資が自分の事業に適しているかを調査する必要があります。具体的な融資額、条件、要件、申込書などを作成します。

素材準備段階。

調べてみると、マイクロファイナンスやスモールビジネスのローン商品についてよく理解しています。この時点で、融資を申し込む銀行と関連商品を特定し、融資商品の条件に合わせて申込書類を作成する必要があります。有担保ローンや住宅ローンを申し込む場合は、この段階で適切な抵当物件証明の申請や保証人の関連書類を準備する必要があります。

借入申込の段階。

書類が揃ったら、銀行に出向いて申し込みます。 この段階で、銀行が要求する申込書を作成する必要があります。 申込書を提出し、ローンカード等の手続きを行う。 銀行は、お客様が提出された情報を確認します。 申請が承認された場合、銀行から申請者に通知されます。

融資の手続き段階。

この段階は、申込者がローンの申込を完了したことを示します。 保証人との保証契約、銀行との金銭消費貸借契約、不動産担保契約、ローン利用証明書など、さまざまな種類の契約を結んでいただきます。 銀行は、融資条件を実行した後、所定の手続きで融資を行い、借入人が銀行に開設する予定の口座に融資金を振り込む必要があります。

借り手の返済段階。

この段階では、私たちを必要とするのは申請者であり、契約管理規定に従って期日通りに返済することです。 個人と企業の両方が期日通りに金額を返済する必要があり、デフォルトは自身の信用記録にマイナスの影響を与え、銀行の関連研究金融サービス事業活動の展開にマイナスの影響を与え、損失を上回ると思われます。

中小企業向けの融資額と金利は?

MSMEへの銀行融資額は、MSME名義の資産、税務管理、収入、収益開発など、MSMEの性質によってほぼ決定されます。 1つは、企業を実現するためにハイテク情報技術のための私達の国家または地域のサポートに沿った場合、1つは、無利子または起動を申請することにより、融資や無利子資金を提供することができます。

2万以上の納税者のための中小企業の税金法案のローンは、その後、最大500万円は、通常の状況下で、無担保信用貸付、通常20〜50万行うことができます。年間納税額が10万を超える場合、通常の状況下で、銀行は50〜100万行うことができます。 年間20万円以上の税金を払っている人は、もっと頑張れるはずです。

カテゴリー: 未分類 | 投稿者blankgut 15:47 | コメントをどうぞ

保険加入書類の主な4つの種類

一部の状況に対して支払われるものなので

保険の種類にはそれぞれ機能があります。 適切なも危 疾 保險ることで、リスクを移転し、経済的損失を軽減することができます。 間違って買ってしまうと、ただの無駄になってしまうかもしれません。

地雷を踏まないために、様々な社会保険会社から購入す年金し穴の目録をお渡しします。

重大疾病保険

診断で配当はありますか?

重大疾病保険に加入する際、一部の営業担当者から「重大疾病保険は診断時に保険金が支払われ、醫療保ローンの返済などに充てることを選択できる…」という誤った情報を流される人も多いのではないでしょうか。

この「診断と補償」は多くの人を欺きますが、実は重病保険は下表のように、一部の状況に対して支払われるものなのです。

例えば、中等症、多発性四肢、重度の第三度熱傷などの重度の腫瘍は診断後すぐに補償されますが、新規則で指定された他の25種類は補償されません。

だから、ああ、すべての病気の開発はすぐに補償診断され、特定の実際の状況は、特定の問題を介して分析する必要が実施され、あなたが購入する際に注意を払う必要があります。

重大疾病保険の均質化

保険についてご存じない方の多くは、保険は「支払う対価」であり、「価格が高いほど保障が充実している」とお考えではないでしょうか。

これは真実であり、また誤りでもある。9割の重大疾病商品では、余分なお金は賠償責任にあまりプラスにならないかもしれない。

では、この2つの製品を比較してみましょう。

この二つの重大疾病保障の社会的責任は大差なく、前者の電子製品はホーネット7ほど責任会社が豊富ではなく、価格も3倍近くする。

そのため、製品を選ぶ際には、保護責任が同じであれば、コストパフォーマンスの高いものを選びたい。

ミリオンダラー・メディカル

保険金額が高ければ高いほど良い

保障額が数百万円の医療保険の強い効用を表さない最大の理由は、医療保険が実際の医療費の払い戻しを前提とした診療報酬型の保険であるためです。

例えば、30万円の入院費を使った場合、100万円の保障の医療保険に加入しても400万円の保障の医療保険に加入しても、最終的には30万円しか払い戻されません。

入院費は払い戻されます

百万円医療保険賠償責任保険」の主な内容は、外来・入院のカバーですが、入院期間中の保険金は支払われません。

一般的に、大富豪の医療保険には免責額があり、通常5,000~10,000円で、免責額を超えた部分のみが払い戻され、超えなければ大富豪の医療保険は使われない。

一般的に、免責金額が低ければ低いほど、実質的な出費を抑えることができます。

また、補償の対象とならない免責条件もあります。

例えば、持病や出産、遺伝性疾患などで入院した場合、メガ医療開発では給付金の付与を見送らせていただきます。

傷害保険

傷害保険によくある落とし穴として、「全損のみ」「傷害医療保障がない」「払い戻し可能な傷害保険」がありますが、一つずつ検証・分析します。

全障害のみ

一般的に傷害保険のルールは、「障害の程度に応じて保険金が支払われる」というものです。

しかし、多くの人は、障害だけをカバーする傷害保険に加入しています。 例えば、手足が完全に折れてしまった場合は、後遺障害等級5級となり、全廃とはなりません。 この場合、保護が不足しています。

事故による医療行為なし

事故は、我々は言うことができるユビキタスですが、いくつかの企業の製品は、死亡と障害補償、500万、1000万などに補償額を発生する問題の小さな確率のブラインド追求を実施するために、事故医療サービスの保護を無視し、この従来のアプローチは、製品の本来の意図に反して明確に増加しています。

傷害保険の払い戻し

事故による損失、ここに戻る事故はなく、この復帰事故保険は非常に人気があり、多くの人がピットに足を踏み入れました。

これらの商品は年間数千ドルかかることが多く、これほど高いのは、保険会社が保険料を消費者に転嫁しているからである。

定期生命保険

子供のために定期生命保険に加入する

前述したように、定期保険に加入する目的は、一家の屋台骨が倒れて経済的な余裕がなくなるのを防ぐためです。

子ども自身は決して家計を支える存在ではなく、子どものために定期保険を買う必要はない。

職業上の制限

定期保険は、キャリア形成のための要件がより厳しくなっています。

リスクの発生確率は職業によって異なるため、保険部門がリスクをコントロールするために、特定の職業の保障を制限するのは当然のことである。

一般に、保険会社はリスクのある職業によって、1~6のクラスに分かれています。 クラス数が多いほど、職業のリスクの度合いが高くなる。 下表をご覧ください。

例えば、私たち消防士が6類の職業に属している場合、1~4類の職業をカバーする定期保険の加入は実行できないし、実行したとしても保険金を得るための問題がクリアできない可能性が高く、この社会ではやはり分析に気を配る必要があるのです。

カテゴリー: 未分類 | 投稿者blankgut 11:24 | コメントをどうぞ

け入れるしかあるま

ブランドの顔は相変わらず石のように固く、背を向けてかたくなに沈黙を守っていた。
「ベルガリオンはわたしを許してくれました。父上にもどうかお許しをいただけないでしょうか」
「だめだ」ブランドはしわがれ声で言った。「わたしにはできん」
「お願いです、父上」オルバンは哀願した。「わたしのために涙を流してはいただけないのですか」
「一滴たりともごめんだ」ブランドはそう言ったが、アリアナにはかれの言葉が嘘だということがわかっていた。灰色の衣をまとった、むっつり顔の男の瞳は涙であふれていたのである。だがその表情は大理石のように変わらなかった。それ以上何も言わずに、かれは大股で天幕から歩み去った。
オルバンの兄弟たちは、やはり無言のままかわるがわる弟の手を握りしめ、父の後を追って出ていった。
オルバンは静かにすすり泣いていたが、体力の消耗とアリアナの与えた薬が、しだいに悲しみを奪い去っていった。かれはなかば意識を失いかけながら寝台に横たわっていたが、最後の力をふりしぼって身を起こし、ミンブレイトの娘を手招きした。彼女は怪我人のかたわらにひざまずき、片方の肩に腕をまわしてささえ、不明瞭な言葉を聞き取ろうと顔を近づけた。「お願いがある」かれはつぶやくように言った。「どうか女王陛下にわたしが今父上に言ったことと、わたしがいかに申しわけなく思っているかを伝えてはもらえないか」そのとたん、かれの頭はがっくりとアリアナの方に垂れ、若者は娘の腕の中で静かに死んでいった。
だがアリアナには悲しんでいる暇はなかった。ちょうどそのとき、ブレンディグ大佐が三人のセンダー人に運ばれて、天幕の中に入ってきたからである。大佐の腕はまったく回復の見込みがのぞめないほど、潰されていた。
「われわれは、街へ通じる橋を壊していたのです」センダー人のひとりが簡潔に報告した。
「どうしても倒れない支柱が一本あったので、大佐殿自らその柱を切り倒そうとなされたのです。ようやくそれを倒したとき、大佐殿がその下敷きになられました」
アリアナは憂いの色を浮かべてブレンディグの潰れた腕を調べた。「残念ですが、もはや手の施しようがありません」彼女は言った。「壊疽を起こしているので、命を救うためには、切り落とさなければならないでしょう」
ブレンディグは落ち着きはらった顔でうなずいた。「たぶん、そんなところだろうと思っていた」とかれは言った。「ならば、それを受いな」

「見えたぞ!」ローダー王が下流を指さしながら叫んだ。「煙だ――それも緑色の! あれこそ合図だ。われわれは撤退を開始できるぞ」
ヴァラナ将軍は上流の河岸をじっとながめていた。「残念ながらもはや遅すぎるようですな、陛下」かれは静かな声で言った。「マロリーとナドラクの大軍が、ちょうど西方の河岸に到着しました。どうやらすっかり退路を断たれたもようですな」

カテゴリー: 未分類 | 投稿者blankgut 11:57 | コメントをどうぞ

これまでもしょっちゅうあっ

「どこへ行かれるのですか」騎士はたずねた。
「今にわかるわよ」彼女は馬の向きを変えると、ひしめきあう軍団めがけて、山腹を駆け登っていった。マンドラレンはやれやれといったおももちで、バラクと視線を交わし、鎧をが

ちゃがちゃいわせながら鞍にまたがり、後に従った。
 先頭にたつセ?ネドラは注意深く胸元の護符に指先をあてた。「レディ?ポルガラ」彼女はそっと呼びかけた。「わたしの声が聞こえて?」果たして護符が思うとおりの働きをしてく
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れるかどうか、彼女にはわからなかったが、今はこれに賭けるしかないのだ。「レディ?ポルガラ」彼女はいくらか前よりも緊迫した声で呼びかけた。
「いったい何をしようというの、セ?ネドラ?」小さな王女の頭の中に、ポルガラの声がはっきりと聞こえた。
「わたしはこれからトルネドラ軍を説得するのよ」セ?ネドラは答えた。「かれら全員に、わたしの声が聞こえるようにしてくださる?」
「いいわよ。でもあなたのお国の人たちは、愛国的な演説に見向きもしないと思うわ」
「わたしには別の考えがあるのよ」セ?ネドラは自信ありげに答えた。
「あなたのお父上が発作を起こしてるわよ。口から泡をふいていらしてよ」
 セ?ネドラは悲しげなため息をついた。「わかってるわ」彼女は答えた。「興奮するとよくそうなるのよ。モリン卿がお薬を持っているわ。お願いだから父が舌を噛まないようにして

あげてちょうだい」
「あなた、わざとかれを怒らせたのね? セ?ネドラ」
「どうしても軍団を説得する時間がほしかったのよ」王女は答えた。「発作はそれほど深刻なものじゃないわ。たのよ。終わると鼻から血を流して、ひどい頭痛を起こすわ。お願いだからおとうさまの面倒をみてあげてね。わたし、おとうさまを愛しているのですもの」
「わたしがやるべきことはわかったわ。でもこのことについては、後であなたとよく話しあった方がよさそうね。世の中にはやってはいけないこともあるのよ」
「でも他にどうしようもなかったのよ、レディ?ポルガラ。これもみなガリオンのためなのですもの。わたしの声が、トルネドラ軍に一人残らず聞こえるようにして下さるわね。これはとっても大切なことなのよ」
「わかったわ、セ?ネドラ。でも、くれぐれも軽はずみは慎んでちょうだい」そして声は聞こえなくなった。
 セ?ネドラは目の前にずらりと並んだ軍勢をさっと一瞥し、そこになじみの第八三軍団の紋章を見つけると、その前に乗り入れた。彼女の顔を知り、その身分を他の軍団に知らしめて

くれるような人物の前に行くことが、どうしても必要だったからである。もともとこの第八三軍団というのは、儀礼用の軍隊であり、伝統的にかれらの兵舎はトル?ホネスの王宮内にあ

った。かれらは選ばれた者たちの集まりであり、代々世襲され、宮殿で近衛兵を務めてきたのである。セ?ネドラ自身、第八三軍団の兵士たちすべての顔を見知っていたし、ほとんどの名前も知っていた。彼女は自信たっぷりに近づいていった。
「アルボー大佐」彼女は第八三軍団の隊長に向かって、優雅なものごしで挨拶した。かっぷくのいい、赤ら顔の、こみかめのところに灰色のものを混じえた男だった。
「これは王女さま」大佐もまたうやうやしげに頭を傾けてみせた。「あなたさまのお姿がないので、ずいぶんさびしい思いをいたしておりましたぞ」
 だがセ?ネドラにはそれが嘘だということがわかっていた。彼女の護衛をする任務は、兵舎内のサイコロばくちの賭けの対象になっていたのだ。護衛の栄誉は常に敗者に与えられてい

た。

カテゴリー: 未分類 | 投稿者blankgut 16:23 | コメントをどうぞ

おれは戦士だ

いたるところに戦士がいて、戦う物音がしていた。逃げだした当初、ガリオンの計画は単純だった。バラク側の戦士を見つけさえすれば、安全なはずだった。ところが、宮殿にいるのはバラクの戦士たちだけではなかった。ジャーヴィク伯爵が南の廃墟と化した翼から小隊を率いて宮殿にはいりこみ、猛烈な戦いが廊下でくりひろげられていたのだ。
味方と敵の見分けようがないことにガリオンはすぐ気づいた。かれにはチェレクの戦士はみんな同じに見えた。バラクか、知った顔のほかのだれ避孕 藥かを見つけられないかぎり、みなの前に出ていくわけにいかなかった。敵ばかりか味方からも逃げているといういらだたしさが恐怖心をあおった。バラクの部下ではなくてジャーヴィクの小隊にとびこんでしまう可能性は大いにあったし――いかにも起こりそうなことですらあった。
会議室へまっしぐらにひき返すのが一番てっとり早かったのだろうが、アシャラクから逃げるのにけんめいで、たくさんの薄暗い通路を走り、たくさんの角を曲がったために、ガリオンは自分がどこにいて、どうすれば宮殿の見なれた部分へ戻れるのかわからなくなっていた。やみくもに逃げるのは危険だった。アシャラクやかれの手下がガリオンをつかまえようとどの角に待ちかまえているか知れたものではなかったし、つかまれば最後、ポルおばさんが手をふれて打ち砕いたあの奇怪な絆をマーゴ人はたちまち築きなおしてしまうだろう。それだけはなんとしてでも避けなくてはならなかった。ひとたびガリオンをわがものにしたら、アシャラクは今度こそ逃がさないにちがいない。ガリオンにとって残された唯一の手段は、隠れ場所を見つけることだった。
別の狭い通路にとびこんだガリオンは、立ちどまって息をきらしながら石壁にぴったり背中を押避孕 藥しつけた。通路のずっと先に、幅の狭いすりへった石の階段がらせんを描いて上へ伸びているのが、ゆらめく一本の松明の明かりの中でかすかに見てとれた。高いところにのぼれば、それだけだれかと出くわす危険はへりそうだと即断した。戦いは、もっぱら下の床の上でおこなわれるにきまっている。大きく息を吸うと、ガリオンは階段の下にすばやく近づいた。
半分のぼったところで計画に落とし穴があったことに気づいた。階段にはわき道がない。逃げこむ道も隠れる場所もないのだ。いそいでてっぺんまでのぼらないと、発見されてつかまってしまう――あるいはもっとまずいことにさえなりかねない。
「小僧!」下から叫び声がした。
ガリオンはすばやく肩ごしに下を見た。鎖かたびらと兜に身を固めた恐ろしげな顔つきのチェレ避孕 藥ク人が剣を抜いて階段をのぼってくる。
ガリオンは階段をかけのぼりはじめた。

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上から別の叫び声がして、かれは凍りついた。てっぺんにも下にまさるとも劣らぬ残忍そうな戦士がいて、獰猛そうな斧をふりまわしている。
はさみうちになってしまったのだ。ガリオンは短剣をまさぐりながら石壁に身をよせたが、それがほとんど役立たないことはわかりきっていた。
そのとき二人の戦士が互いの存在に気づいた。両者は怒声をあげて突進した。剣の戦士はガリオンには目もくれずに階段をかけあがり、一方、斧の戦士はかけおりてきた。
斧が大きく空をきり、石壁に衝突して火花がとびちった。剣のほうが狙いは正確だった。恐ろしさに総毛立ったまま、ガリオンは突っこんできた斧の戦士の身体を剣が貫くのを見た。斧が音をたてて階段をころげ落ち、戦士は敵の上におおいかぶさったまま、腰のさやから幅広の短剣をひきぬいて、敵の胸に突き立てた。ぶつかりあった衝撃で両者は足を踏みはずし、もつれあったまま階段をころげ落ちた。短剣がいくどとなくひらめいて互いの身体に突き刺さった。
ガリオンはいいしれぬ恐怖に身をすくませてかれらが目の前を落ちていくのを見守った。胸の悪くなる音とともに短剣が突き立てられ、赤い泉のように二人の傷口から血がほとばしった。
一度は吐きそうになったが、歯をくいしばって階段をかけあがり、頻死の二人が下方で続行する血も凍る殺戮の物音に耳をふさごうとした。
見つかるまいとする考えは、もう消しとんでいた。ガリオンはただ走った――アシャラクやジャーヴィク伯爵からというより、階段のあの恐るべき遭遇戦から逃げるために。どのくらいたったのだろう。息をきらしてようやく、半開きのドアから使われていない埃っぽい部屋にとびこんだ。ドアをしめると、ガリオンはふるえながらそれにもたれた。
部屋の一方の壁に大きなたわんだベッドが押しつけられ、同じ壁の高い位置に小窓がひとつあった。壊れた椅子が二脚、両隅に力なく立てかけてあり、もう一方の隅には蓋のあいた衣裳箱がひとつ、それが家具のすべてだった。少なくともその部屋は残虐な男たちの殺し合いがおこなわれている廊下からは、はなれていたが、外見上の安全が単なる幻想であるのにガリオンはたちまち気づいた。だれかがこのドアをあけたら、かれは袋のネズミなのだ。ガリオンは死に物狂いで埃っぽい部屋を見まわしはじめた。
ベッドと反対側のむきだしの壁にカーテンがかかっていた。その陰に戸棚か隣室でもあるのかもしれないと思いつつ、部屋を突っきってカーテンを寄せてみた。開口部があらわれた。だがそれは別室につづいているのではなく、暗くて細い通路に通じているのだった。通路をのぞきこんでみたが、墨を流したような真っ暗闇で、ほんの少し先までしか見えなかった。武装した男たちに追われてその暗闇を手探りで逃げることを考えて、ガリオンは身ぶるいした。
ひとつしかない窓をちらりと見あげたかれは、その上に立って外がのぞけるように、部屋の向こうから重い衣裳箱をひきずってきた。もしかすると、今いる場所の手掛かりになるようなものが窓から見えるかもしれない。ガリオンは箱によじのぼると、爪先立って外を見た。
塔があちこちにそびえ、その周囲をアンヘグ王の宮殿の回廊や廊下の石板ぶきの長い部屋が囲んでいた。絶望的だった。見おぼえのあるものはなにひとつない。部屋のほうに向き直って衣裳箱からとびおりようとしたとき、ガリオンは突然棒立ちになった。床にぶあつく積もった埃の中に、自分の足跡がくっきり残っている。
あわててとびおりて、長らく使われていないベッドから当てぶとんをつかんだ。それを床に広げて部屋中をひきずりまわし、足跡を消した。だれかが部屋に隠れていた事実まで隠すわけにいかないのはわかっていたが、その大きさを見ればアシャラクやかれの手下に、ここにひそんでいたのが大人ではないといっぺんにばれてしまう足跡を抹殺することはできた。消しおわると、当てぶとんをベッドの上に投げ戻した。仕事は完壁ではなかったが、少なくともやらないよりはましだった。
そのとき、外の廊下で叫び声がして剣のふれあう音が聞こえた。
ガリオンはひとつ深呼吸をして、カーテンのうしろの暗い通路にとびこんだ。
いくらもいかないうちに、鼻をつままれてもわからないような闇が細い通路をおし包んだ。クモの巣が顔にひっかかって肌がむずむずし、でこぼこの床から長年の埃が舞いあがって息が詰まりそうになった。廊下の戦いから少しでも遠ざかりたい一心で、はじめは大急ぎで進んだが、そのうちつまずいて、一瞬どこかへ落ちていくようなひやりとする気分を味わった。闇の中へ落ちこんでいる急階段がちらりと頭にうかび、こうあわてていたら、とんでもないことになりかねないと気づいた。ガリオンは片手で壁の石をたどり、片手で低い天井からびっしりさがっているクモの巣を顔の前から払いのけて、もっと慎重に歩きはじめた。
闇の中にいると時間の感覚がなかった。永遠につづいていそうな暗い通路を何時間も手探りで進んだかと思われるころ、用心していたのに、ざらざらした石壁にぶつかってしまった。彼は一瞬パニックに襲われた。通路はここでおしまいなのだろうか? 罠だったのか?
そのとき、目の隅に薄明かりが見えた。通路は終わったのではなく、右へ急な角度で曲がっているのだった。はるか向こうに明かりらしきものが見え、ガリオンはほっとしてそれをめざして歩を進めた。
明かりが強まるにしたがってかれは足を速め、すぐに光源にたどりついた。それは壁の下のほうにある細長い穴だった。埃だらけの石の床に膝をついて、かれは中をのぞきこんだ。
大きな広間が下方に見えた。中央のへこみで火がいきおいよく燃え、ガリオンのいる場所よりもっと上にある丸天井の開口部に向かって煙がたちのぼっている。その位置からだとずいぶんようすがちがって見えたが、かれはそれがアンヘグ王の謁見の間であることにたちまち気づいた。見おろすと、ローダー王の肥った姿や、やや小柄なチョ?ハグ王の姿、そしてそのうしろにはいついかなるときでもひかえているヘターがいるのが目にとまった。王座から少しはなれてフルラク王がミスター?ウルフと話しており、そのそばにポルおばさんがいた。バラクの妻がイスレナ王妃としゃべっていたし、ポレン王妃とシラー王妃が二人からあまり遠くないところに立っていた。シルクが警備の厳重なドアをときおりちらちら見やりながら、神経質に床をいったりきたりしていた。ガリオンは安堵が湧きあがるのをおぼえた。もう大丈夫だ。
かれらに呼びかけようとしたとき、大きなドアがバタンとあいて、鎖かたびらをつけて剣を手にしたアンヘグ王が、バラクと〈リヴァの番人〉をしたがえて、大股にはいってきた。二人に両側からつかまれてもがいているのは、ガリオンがイノシシ狩りの日に森で見た亜麻色の髪の男だった。
「この裏切りは高いものにつくぞ、ジャーヴィク」王座に近づきながら、アンヘグが冷酷な口調で肩ごしに言った。
「では終わったの?」ポルおばさんがたずねた。
「もうじきですぞ、ポルガラ」アンヘグは言った。「宮殿の一番奥まったところでわたしの家来がジャーヴィク一味の最後の一人を追いかけている。もっとも、警告がなかったら、事態はまったくちがっていたかもしれん」
大声を出そうかどうか迷っていたガリオンは、もうしばらく黙っていることにした。
アンヘグ王は剣をさやにおさめ、王座にすわって言った。「やらなけりゃならんことをする前に、ちょっと話をしよう、ジャーヴィク」
バラクとかれとほぼ同じくらい力のあるブランドに掴まれていた亜麻色の髪の男は、無益にじたばたするのをあきらめ、挑むように言った。「何も言うことはないね、アンヘグ。運にさえ恵まれりゃ、今ごろはおれはおまえの王座にすわっていたんだ。思いきってやってはみたが、これで一巻の終わりよ」
「そうでもないぞ」アンヘグは言った。「くわしいことが知りたい。しゃべったほうが身のためだ。どうせしゃべることになるんだからな」
「もっともひどいことをするがいいさ」ジャーヴィクはせせら笑った。「しゃべる前に舌をかみきって死んでやる」
「それには気をつけよう」アンヘグは冷たく言った。
「その必要はないわ、アンヘグ」ポルおばさんがゆっくり捕虜に歩みよりながら言った。「説明するのにもっと楽な方法があります」
「おれは何もしゃべらないぜ」ジャーヴィクは言った。「おまえなどこわくない、妖術使いめが」
「思った以上に愚か者だな、あんたは、ジャーヴィク卿」ミスター?ウルフが言った。「わしがやったほうがよくはないか、ポル?」
「わたしでもやれるわ、おとうさん」彼女はジャーヴィクを見すえたまま言った。
「慎重にな」老人は警告した。「おまえは極端に走ることがある。わずかな接触でじゅうぶんだぞ」
「自分のしていることぐらいわかっているわよ、老いぼれ狼」辛辣に言うと、ポルおばさんは捕虜の目をひたと見つめた。
ガリオンは依然身をひそめたまま息を詰めた。

カテゴリー: 未分類 | 投稿者blankgut 13:12 | コメントをどうぞ

わしのあとを追わせようじ

「すばやくわしが拾った。あの子にはかわりにセンダリア銅貨を与えたよ。もしあのマーSCOTT 咖啡機ゴがグロリムなら、ゃないか。数ヵ月はまちがいなく楽しませてやれるぞ」
「では、行ってしまうの?」ポルおばさんの声はなぜかさみしげだった。
「しおどきだ」ウルフが言った。「あの子は今のところここにいればまず安全だし、わしはこの国を出なければならん。とりかからねばならんことがあるのだ。マーゴどもが人里離れた場所にあらわれると、胸が騒ぎはじめる。われわれははかりしれぬ責任と務めをかかえている。油断は許されない」
「長く留守にするの?」
「数年というところだろう。調べなくてはならんことが多くあるし、会わねばならん人が大勢いる」

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「心細いわ」ポルおばさんはそっと言った。
老人は笑った。「感傷か、ポル? おまえらしくもない」ウルフはそっけなく言った。
「わたしの言う意味、わかっているでしょう。あなたや他のみんなSCOTT 咖啡機に与えられたこの仕事にわたしは向いていないのよ。幼い男の子の養育について、わたしが何を知っていて?」
「おまえはよくやっとるよ。あの子から目を離さんことだ。そしてかれの性格にひっぱりまわされてヒステリーを起こさんようにな。注意しろ、あの子は堂々たる嘘をつくぞ」
「ガリオンが?」ショックをうけた声だった。
「このわしですら感心するような嘘を例のマーゴ人につきおった」
「ガリオンが?」
「両親のことも質問しはじめたよ。おまえはどこまで話したんだね?」
「ほんの少しよ。かれらが死んだことだけ」
「さしあたってはその程度にとどめておこう。まだうまく乗り越えられる年齢でもないのに詳しい話をしたところで意味がない」
二人の話し声はつづいていたが、ガリオンは再びうとうとしはSCOTT 咖啡機じめ、九割がた、これはみんな夢なんだと考えた。
しかし翌朝目をさますと、ミスター?ウルフはいなくなっていた。
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カテゴリー: 未分類 | 投稿者blankgut 12:48 | コメントをどうぞ

あるいはもう気が

スパーホークははっとして目を覚ました。驚いたことに、鞍の上に座っている。馬を進めているのは風の吹きすさぶ断崖の上で、はるか眼下には波が岩に砕けて、怒れる海が白く牙をむいていた。空には不気味な雲が垂れこめ、海から吹いてくる風は身を切るように冷たい。先頭を進むのはセフレーニアで、その腕にはしっかりとフルートが抱かれていた。ほかの者たちはスパーホークのあとから一列になって続いている。誰もがぎゅっとマントを身体に巻きつけ、顔にはじっと耐えるSCOTT 咖啡機ような表情を浮かべていた。みんなそろっているようだ。カルテンもクリクも、ティニアンもアラスも、ベリットもタレンもベヴィエも。馬は長い切り立った崖沿《がけぞ》いの、曲がりくねった道を登りつづけている。行く手には海に向かって突き出した、曲がった石の指のような岬が見えた。岩の岬の先端でねじくれた木が一本、しきりに枝を風になびかせている。

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セフレーニアはその木の手前で馬を止め、クリクが進み出てフルートを受け取った。従士は顔を硬くこわばらせ、スパーホークの横を通り過ぎるときも、話しかけてこようとはしなかった。何かがおかしい。ひどくおかしい。だがスパーホークには、どこがおかしいのかを指摘することはできなかった。
フルートが口を開いた。
「これでいいわ。ここに来てもらったのは、今度の一件に最後の方をSCOTT 咖啡機開箱つけるためよ。ただ、時間があまりないの」
「方をつけるというのはどういう意味です」ベヴィエが尋ねた。
「わたしの家族は、ベーリオンを人にも神にも手の届かないところへやってしまうべきだという結論に達したの。誰もそれを探し出したり、使ったりできないところに。この使命を達成するのに、家族はわたしに一時間の猶予と、すべての力を与えてくれた。あなたがたはあり得ないことを目にするかもしれない。ついているかもしれないわね。でもそういったことは気にしないで、それから、わたしを質問攻めにするのもやめてちょうだい。そんな時間はないのよ。探索を始めたとき、わたしたちは十人だった。今も同じ十人がそろってる。そうでなくてはならないの」
「海に投げこもうってことか」とカルテン。
フルートがうなずくと、アラスが口を開いた。
「同じことになるんじゃないか。ヘイド伯はサラク王の王冠をヴェンネ湖に投げこんだ。それでもベーリオンは、ふたたび姿を現わした」
「海はヴェンネ湖よりずっと深いし、とくにこのあたりは、世界じ腰痛治療ゅうでいちばん深いところなの。ここがどこの岸辺なのか知ってる人もいないわ」
「おれたちは知ってる」とアラス。
「そう? どこなの? 何という大陸の、どのあたり?」フルートは流れていく厚い雲を指差した。「太陽も見えないわ。どっちが東で、どっちが西? あなたたちに確実に言えるのは、どこかの海岸にいるってことだけよ。誰に話してもらっても構わないわ。すべての人間が明日からいっせいに海をさらいはじめたとしても、ベーリオンは見つからない。どこを探せばいいのか、正確なことは誰にもわからないんですからね」
「海に投げこめばいいんだな」スパーホークが馬を下りながら尋ねた。
「いえ、まだよ。その前にやることがあるの。持っててくれるように言った袋を出してくれるかしら、クリク」
クリクはうなずいて自分の去勢馬に戻り、鞍袋を開いた。またしてもスパーホークは、何かがおかしいという強い違和感を覚えた。
クリクは小さな帆布の袋を持って戻ってきた。袋の中には小さな鋼鉄の箱が入っていた。蝶番《ちょうつがい》式の蓋と、頑丈な掛け金がついている。従士はそれを少女に差し出した。
「わたしは触りたくないの。ただちゃんとしてることを、この目で確かめたかっただけ」少女は身を乗り出し、じっくりと箱を検分した。クリクが蓋を開けると、内側に金が張ってあることがわかった。「さすが兄さん、いい仕事だわ」
「鋼鉄はいずれ錆《さ》びるぞ」とティニアン。
「いいえ、ディア、この箱は決して錆びません」セフレーニアが答えた。
「トロール神はどうするのです、セフレーニア」ベヴィエが尋ねる。「トロール神が人間の心に手を伸ばしてくることができるのは、もうわかっています。また誰かに呼びかけて、この箱が隠されている場所に導こうとするのではありまぜんか。永遠に海の底にいるのを喜ぶとは思えないのですが」
「トロールの神々も、ベーリオンの助けがなくては人間に手を出すことはできません。そしてベーリオンは鋼鉄の箱の中にある限り無力です。この世界が創られてからグエリグが掘り出すまで、サレシアの地下深くで鉄に囲まれて、何もできなかったのですからね。絶対に安全だと言いきることはできませんが、これ以上は手のつくしようがないでしょう」
「箱を地面に置いて蓋を開けて、クリク」フルートが指示する。「スパーホーク、ベーリオンを袋から出して、眠るように言ってちょうだい」
「永遠に?」
「それはどうかしらね。この世界はそれほど長くはもたないし、そのあとベーリオンは、また自由に旅を続けられるようになるはずだから」
スパーホークは腰から袋をはずし、鉄線をねじって口を開いた。袋を逆さにして、手の中にサファイアの薔薇を落とす。鉄の牢獄から出された宝石が、一種の安堵に身震いするのが感じられた。

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とになったのかを

クリクは騎士に笑みを向けた。
二人で野営地を歩きながら、クリクが空を見上げた。
「風がやみましたね。埃もおさまってるみたいだ。これもやっぱり――?」
「たぶんな。辻褄《つじつま》は合うじゃないか。さて、行くぞ」スパーホークは咳払いをして、恥じ入った顔の仲間たちに近づいていった。「面白い夜だったな」と気安げに話しかける。「あの白い鹿はとても気に入ってたんだ。ただ濡れた鼻が冷たくてね」
やや緊張ぎみの笑い声が上がる。
「さて、憂鬱の原因は明らかになったんだから、そのことをほじくり返しても意味はない。そうだろう。誰が悪いわけでもないんだ、もうあの件は忘れることにしないか。今はもっと重要な問題が目の前にある」そう言って鎖帷子から作った袋を持ち上げ、「われらの青い友人はこの中だ。この小さな鉄の袋が気に入ってくれるかどうかは知らんが、気に入ろうと入るまいとこの中にいてもらわなくてはならない――必要なときが来るまではな。朝食を作るのは誰の番だ?」
「あんただ」とアラス。
「わたしは昨日の夕食を作ったぞ」
「だからどうした」
「不公平じゃないか」
「おれは食事を作る順番を調整してるだけだ。正義なんてことを持ち出したいんだったら、神と話をしてくれ」
全員が笑いだし、それですべては元どおりになった。
スパーホークが朝食の支度をしていると、セフレーニアが火のそばに近づいてきた。「あなたに謝らなくてはなりません、ディア」
「何です?」
「あの影の背後にトロール神がいるとは、想像もしませんでした」
「それをあなたのせいにはできませんよ。わたしはアザシュがやっていると思いこんでいましたから、ほかの可能性を示唆されても一蹴していたでしょう」
「もっと勘が働いてもよさそうなものでした。論理には頼らないはずだったのに」
「ペレンの件がありましたからね。それで判断を誤ったんだと思います。ペレンはマーテルの命令でわたしを襲ったわけだし、マーテルはアザシュが最初に立てた計画にそのまま従っていました。一連の襲撃が同じ延長線上にあったので、別の何かがゲームに参加してきていたなんて、わかるはずがなかったんです。影とペレンのあいだに何の関係もないことがわかったあとでも、それ以前の推測に縛られてしまっていました。自分を責めることはないですよ、小さき母上。わたしももちろんあなたを責めたりはしません。むしろ驚いたのは、われわれが考え違いをしていることをアフラエルが見逃して、警告してくれなかった点です」
セフレーニアは少し悲しげに微笑した。
「わたしたちが思い違いをしているとは考えもしなかったのでしょう。わたしたちの視野がどれほど限られているか、アフラエルには決して本当には理解できないのです」
「そう言ってやったらどうです」
「死んだほうがましですね」
クリクの推測が正しかったのかどうかは不明だが、ここ何日か土埃で一行の息を詰まらせていた風は、自然のものであったにせよベーリオンが起こしたものであったにせよ、今はもうやんでいた。空は明るくまっ青に晴れ上がり、東の地平線上には冷たく輝く太陽がかかっていた。そんなことが前の晩の幻視とあいまって、一行の気分は背後の黒い雲など気にならないくらい高揚していた。
「スパーホーク」ティニアンがファランの横に馬を並べて声をかけた。「やっとわかったような気がするぞ」
「何がわかったんだ」
「アラスが食事当番を決めるやり方だよ」
「ほう。それはぜひ聞きたいな」
「誰かが尋ねるまで待つんだ。それだけさ。誰の番だと尋ねた瞬間、アラスはそいつを食事当番に指名する」
スパーホークはこれまでのことを思い返してみた。
「確かにそうらしいな。だが、もし誰も尋ねなかったらどうなる」
「そのときはアラスが食事を作るのさ。一度だけそういうことがあったと思う」
スパーホークは考えをめぐらせた。
「みんなにも教えてやったらどうかな。アラスには今までの分を含めて、たっぷり当番をやってもらうべきだと思うんだが」
「まったくだ」ティニアンは笑い声を上げた。
午後のなかばごろになって、黒い巨岩が鋭い割れ目をさらす岩山の麓《ふもと》に着いた。道らしいものが曲がりくねりながら頂上まで続いている。それを半分くらい登ったところで、タレンがうしろからスパーホークに声をかけた。
「ここで止まらない? おいらが先に行って、ちょっと偵察してくるよ」
「それは危険だ」スパーホークがあっさりと却下する。
「大人になりなよ、スパーホーク。おいらはその道の専門家なんだぜ。誰にも姿を見られたりしないよ。保証してもいい」そこでわずかに言葉を切り、「それに何か面倒が持ち上がったとき、必要になるのは鋼鉄に身を固めた一人前の男だろ。戦闘ではおいらは役に立たない。いなくなっても惜しくないのはおいらだけなのさ」タレンは顔をしかめた。「こんなことを言うなんて、自分でも信じられないね。アフラエルを遠ざけておいてくれないかな。どうも不健全な影響を受けてるような気がする」
「とにかくだめだ」スパーホークが重ねて反対する。
「無駄だよ、スパーホーク」生意気な口調でそう言うと、少年はもう鞍から飛び下りて駆け出していた。「ここにおいらを捕まえられる人はいないもん」
「しばらくお仕置きをしていなかったな」クリクがうなるように言って、岩山の斜面を敏捷《びんしょう》に登っていく少年を見送った。
「だがあいつの言うとおりだ」とカルテン。「おれたちの中で、失っても痛手にならないのはタレンだけだ。どうもいつの間にか騎士道精神というものを身につけたみたいじゃないか。誇りにしていいと思うがね、クリク」
「誇りなんて、どうしてあの子が命を落とすようなこ母親に説明するときには、何の役にも立ってくれませんよ」
前方でタレンの姿が地面に呑まれでもしたかのようにいきなり見えなくなり、しばらくして頂上近くの亀裂から、ふたたびその姿が現われた。すぐに少年は道を駆け戻ってきた。
「向こうに街があるよ。たぶんあれがゼモックじゃないかな」
スパーホークは鞍袋から地図を取り出した。
「どのくらいの大きさだった」
「シミュラと同じくらい」

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この期に及んできみの中

翌朝の大聖堂の通廊には、早くから人々が押しかけていた。カレロスの市民たちも、ウォーガン王の軍勢がマーテルの傭兵たちを追い払ってしまうと、徐々に廃墟の中へと戻りはじめた。聖都の住人といってもほかのエレネ人以上に信心深いわけではないだろうが、エンバン大司教は純粋な人道主義に基づく施策を演出していた。街じゅうに布告を流して、感謝の礼拝が終わったら、すぐに教会の倉庫を人々に開放すると宣言したのだ。カレロスではほかに食糧を手に入れるあてがなかったから、人々は即座に反応した。何千人という会衆が集牛奶敏感まれば大司教たちもことの重大さに気づいて、自分たちの責務を真剣に考えるようになるだろう――エンバンはそう狙いを説明した。それとは別に、エンバンには飢餓に対する特別の思い入れがあった。その肥満した体型ゆえに、空腹に対してはことさら神経質だったのだ。
感謝の礼拝ではオーツェル大司教が司祭を務めた。スパーホークはこの痩《や》せた厳格な大司教が、一般の信徒に向かってはまったく異なった口調で話しかけることに気づいた。その声はやさしいほどで、時には心からの同情に満ちたものとなった。
「六回だ」カダクの大司教が最後の祈りを先導しはじめると、タレンがスパーホークに耳打ちした。
「何が」
「礼拝のあいだ、六回微笑んだんだよ。数えてたんだ。でもあの顔に微笑みはあんまり似合わないね。昨日のクレイガーの話だけど、どういうふうに決まったの? おいら眠っちゃったもんだから」
「ああ、知ってたよ。クレイガーを聖議会に出頭させて、マーテルとアニアスの会見に関母乳餵哺するデレイダ隊長の証言のあとで、昨目の話をくり返させることになった」
「みんな信じるかな」
「たぶんな。デレイダの証言にはけちのつけようがない。クレイガーはその話を裏付けて、細かい母乳餵哺点を補足するだけだ。デレイダの証言を聞いたあとなら、クレイガーの話を受け入れるのもそう難しくはないだろう」
「うまい手だな。ねえ、スパーホーク、いいことを教えてあげようか。盗賊の皇帝になるって話だけど、あれはもうやめにしたんだ。かわりに教会に入ることにした」
「神よ信仰を守りたまえ」
「きっとお守りくださるであろう、息子よ」タレンが生意気な口調で答えた。
礼拝が終わって合唱が頌歌《しょうか》に変わると、小姓たちが大司教の列のあいだを走りまわって、聖議会がただちに再開されるという知らせを届けた。行方をくらましていた聖職者がさらに六人、新市街のあちこちから発見された。さらに二人は大聖堂の建物の中から姿を現わした。残りは依然として行方不明のままだ。大司教たちはしずしずと通廊を出て、謁見室に通じる廊下を歩いていった。あとに残っていろいろな人たちと話をしていたエンバンが、小走りにスパーホークとタレンの横を駆け抜けた。息を切らし、汗をかいている。
「忘れるところだった。ドルマントに教会の倉庫を開放するよう命令してもらわなくてはならん。さもないとわれわれが暴動の原因を作ってしまうわい」
「教会を切りまわそうと思ったら、おいらもあんなに太らなくちゃいけないのかな」タレンがささやく。「太ってるといざってときに速く走れないんだよね。それにエンバンは、しょっちゅうそういう破目に陥ってるみたいなんだ」
謁見室の扉の前に、デレイダ隊長が立っていた。胸当てと兜《かぶと》は輝くほどに磨き上げられ、真紅のマントには染み一つない。スパーホークは謁見室に入ろうとする教会騎士と聖職者の列を離れ、隊長に短く声をかけた。
「不安かね」
「そうでもありません、サー?スパーホーク。待ちきれない気分だとまでは言いませんがね。いろいろと質問されるのでしょうか」
「たぶんな。びくつかないことだ。落ち着いて、地下室で耳にしたことだけを報告すればいい。きみには名声があるから、誰もきみの言葉を疑ったりはできないさ」
「暴動でも起きなければいいのですが」
「その心配はいらんだろう。暴動が起きるとしたら、きみの次の証人の話を聞いたときだ」
「その証人はどんな話をするのです?」
「それをここで口にすることは許されていない――きみが証言を終えるまではね。立性を損なうような真似をするわけにはいかないんだ。幸運を祈る」
大司教たちは謁見室の中に数人ずつ固まって、低い声で話し合っていた。その朝は感謝の礼拝の影響で、エンバンの思惑どおり、どこか厳粛な雰囲気が漂っていた。あえてそれを破ろうとする者はいないようだ。スパーホークとタレンは、ずっと仲間たちと座っていた同じ席にふたたび腰をおろした。ベヴィエはセフレーニアを守るように、心配そうな表情でそばに付き添っている。セフレーニアは白く輝くローブを身にまとい、穏やかに腰をおろしていた。スパーホークが合流すると、ベヴィエが話しかけてきた。
「いくら言っても耳を貸してくれないのです。プラタイムとストラゲンとあのタムール人の女性は、聖職者に変装させてもぐり込ませました。でもセフレーニアだけは、どうしてもあのスティリクムのローブを着るというのです。国王と聖職者以外の者が聖議会を傍聴することは許されていないと何度も説明したんですが、聞き入れてくれません」
「わたしは聖職者ですよ、ベヴィエ。アフラエルの神官なのですから。実際、高位の神官なのです。これは宗教合同運動の一環だとでも思ってください」
「わたしならそういう話は選挙が終わるまで待ちますね、小さき母上」ストラゲンが忠告した。「何世紀も続く神学論争が始まりかねない。われわれはいささか時間に追われているわけですから」
「向こうに顔馴染の姿が見えないのは寂しいな」カルテンが傍聴席の反対側、いつもアニアスが座っていたあたりを指差して言った。「今朝の証人の話を聞いて、あの顔がくしゃくしゃになるのを何としても見たかったんだが」
ドルマントが入ってきて、エンバンとオーツェルとバーグステンを相手にしばらく何か相談してから演台の前に立った。それだけで部屋の中が静かになる。ドルマントは話しはじめた。
「わがブラザーにして友人諸君、前

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て新市街に敵が入

「間抜けに見えるのと死ぬのと、どちらがましです? 誰かに気づかれましたか」
「カルテンに――少なくともその場を見ています」
セフレーニアは眉をひそめた。
「この件は二人だけの秘密にしておきたかったのですが――せめて何が起きているのかはっきりするまでは」
「カルテンが知っているのは、誰かがわたしを殺そうとしているということだけです。まあ知らない者はいないくらいですがねDR REBORN投訴。みんなマーテルだと思っていますし、今度のこともそう考えるでしょう」
「ではそう思わせておくことにしましょう」

「多少の脱走者が出ています」仲間たちが大聖堂の階段に集まったところで、カルテンがヴァニオンに報告した。「われわれが何をするつもりか、兵舎にまったく洩《も》れないようにするのは不可能なんですよ」
「予想はしていたことだ」ヴァニオンが答える。「誰か外の城壁からマーテルの動向を見張っている者はいるのか」
「ベリットがずっと見張ってます。あいつはいいパンディオン騎士にな高血壓中醫りますよ。できるだけ死なせないようにすべきでしょうね。その報告によると、マーテルはほぼ布陣を終えたようです。聖都に向かって進軍しろと、いつでも命令できる状態だとか。実際、まだ動きださないのが不思議なくらいですよ。もうアニアスの手下が、今朝の大聖堂でのできごとをご注進に及んでるはずですからね。ここで進軍を遅らせるのは、こっちに迎え撃つ準備をする余裕を与えるだけなんだ」
「貪欲のせいさ」スパーホークがカルテンに言った。「マーテルは欲の塊で、しかも人間はみんな自分と同じだと思ってる。われわれがカレロスの新市街を捨てて旧市街だけを守ろうとするなんて、あいつには思いもつかないことなんだ。だからこっちの軍勢がカレロス全域に広がって、手薄になるのを待っているのさ」
「わがブラザーたる大司教たちも、そう考える者が多いだろうな」エンバンが口をはさんだ。「新市街に大邸宅を構えている大司教たちは、われわれがマーテルに新市街を明け渡そうと考えていることを知ったら、きっと憤慨するだろう。投票はきわどいものになるかもしれん」
そこへコミエーとアラスが、遅れて大理石の階段を上ってきた。
「城壁のすぐ外にある家を何軒か壊さなくてはならない」コミエーが言った。「街の北に迫っているのはラモーク人で、連中はクロスボウを使うからな。屋根の上から矢を射かけられるのは困る」ジェニディアン騎士団長は言葉を切った。「わたしは包囲戦には慣れていないんだ。マーテルはどんな攻城兵器をくり出してくるかな」
「破城槌、投石機、攻城塔……」アブリエルが数え上げるDR REBORN投訴
「攻城塔とは?」
「背の高い構築物だ。城壁のそばまで転がしていって、兵士が城壁の上になだれ込む。梯子をかけて登るのに比べて、兵力の損耗が小さい」
「動くのか」
「車輪がついている」
コミエーはうめいた。
「ならば壊した家の残骸を路上にばらまいておこう。瓦礫の上で車輪を転がすのは骨だからな」
ベリットが疾駆《ギャロップ》で広場に駆けこんできた。大聖堂の前に整列した教会兵たちがあわてて道をあける。ベリットはその中を駆け抜け、鞍から飛び下りて階段を駆け上がった。「マーテルの手下が攻城兵器を組み立てはじめました」と息を切らして報告する。
「誰か説明してもらえないか」とコミエー。
「攻城兵器は部品に分解して運ぶのだ」アブリエルが答えた。「戦場に到着したら、まずそれを組み立てなくてはならない」
「どのくらい時間がかかるんだ。アーシウム人は攻城戦の専門家だったはずだな」
「ほんの数時間だ。大投石機ならもっと長くかかるが。あれはここで建造するしかないから」
「大投石機とは?」
「文字どおり大型の投石機だ。部品にばらしても、大きすぎて運べない。作るとなると丸太を何本も使うことになる」
「それでどのくらいの石を飛ばせるんだ」
「半トンかそこらだ」
「そんなものを食らったら、この城壁だって長くはもたないぞ」
「わたしもそう思う。だが最初はまず普通の投石機を使ってくるはずだ。大投石機だと、作るのに一週間はかかるから」
「それまでは投石機と破城槌と塔がわれわれを釘づけにするんだろう。攻城戦は好きになれん」コミエーは苦々しげに言って、肩をすくめた。「準備にかかったほうがいいな」教会兵たちを侮蔑的に眺めて、「とにかくこの不熱心な志願兵たちに、家を壊して残骸を街路にばらまかせよう」

暗くなって間もなく、マーテルの送り出した斥候たちは、カレロス新市街の城壁がまったくの無防備であることを発見した。目端の利かない一部の者たちは報告に戻ったが、ほとんどの斥候たちはその場で略奪者に変貌した。真夜中になる一時間かそこら前、ベリットはスパーホークとカルテンを起こしりこんでいると報告し、また取って返そうとした。
「どこへ行く」スパーホークがぼそりと尋ねた。
「新市街に戻ります」
「だめだ。旧市街の城壁の中にいろ。おまえを殺させるわけにはいかん」
「誰かが見張りをしないわけにはいきませんよ、サー?スパーホーク」
「大聖堂のドームの上に小丸屋根《キューポラ》がある。クリクを呼んで、二人であそこから見張るんだ」
「わかりました」ベリットの声にはやや不服そうな響きがあった。
「ベリット」カルテンが鎖帷子を着こみながら声をかけた。
「はい、サー?カルテン」

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