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できればパンディ

「当然だ」アラスは肩をすくめた。「西方のエレネ人諸王国の内政にオサが首を突っこんだとなれば、東に進軍してオサを相手に戦争をするじゅうぶんな理由になる」
「いつ聞いてもいい響きだな、〝戦争?って言葉は」とカルテン。「実に血なまぐさくて、永続的な感HKUE 呃人じがする」
「ゼモック人を全滅させるのに、正当な条件なんて別に必要ない」ティニアンが言った。
「そうか?」
「五百年前の侵攻以来、ゼモック国と和平条約を結んだ者はどこにもいない。法的にはわれわれは、まだオサと戦争状態にあるんだ。違いますか、レンダ伯」
「かもしれんが、五百年間の休戦をはさんでふたたび交戦状態に入るというのは、いささか納得しがたい説明ではあるかもしれんな」
「ちょっと休養してただけですよ」ティニアンは肩をすくめた。「ほかの紳士諸君はどうHKUE 呃人か知らんが、わたしはもうたっぷり休みました」
「まったく……」セフレーニアがため息をつく。
ヴァニオンはなおも先を続けた。
「ここで大事なのは、リチアスが何度か同じスティリクム人とアニアスが密会しているのを目撃していることだ。一度は二人が話している内容の一部を耳にしている。そしてそのスティリクム人にはゼモック訛《なま》りが――少なくともリチアスがゼモックふうだと確信した訛りがあった」
「いかにもリチアスらしいですね」とクリク。「こそこそと盗み聞きをしそうな顔をしてますよ」
「同感だ」とヴァニオン。「摂政の宮殿下は話をすべて聞くことはできなかったが、それでもわれわHKUE 呃人れに語ったところによると、そのスティリクム人はアニアスに向かって、オサは何としてもある宝石を手に入れなければならない、さもないとゼモックの神からの支援を打ち切られてしまうと話していたそうだ。この宝石というのが何を指しているのか、われわれにはかなり確実性の高い推測ができるように思う」
カルテンは顔を曇らせた。
「またおれたちの楽しみを取り上げるつもりだろう、スパーホーク」
「何の話だ」
「おまえはきっと女王にこの話をする。そして女王はことの重大さから、これはリチアスの首を肩の上に、あるいは足を床の上にとどめておくに足る重要な情報だと判断するんだ」
「おれには女王に最新の情報を伝える義務があるんだよ」
「ちょっとだけ待ってくれって頼んでも、耳は貸さないんだろうな」
「待つ? どのくらい」
「あの私生児野郎の葬式が済むまででいいんだが」
スパーホークは友人に笑いかけた。
「だめだな、カルテン。頼みを聞いてやりたいのは山々だが、わが身の心配もしなくちゃならん。女王に隠しごとなんか始めたら、矛先がこっちに向かないとも限らない」
「リチアスの知っていることはだいたいこの程度だ」ヴァニオンが締めくくった。「さて、ここで決断をしなくてはならない。クラヴォナス総大司教は明日をも知れない状態で、もし息を引き取ったなら、われわれはただちにデモスでほかの騎士団と合流し、カレロスへ駆けつけなければならない。その場合、女王はまったくの無防備でシミュラに残されることになる。ドルマントからは、いつカレロス行きの命令が来てもおかしくはない。エレニア軍がアーシウムから戻るのは、いつになるか予想もできんだろう。女王をどうしたらいい?」
「いっしょに連れていけばいい」アラスは肩をすくめた。
「すんなりとは承知しないだろうな」とスパーホーク。「女王はやっと玉座を取り戻したばかりだし、きわめて責任感の強い人だ。今の時点で首都を離れろなんて話を持ち出したら、腹を立てるに決まっている」
「酔っ払わせればいい」カルテンが言う。
「何だって?」
「頭をがつんというわけにはいかないじゃないか。だったら酔っ払わせて、毛布にでもくるんで、鞍に縛りつけていけばいい」
「何を考えてるんだ。相手は女王だぞ。おまえの行きつけの酒場の、下品な女給とはわけが違うんだ」
「あとで謝ればいいさ。大事なのは女王を安全な場所まで連れていくことだ」
「そんな必要はまったくないかもしれない」とヴァニオン。「クラヴォナスがまだしばらく持ちこたえる可能性もあるからな。もう何ヵ月も危篤状態が続いているんだ、あるいはアニアスより長生きすることだってあるかもしれない」
「それは大いにあり得ることだ。アニアスの寿命は、もう残り少ない」アラスがぞっとする声で言った。
「紳士諸君の血への渇望は、しばらく棚上げにしてもらえんものかな」レンダ伯が口をはさんだ。「目下の大事は、アーシウムにいるウォーガン王に使いを送って、エレニア軍を帰国させてくれるよう説得することだろう。オン騎士団もな。こっちで参謀幕僚の監督をしてもらわなくてはならん。わたしから手紙を書いて、エレニア軍が一刻も早くシミュラで必要だと、強い調子で勧告してみよう」
「各騎士団も放免してくれるよう頼んでいただけませんか。カレロスで必要になると思いますので」とヴァニオン。
「オブラー王にも手紙を送ったほうがいい」ティニアンが提案した。「それとバーグステン大司教にもだな。あの二人なら、たぶんウォーガンをうまく納得させることができるでしょう。サレシア国王は酒を飲み過ぎるし、戦争を楽しみすぎるきらいはあるが、それでもやっぱり徹底的に政治的な動物ですからね。シミュラを防衛してカレロスを支配下に置くことの必然性をすぐに見抜いてくれるでしょう。誰かに説明さえしてもらえば」
レンダ伯もうなずいて同意した。

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ンがむっつりと言っ

「それをお話しすることは許されておりません。いつもの教会の仕事とご理解ください」
「つまり政治向きのことだな。教会は政治に首を突っこまんでもらいたいものだ」
「しばらくご同行なさいますか、陛下」ベヴィエが丁重に尋ねた。
「いや、逆方向になるようだな。それにしばらくというわけにもいかん」ウォー糖尿上眼ガンは一同を見まわした。「アーシウム国で何が起きているか、聞いてはおらんのか」
「いくつか噂は耳にしております、陛下」ティニアンが答えた。「ですが、具体的なことは何も」
「ならば余が具体的なことを教えてやろう。レンドー国がアーシウム国を侵略したのだ」
「そんなばかな!」スパーホークが叫んだ。
「コムベに住んでいた者たちに、ばかなことかどうか訊《き》いてみてはどうだ。レンドー人はあの街を略奪して、火を放った。住人は難民となって、首都ラリウムに向かっておる。ドレゴス王は相互防衛条約を発動した。ここにいるソロスと余は、とりあえずできる限りの手勢を集めて救援に向かうところだ。アーシウムまで南下して、レンドーの疫病神《やくびょうがみ》を永遠に駆逐してやる」
「陛下とご同道できればいいのですが、われわれには別の使命があyou beauty 美容中心好唔好ります。たぶんこちらの仕事が片付けば、合流できると思います」
「もう合流しているではないか、スパーホーク」ウォーガた。
「急を要する使命があるのです、陛下」
「教会は永遠だ、スパーホーク。そして辛抱強い。そなたの使命はあとでもよかろう」
そのへんが限界だった。もともとあまり我慢強いたちではないスパーホーHKUE 好唔好クは、サレシアの国王を正面から見据えた。わめいたり悪態をついたりすることで怒りを発散できる者たちと違い、スパーホークは怒りを募らせるほど氷のように冷静になる。
「われわれは教会騎士です、陛下」その声は平板な、感情のこもらないものだった。「地上の王に従うものではありません。われわれは神と母なる教会に対して責任を負っているのです。教会の命令には従いますが、陛下の命令には従えません」
「余の背後には千騎の精鋭がついているのだぞ」
「どの程度まで数を減らしてもいいとお思いですか」騎士の口調は不気味なほど静かだった。鞍の上で姿勢を正し、面頬《めんぼお》を下ろす。「時間を節約しましょう、サレシアのウォーガン」公式の呼びかげをして、右手の籠手《こて》をはずす。「あなたの態度はこの場にふさわしくない、不信心なものとさえ思える。よってここに決闘を申しこむ」何気ないとさえ言えそうな様子で、スパーホークは籠手をサレシア王の前の路上に投げ出した。
「これで外交的なつもりか」困ったように、アラスがカルテンにささやいた。
「あいつのやり方からして、外交にいちばん近いものだろうな」カルテンは鞘《さや》の中で剣をゆるめた。「斧の用意をしといたほうがいいぞ、アラス。面白い朝になりそうだ。セフレーニア、子供たちを連れてうしろへ」
「ばかを言うな、カルテン。自分の王に向かって斧を振るえだと」

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だいぶ頭に来ているようだ

「できるだけ急いでガセックへ行きましょう。何が原因なのか突き止めないと、手の打ちようがHKUE 認可性ありません。何としても館の中に入らないと――たとえ力ずくでも」
「それはいいが、あの吟遊詩人はどうします」とアラス。「触るだけでほかの者を感染させられるなら、いずれ大軍団を率いて館に押しかけてくるかもしれない」
「簡単な手があるじゃないか」カルテンが剣の柄に手をかける。
「いけません」セフレーニアの鋭い声が飛んだ。「眠らせることにしましょう。何日か休息を取るのは、あの人にとっても悪いことではないでしょう」そう言ってカルテンに厳しい顔を向け、「どうして何でもかんでも剣で解決しようとするのです」
「訓練の成果ですよ、きっと」カルテンは肩をすくめた。
セフレーニアは呪文を唱えはじめ、指で魔法を編み上げると静かに解き放った。
「ベヴィエはどうします。あいつも眠らせるんですか」ティニアン中醫が尋ねる。
セフレーニアはかぶりを振った。
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「馬には乗れるでしょう。置いていくのはどうかと思います。ただ、触られないように離れていてください。それでなくても問題を抱えこんでいるのですから」
一同は火のそばに戻った。
「あの人は眠ってしまいました。これからどうします」とベヴィエ。
「明日の朝ガセックへ向かう」スパーホークが答えた。「そうそう、ベヴィエが、向こうに着いてもあま激光去斑り感情的にならないでくれ。手は剣から離して、口もつつしむようにな。行動に移るのは状況をよく見極めてからだ」
「それが慎重なやり方というものでしょうね」ベヴィエは不承不承うなずいた。「病気だということにして、あまり表立たないようにします。悪逆な伯爵の顔を何度も見たら、怒りを抑えきれなくなりそうですから」
「いい考えだ。その友人には毛布でもかけてやって、もう寝たほうがいい。明日は厳しい一日になりそうだからな」
ベヴィエが天幕に引き取ってしまうと、スパーホークはほかの騎士たちを集めてひそかに注意を与えた。
「今夜の見張りにはベヴィエを起こすな。真夜中に独りで抜け出すような真似はされたくない」
全員がうなずいて、毛布にくるまった。
翌朝はまたしても空に厚い雲がかかって、陰気な森の夜明けは薄暗かった。朝食をすますと、クリクが支柱に帆布を張って吟遊詩人の上に差しかけた。
「雨が降ったときの用心にね」
「大丈夫でしょうか」とベヴィエ。
「疲れているんだろう。寝かせておいてやるさ」スパーホークが素知らぬ顔で答える。
一行は馬に乗り、踏み分け道に戻った。最初は速足《トロット》で進んで馬の身体を暖め、半時間ほどしてから疾駆《ギャロップ》に移った。
「足許に気をつけろ。馬の足をくじくなよ」

カテゴリー: 未分類 | 投稿者blankgut 15:32 | コメントをどうぞ

ーホークに尋ねた

クリクは脅すようにベルトに手をかけた。
「わかった、わかったよ。興奮しないで」少年は急いで階段を上っていった。
酒場はいささか煙たく、床に撒《ま》かれたおが屑《くず》のあいだ鑽石能量水機
には銀色に光る魚の鱗《うろこ》が散らばっていた。平服に着替えた五人の騎士にクリクとベリットを加えた七人は、遠慮がちに中に入り、あいていた隅のテーブルに腰を落ち着けた。
「ビールだ。どんどん持ってこい」カルテンが女給に声をかけた。
「飲みすぎるなよ」スパーホークがささやく。「おまえは重いんだ。部屋まで運び上げるのはごめんだからな」
「心配するなって。おれはラモーカンドに十年いて、前後不覚に酔ったことは一度もないんだ。ここのビールは薄くて、水っぽいんだよ」
女給は典型的なラモーク人女性だった。腰と胸が大きく、ブロンドで、控えめな表情をしている。着ているのは農民ふうのブラウスで、衿《えり》ぐりが大きく、それに重そうな赤いスカートを合わせていた。木靴をかたかたと床に鳴らしながら、愛想笑いを浮かべている。やがて銅の帯を締めた木のジョッキに注がれた、泡立つビールが運ばれてきた。
「まだいてくれ」カルテンは女給にそう声をかけてから、息もつかずにビールを飲み高鼻干した。「こいつはもう空《から》になっちまったからな。もう一杯持ってきてくれ」そう言いながら馴《な》れ馴れしく尻を撫《な》でる。女給は笑い声を上げ、急いでお代わりを注ぎにいった。
「いつもこの調子なのか」ティニアンがスパ。
「機会さえあればな」
そのときカルテンが、店じゅうに聞こえるように大声を張り上げた。
「さっきから言ってるとおり、半クラウン銀貨を賭けたっ中醫婦科ていい。こんな北のほうで戦闘があったなんて、考えられるものか」
「だったらおれは、戦闘があったってほうに銀貨二枚だ」即座に作戦を見抜いたティニアンが応じる。
ベヴィエはしばらく戸惑った顔をしていたが、やがて目に理解の色が浮かんだ。

カテゴリー: 未分類 | 投稿者blankgut 13:02 | コメントをどうぞ

ないとは言わせな

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「おのれ、シルティめ、最後に巫女に戻りおって…」
ゴラムはそう言った。しかしガラムは不敵な言葉とともにミーシャに近づく。

「ふん、その太刀の使い方を知らん娘が図に乗るな、そらっ」
もう一方の肩当てを剣に変え、ガラムは打ち込む、しかしまた同じ事だった。
「ガッ」
太刀がガラムの剣に吸い付く様に合わさりそして吸収する。
「くっ、何故だ…」

「白龍刀は邪気を吸いそして祓う。殺傷の武器ではない。それは『黒龍刀』も同じ。違うのは『黒龍刀』はラグナに向い、一方『白龍刀』はヨミに向う。ヒメカの力を得たオロシアーナにあなたは勝てない」

シルティの血で染まった白装束、それこそオロシアーナの正装だった。そしてミーシャはなぎ祓う、かけ声とともに…。

「いざ祓いたまえ、オロシアーナ、斬(ざん)!」

純白の旋風がガラムを包んだ。ガラムはその場にうずくまった。ガラムはその闇を浄化されたのだ。浄化の言葉は既にガラムには聞こえなかった。静かにガラムの目の赤い光が消える。しかし、分身となっていた大ムカデはいっこうにひるまない。一部始終を見ていた操りグモのゴラムはすでに勝機を逃した事を悟った。しかしまだあきらめてはいなかった。

「仕方がない、私にひとつだけ許されたフェンシングで戦おう」
由美子はラペを取り出し、アンガルトを決めた。先を平坦にしたラペは殺傷能力がない、しかし大ムカデの攻撃を避ける事はできる、そう思ったのだ。

「そんなもので、戦う?なんの余裕だ」
「リンリン、これが私に扱えるかしら…」元々それは漆黒テントウに姿を変えたリンリンが『ラクレス』から渡された『ブラック?ダーク』だった。
「これは、私の新しい武器『黒いラペ』という。父が鍛え直し作ってくれたもの。さあかかって来い!」

「フフッ、面白い。そんなフャフニャの剣が役に立つと思っているのか、岩をも切り取る大ムカデの牙に…」
大ムカデが鎌首をもたげた。見かけによらず俊敏だ。その一撃が放たれた。

「ギル?」
何が起こったのか、大ムカデは奇怪な声を上げた。しかしそれ以上に驚いたのは、ゴラムだった。彼はその目を疑った。たった今長い体だった大ムカデの胴が横一文字に分断されたのだ、しかもわずかな音とともに。その細い剣がそれほどのものとは思えない、ゴラムがすぐ言った。
「お前、その切れ味は…、この世のものか?」
「言ったでしょう、父が鍛え直した新しい武器『黒いラペ』だってね」
しかし、再び合体した大ムカデが牙をむく、再生する限り決着はつかない。

「お前の父はヨミ族の…」
「黒サソリに殺された『ダゴス』知らいわ」
「おい、ゴラム。間違いあるまい」
赤ムカデのガラムがそう言って振り返った。
「おそらくそうだ、しかし今まで見つからなかったのは何故だ」
「何言ってんだか、えいっ!」
大ムカデは一振りで今度は左右に分断された。それを見て、ゆっくりとゴラムは由美子に近づき、カチカチと牙を鳴らした。
「それは『黒龍刀』、ツクヨミの『力』だ。アマオロスの『白龍刀』とともに『聖神の力』と呼ばれるものだ…、さあ渡してもらおう、それとも俺を斬るか?」
大ムカデはまたしても再生した。

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り大きな虹色に輝く

「リカルト・クッティース・アロマーナ」
ムシビトたちはその呪文を、はじめて聞いた。『クッティース』それがヨミの扉の鍵を示皇室纖形 電話すのだ。「ゴラゾム」が「リカーナ」の使った複製の呪文の中で解読した、古いムシビトの言葉だ。もちろん誰一人それは知らない。
その呪文は静かに床の姉妹に注がれ、姉妹はかすかな鼓動をうち始めた。しかし、からだの動きはない。たまらず「ゲンチアーナ(リンリン)」がアロマに言った。
「アロマ様、母様たちに動きは見られません。何故でしょう?」
「それはね、私の娘『フローレス』が深く関わっているからなのです」
「フローレス?」

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「詳しく説明する時間はないわ、でも心配はいらない。彼女らは助かった、さあ『黄金の皇室纖形 facialカブト』を渡しなさい」
デュランタ(テンテン)はその黄金のカブトを差し出した。それを受け取ると、アロマはムシビトたちに言った。

「本当に『イト』を人間界に送るつもり?
とんでもない事を考えるものね」
「無理でしょうか、マンジュリカーナ様がアガルタに捕わ冷凍溶脂れているのです」
それには答えずにアロマはカブトの封印を解いた。
「リブル・クッティース・アロマーナ」
静かに羽を開き、黄金のカブトは飛び上がった。それに続き七色の原石が次々とカブトに吸い込まれていく。黄金のカブトは一回カブトへと変わる。

「ただしこれを使えるものは、『フローレス』ただ一人しかいないけれども。さあこれを人間界に届けなさい」
「あのう、寄り代は誰が勤めるのでしょうか? アロマ様」
デュランタがそう尋ねた。
「寄り代? そうねイトの寄り代になれるものは数えるほどしかいません。王たちでは体が持たない。なぜならイトはヨミのもうひとつの姿。その力を扱えるのは……」

広間の扉が開いた。そこにはムシビトたちのよく知っている顔もあった。彼らはアロマの前にひざまずいた。そして彼らが顔を上げ、アロマに言った。

カテゴリー: 未分類 | 投稿者blankgut 15:34 | コメントをどうぞ

いわけにもいかない

そもそも何で私がこんな目に合っているのだろう?。

レジールは天井に張り付いたまま腕を組んで唸った。

『‥あの女が私に変な呪いをかけてたって話も聞いた覚えが有るけど、今どき呪い劉芷欣醫生など‥。いや、アイツならひょっとして━━。』

「アイツって?。」

下にいる、というかフツーに部屋の中に座っている地球資源男が上を見上げた。

『あんたには関係無いわよ。』
「なら、声に出さないで下さい!。気になるでしょうが。頭の上でブツブツ言われたら!!。」
『あんたが、横の壁に立ってると幽霊みたいでブキ探索四十學習研修ミだってゆーから上に来てあげてるんじゃないの!。めんどくさいヤツねー。』

そりゃアンタの方だよ、二次元姐さん‥‥‥。

‥‥‥‥「二次元星人レジール5」

‥‥‥‥‥‥‥‥作、千凱 霧龍

この世界とは別の次元の、別の惑星。
確かアースとか地球とか呼ばれている星から来たと言う宇宙船整備士レジール。

何故かこの星の中では二次元分しか接触出来ない。

この二次元の宇宙人に居候されて随分たつ。

気づいたら年を越してしまっていたのだ。

まぁ、いつものように一人、いや敢えて言おう、『独り』で過ごす年越しよりはちょっとだけ華が有って良かった。

「その華に立体感が有って、触ると温もりが感じられるような存在だったら‥‥。」
『泣くな!。気持ち悪い。あと”温もり”とか言うな。』

もう夕方である。
とりあえず、晩飯の買い出しに行く。

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この手のお話は、だいたいいつも毎回何らかの事件が起こって展開する物だが、そんなに大事件が続発してたら警察なりマスコミなりが動いてとっくに大騒動になっている。
それではもう、一青少年の活躍する話では無くなってしまうではないか。

二次元姐さんと普通に過ごす時間というのも有るのである。

「エルドく~ん!。」

急に後ろから呼ばれてビクッとしたが、見ると、同じ店でバイトをしている女の子である。
こっちへ全力で走って来る。
何だろう?。

「どうしたの?。」

彼女は肩で息をしながら、

「良かった。見つかって。」
「何か有ったの?。」
「店長が、明日は急用でお店、休みにするから来なくていいって。」
「あ。そうなんだ。そのために僕を探してたの?。」
「はぁ、はぁ、そーよ!。電話しといてって店長に言われたけどエルド君、電話、止まってるじゃないの!!。」

「あ。」

「あ、じゃ無いわよ。責任上、伝えなし!。仕方なく、捜してたの!!。まったくもう!。」
「ごめん。この前までプリペイドの携帯だったから、毎月払う習慣が根付いて無くて。」

良く判らない言い分けである。

彼女は息を整えると.

カテゴリー: 未分類 | 投稿者blankgut 15:33 | コメントをどうぞ

る気になるんだ

 道路に面した壁に開けられた直径5センチほどの排水口。穴はいくつかあったけれど、ここだけ苔がき平價機票れいに生えていたのが不思議だった。 壁全体も撮ればよかったな。

 運動が不足しすぎている。もう何度も「歩こう」と書いている気がするけどろくに歩いてないのだ。なぜかというと……という話を書くつもりだったけど、やめよう。
 結局、なんだかんだ言い訳を並べたいだけだ。何か目に見える目標があればやHKUE 認可性けどなぁ……とかね。「いいから歩けよ!」だ。
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 犬の散歩の途中、ゴミ捨て場の貼り紙が目についた。
 A4の紙に、

「ゴミは?時以降に出してください。カラスが散らばかすので」

と、筆ペンで書いてある。

「散らばかす」というのはどこの言葉なんだろう。「散らかす」よりも「散らばかす」の方皇室纖形 facialがずっとカラスの仕業らしく響く。

 公園のコリウスがきれいだった。
 見た目のとおり、シソ科の植物で、和名は金襴紫蘇とか錦紫蘇というそうだ。

「金襴」という言葉で、「き~んらんど~んすの お~びしめな~がら~ はなよめごりょうはなぜなくのだろ」という古い歌を思い出した。歌詞はその部分しか知らないけれど、印象的な間奏まで覚えている。(たぶん、母がレコードを持っていたのだ)
 目の前の魔法の箱で調べたら、「花嫁人形」というこの歌は大正時代に生まれた童謡で、作詞は蕗谷虹児だった。

 金襴緞子の豪華な帯を締めながら、花嫁御寮は何故泣くのだろう。歌詞を全て見ると後半は、紙の花嫁人形は泣くこともできない(泣けば色が滲むし破けてしまう)とある。どこか物悲しい歌だ。
 蕗谷虹児の描く少女像には、若くして亡くなった母親への思慕が投影されているという。「花嫁人形」の歌もそうなんだろうか。

カテゴリー: 未分類 | 投稿者blankgut 15:37 | コメントをどうぞ

エステのあとのよう

いつものアポロンではない。
ウィーンでリフレッシュされたのか?
ヘアスタイルも激チェンジされていたが、レッ改善膚質スン内容も大変身していた。

夢のようにレッスンは進んだ。
手ごたえも、充分感じ、1秒1秒が充実の時。
アポロンのちょっとしたアドバイスも、ひとつの動きも見漏らさないぞ、
という思いで神経を集中させた。
濃い時間のそのあとに、信じられないことが起こった。

素晴らしい。
こんな短時間で、コネクトをものにで高鼻きた人は少ないよ。
いや、今までにいなかった。
次からが、楽しみやね。

アポロンにそう言われた時は、まさに天にも昇る気持ち。
私の眼は、完全に、くっきりハート型。ほっぺは、ピンク。
お目々が顔の3分の1の、少女マンガのヒロインが、そこにいた。

終わった後、しばらくは、余韻に酔いしれた。
(1日経った今も、まだ続いている・・・)
まるで、BODY&SOULのテーマパークをたっぷり時間をか嬰兒敏感けて回ったあとのよう。
60分、いや120分スパか。
快い汗、気分爽快。

うーーん、こういう日があるから、やめられないのだ。
今後、どんなコワい目に遭おうが、惨めな闇の沈黙に陥ろうが
どんなことが待っていても、耐えられる。
これから、やっていける。
そんな明るいカーテンが、ぱっと開いた。

ワルツやタンゴなどのモダンの方ではなく、ラテン、
その中でも、ルンバに、私は、ハマっている。
あの、情熱をぎゅぎゅぎゅっと押し込めたような曲、踊り。
今のところは、それには程遠い、フォークダンス盆踊りだけれど。
そもそも最初に教えてもらった先生が、(今も通っているが)
足型オンリーだったので、別の先生に習ったところ、
それは単なる足型であって、本当の正しい踊り方ではなかった。
それまで、正しいダンスを知らなかった、ということすら、知らなかった私。
急に今までのダンスが、恥ずかしくなった。
そんなダンスをしている自分の姿そのものが、恥ずかしくなった。

この日は、ステップ、カウントに続く、新しいジャンル、コネクトの取り方。
今までは、ステップ(足型・カタチ)を覚える→カウントの取り方をマスター
さらに→コネクト(リードの受け方)という流れから
クリアーすれば→BODY&MUSCLEの動き→曲への乗り方へとつながる。

BODY&MUSCLEは、潜在的な個人能力差が大きいと思うので、
(私、カラダが硬く、腹筋ゼロ、お腹まわりトロトロぶよぶよ、動きがトロい。
しかも、若くない。そして、アタマ<脳>が最大のネック・・・)
きっとアポロンを失望させることになるだろうけれど(間違いない!!)
でも、その段階にまで進める日を目指して頑張ろう。

カテゴリー: 未分類 | 投稿者blankgut 17:01 | コメントをどうぞ

わけのわからない

寒いく強風が吹き荒れる中、
天保山にあるサントリーミュージアムまで、クリムト作品に会輕便嬰兒推車いに行った。

19世紀末ウィーンでは、保守的な芸術の流れを打ち破ろうとする芸術家たちが、
新しい芸術を確立した。
19世紀末といえば、日本は明治維新の後、新生日本の立ち上げで、芸術どころではなかった頃。
というか、西洋文化がどっと入ってきて、
芸術界も、西洋芸術系人材を育てるための基礎皇室纖形 電話を築いている頃?
日清戦争など、新しい日本は、どんどん力をつけている頃。
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ヨーロッパでは、それまでの王政政治から、大きく時代が激変して1世紀近くが経っていた。
私がウィーンを訪れたのは、折しもモーツァルト生誕250年祭を半年後に控え、
街はイベント準備の最中だった、今から4年前のこと。
伝統的な建物の多い中、モダンな建物にも目を奪われた。
印象的だったなかでも、もっとも目を引いた、かなりユニークな外観の建物が、
クリムトなどが参加する分離派が1898年に建てた、「分離派会館」だっ皇室纖形 電話た。

クリムトの絵画は、宿泊したウィーンのホテルの室内装飾にデカデカと施されていたので、
まだ何の心づもりもしていない自分の体や頭に、
否応なく、肌感覚で、クリムトの洗礼を受けたような経緯を持つ。
ナプキンや、紅茶缶も、クリムト模様のものをお土産に買って帰った。
金ぴか、クリムトだらけ、
その強烈なイメージが、旅から年月が経つ今も、私にはまだ残っている。

今回の展覧では、クリムト作品は少なかったが、同時代の作家の作品が多く紹介されていた。
こういう時代、なぜか、私は、わくわく、ぞくぞくする。
一つ一つの絵画の制作年代を、日本の時代、年号に照らし合わせて、じっくり観て行った。
観ているうちに、「ワタシ、絵画が、とても好き!!」、と、突然、今更ながら感じた。
自分の目や心から、自分のアタマに発するシグナルを自分で感じた。

当時の風景、情景、人々の暮らし、表情、服装、いろんなモチーフを題材に、描かれている。
作者の目を通して、それぞれの感性で、時代の息吹が表現されている。
旧態依然とした古いものから、それを打ち破り、新しいものへと移る、
新しい胎動により、それまでの価値観の殻が壊される、
その時代、その実践した人々、彼らの作品に、とても心動かされるものを感じる。

グラフィックデザインのポスターの色は、抑え気味で、少ない色彩、シックだ。
赤が、効く。
今、現在、世の中に氾濫しているデザインの素、根源、お手本みたい。
この時代のここから発生し、今日に引き継がれているんだと思うと、感慨深いものがある。

絵画の前で、しばし、時代や空間を超えて、うっとり時空旅行をしているような気分。
こういうことは、展覧会に足を運び始めた初期の頃は、感じなかったこと。
なにかが、私のなかで、動き始めたのだろうか。

また、ウィーンに、ぜひ行かなくっちゃ。
パリもいいけれど、ウィーンもいい。
その道の専門家から見れば、私はなんと浅い、無知で、恥ずかしい人だろう。
所詮、芸術ミーハーの域は超えていないとは思うけれど、
あれもこれもと、欲張りな私は、
一つ一つに専門性を追及するほどの、時間も、体力も、頭も、持ち合わせていない。
ちょっぴり明るい、アタマの弱い「偽オタク」かも知れない。
でも、うっとり素敵な時間を過ごせて、心が、きゅきゅっと躍った。

カテゴリー: 未分類 | 投稿者blankgut 17:22 | コメントをどうぞ