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髪の毛にまつわる少し気味の悪い思い出。いつまでも変わらないことが、恐ろしい・・

専業主婦なので毎日掃除をします。床に毛がたくさん落ちています。風呂場と洗面所の排水溝も毎日掃除しますが、毎日毛がたくさん絡みついています。毎日取らないととんでもない量になります。だからゴミ箱の中はすぐに毛でいっぱいになります。

床に落ちている毛を手で取ろうとしても、中々取れません。手についたらそれも中々取れません。掃除をする時には、毛はとても私を苛つかせる存在です。我が家は特に大家族ではないのに、毎日毛ばかり掃除しているように思えます。毛は一旦落ちたら、ずっとそこに有ります。腐って分解されて、大地の一部にはならないのではないでしょうか。だから、排水溝を詰まらせますし、百何十年前のお墓の中の遺骨に髪の毛が残っていたりします。例えが極端でしたね。こんなことを考えていたら、ひとつ思い出したことがあったのです。昔、母の裁縫箱の中に古い針山がありました。今時、針山なんて言わないのでしょうか。でもピンクッションではなく、針山と言うのにふさわしい、古びた物でした。私の祖母の毛がその針山に詰められている、と母は私に教えてくれました。

人の髪の毛は程よい脂分があって、針の滑りを良くして縫い物がやりやすくなるし、脂分のお陰で針がさびないのだそうです。それを聞いたのは私が小学生の時だったと思います。私が高校を卒業する頃、その針山はとうとう破けました。何十年もの間、針を刺され続けたのですから、当然のことです。でも破けた時に私は、かなり本気でぎょっとしたのです。ただ驚いたのではない、そこに少し恐怖感がありました。針山の中からは勢い良く髪の毛の束が出てきました。話に聞いていた祖母の髪の毛です。私の知っている祖母は白髪頭でしたが、針山の中の祖母の毛はイキイキと黒かったのです。何年経っても変わらずに、そこに有る髪の毛は、まるで振り払ってもへばりついて離れない怨念を私に連想させたのです。何故そんなことを考えてしまったのか、自分でもよく分かりません。実際にあの髪の毛の束を見ていないと、理解出来ないかも知れませんね。先人の知恵も私にとっては気味が悪かったと言うお話しでした。毎日髪の毛を目の敵にして掃除しているのは、こんなことのせいなのかも知れません。
oosouji_dougu

カテゴリー: ライフスタイル | 投稿者myrilu 17:23 | コメントをどうぞ