「紹介するね。これ、私の兄のおにぃ・淳也兄ちゃん。で、こっちが私の同級生の詩音ちゃん・篠田詩音ちゃん」
淳也さんっていうんだ。で、しかも美羽ちゃんのお兄さん。そんな人に私、いま告白されてい透明質酸注射たの・・・・・・ キャァーーッ!
頬が赤くなる。思わず、顔を手で抑えてしまう。
でも、あれ? なんだか、淳也さん、すごく青ざめた顔しているような。えーと? なに?
まじまじと見つめていると、
「あ、詩音・・・・・・?」
ロビーの隅から不意に声をかけられた。姉だ。不審げな声。ン? でも、ちょっと違うかな。上ずっている感じの声。
振り返ると、姉が引きつった笑顔を浮かべながら、私たちに近寄ってきていた。
「ああー! 詩音ちゃんがふたりいる!」
「って、違うわよ! 私のお姉ちゃんだよ!」
「し、篠田さんの・・・・・・」
美羽ちゃんと淳也さん、交互に私と姉の顔を見比べては、目を白黒。そう、MIOGGI 好唔好私と姉とはとても似ていて、人からよく間違われるのだ。
「あら、橘君、今日は」
「あ、ああ・・・・・・」
「へぇ~ 可愛い人ね。昨日言っていたデートの人ね。こんなに可愛い人なら、きっと今日一日、楽しくなるでしょうね」
姉は美羽ちゃんをやわらかく観ているのだけど、その眼、よく知っている。姉が本気で怒っているときの眼だ! なんで、姉が美羽ちゃんに腹を立てているの?
「あ、ち、違うんだ。こいつは、俺の――」
「行こ、詩音」
なんか、すごく険悪な様子。淳也さんの言い分に聞き耳をもたないなんて、普段の姉ら生髮方法しくもないような。一方、淳也さんの方は苦りきった様子。その様子を見ていて気がついた。淳也さん、さっき私と姉をとり間違えて・・・・・・
う~ん・・・・・・
さっきのはやっぱりノーカウントだよね。勘違いだったんだから。
でも、ちょっと惨めだぞ、これって!