金曜日
NB11時だが6時20分ごろには家を出て今日は植木インターから8時半ごろにクラブ到着して軽く練習をして汗を流した。
センターコート、11時をどれくらい過ぎていたのかは定かでない。なにせ緊張と興奮が渦巻いていた。決勝戦はチェアーアンパイヤーが付く。前の試合が順調に終わってコートに入って、F氏の了解をとり女性のアンパイヤーに二人のシャッターを押してもらった。
相手がサービスをとりぼくはコートを選択して試合がはじまった。いきなりサービスをブレークして10 キープして20 次々とゲームが転がり込んできた。ぼくのくせ球に躊躇していたのかミスが多くて楽勝に正直思えた。気が付けば52でぼくのサービス、52から泣いた人は多い。セットが取れそうでなかなかくれなかった。ぼくのボールにじょじょになれている。やばいと思ったが何とか強引にセットをものにしていた。62。
これなら何とかなるかもとの考えは、全く甘かったことが時間が経つにつれて判明して行った。02と今度は相手が先攻、焦れば焦るほどゲームが取れない。相手が作戦を変えていたのに気付くのが遅すぎた。前へ前へと詰めていた。上背がありふところが深い。どんなボールでもとどきますよと、ネットに出られたら威圧を感じ、じりじりと追いつめられていた。
たいした抵抗も出来ずに25、最後はおまけつきのダブルフォールトでセカンドを落して、不甲斐なさにメッキが剥げてきた思いだった。26。
トイレはもよおさなかったがトイレ行きを要求した。気分転換をはかりたかった。俺も積極的に前へ出よう。昨日も出たではないか、相手は上背もありサービスもいい、同じ前に出るにしても相手の方が有利に思えたが、それしかないのだ。
ファイナルでは最初にまたもブレークして10 20、出だしは良かったがすぐに追いつかれた。21 22、それから互いにサービスキープで進んでゆく。相手はわりかし楽に、ぼくは必至で綱渡りのキープで相手が先行。23 33 34 44 45。でぼくのサービス、接戦を聞き及んだのかかなりの人が観戦しているのを肌で感じたが、見れば集中力を欠くようでじっくりとはかなわなかった。落とせば終わりの瀬戸際でまさに必死だった。
走り回されてネット際のボールをようようひろいストレートにかろうじて返球してポイントしたりまさに究極の状態でゲームセットを逃れて戦っていた。そしてようやくキープにこぎつけ55。
次の相手のサービスゲーム、ジュースが続きチャンスがありそうでついに来なかった。最後はネットインしそうなボールが手前に落ちて45。ここで一つの落胆が襲っていた。流れがおかしい。
ぼくのサービス、1ポイント目100%決まったと立ち尽くしていたドロップショットに脱兎のごとくかけよってきて返球したのには声も出なかった。ノットアップと言いたかったほどだった。深く狙えば良かったのにと頭によぎる。大事なポイント落として落胆、もうそこでは45のときのような集中力は失っていた。そのゲームをなすすべもなく落としてゲームセット、最後のゲームは後味が悪かったが、ぼくとしては全てを出し尽くした感があった。最後の最後の相手の執念にぼくは及ばなかった。強かったと認めざるを得なかった。