日曜日
木曜日に帰ってきたがテニスに行く元気は沸いてこない。体調もいまいちのようだ。一昨日金曜日はジャパンオープンベスト8の4試合をテレビの前で過ごし、昨日今日の午前中は家の周りの片付けをしてそれからテレビの前に座った。
まさかの錦織圭は逆転を許しファイナルでは思う壺にペールに痛めつけられた。ちょっくらヤンキーぽいペールに全米に続いて連敗したショックは大きく、顔をこわばらせてマイクを握った手もさだまらず上ずった声の解説の面々。
決勝戦はそういう訳で、だいの仲良しと自称するスイスのワウリンカとフランスのペールとの間で行われた。本来なら圭がいて当然の決勝戦なのに、にやにやした二人の姿、いつか二人で決勝を戦いたいと酒を交わしながら対話した二人のかなわぬはずのお膳立てをジャパンオープンは提供していた。
髙いフィーを払っての満員の観衆は、そこには圭が絶対いるはずだと思っていただろうから、落胆はいかばかりか、想像するに難くない。
1シードランキング4位のワウリンカはノーシードのペールを6264で危なげなく勝ちきった。本来ならば圭が勝っておかなければいけなかったスコアーだった。
「戦いたくない相手」と圭はコメントしていたが、本音であった。ファーストはペールの強烈なバックサイドを避けてフォアを責めると容易にミスの山をきずいてくれて16、全米の反省ありきで、セカンドで借りを返すだろうと思えた。
誰もがそう思ったに違いないセカンド、そして期待に応えてブレークチャンス何度も来るがことごとに失敗すると相手にチャンスがやってきた。ピンチの後にチャンスあり、子供野球で良く使っていた言葉どおり、ペールは果敢に攻めてブレークすると得意のファーストサービスを決めてセカンドを64でペールがものにした。
その瞬間ヤバイと思った。残酷なファイナルであった。火に油のペールの勢いをとめようとすればするほど、圭のあせりとミスが重なり、ペールは得意のバックハンドがさく裂、フォアーは良くなり、そしてサービス一発の展開が満員の観衆の中で繰り広げられ、ためいきといきで館内は真冬の寒気が漂っていたに相違ない。まさかの26で錦織圭はそそくさとコートを去って行き、ジャパンオープンの会場は通夜の席のような雰囲気と想像たくましくした。
圭には次の試合、上海が待っている。この反省を踏まえてのきっと活躍してくれるだろう。