日曜日
四時に携帯アラーム。テレビを入れると5時から全米女子決勝戦とあった。
試合の前にあんなセレモニーあるのは全米オープンだけのような気がした。選手は花束を手にし、後ろからバッグを持ったボールボーイが従う。これは外の大会にもあったなあ。その前には有名なボーカルが国歌を歌いあげ、コート一面が星条旗を携えた兵士によってゆっくりとおおわれてゆく。
ファースト、なおみの攻撃と守りでセレナは追いつめられていた。セレナのサービスで始まる。なおみは3ゲーム目にブレーク21、5ゲームにブレーク41 51 52 62でファーストを取る。
セレナはファースト落としても相手の球になれたセカンドからピッチを上げてファイナルに持ち込み、逃げきる試合を何度か見たことがある。準決勝キーズとの試合もファーストと62で取るもセカンドになるとキーズは調子を上げていた。なおみは1ゲーム目のブレークを守り、あとはキープキープで行くもブレークされそうな場面を何度も逃げ切り54、サービングセットを最後はサービスで止めを刺していたが、よくど耐えたとなおみの成長が窺える内容だった。
セカンドのセレナは獲物を狙うようになおみをにらみつけていた。12からサービスブレークされて13とセレナの流れに、キープされれば14、さすれば完全にセレナペース、ファイナル覚悟しなければならない。しかし、ここで踏ん張りなおみはブレークして23に戻す、セレナは陣営に救いの眼差しを向けていたが、いきなりラケットをコートに叩きつけていた。セレナの焦りが浮かび上がっていた。
ラケットは哀れにひん曲がり、助けを求めていた。こんなことをして良い結果を出した選手は思いだせない。なおみがぐんと優位になったとぼくは正直思った。
ベンチへ戻ると主審がアンパイヤ席から身を乗りだしてセレナに何かいっていた。コーチ陣からのアドバイスとラケット破損で1ポイントなおみが優位で試合が始まろうとしていた。なおみのサービスは15 00から始まるのだ。セレナは牙をむき出し抗議するも、あきらめた。なおみはサービスをなんなくキープして33。そしてブレークして43。セレナはベンチに戻ると主審をにらみつけて食い下がる。そこで暴言があったのだ。主審がマイクで何か言っていた。
コートポジションに付いた二人はそれが何を意味するか分からなかったのだ、スコアボードが43から53となおみにはタナボタで1ゲーム加算されていた。二人は慌てて主審のもとへ駆け寄った。主審は説明していたようだが、セレナはコーチ陣の方に首を向けて苦笑いしたが、苦笑いで済む問題ではないとセレナは気がついたのか、主審に噛みついていた。レフリーを呼んでくれと叫んでいたようだ。二人の男女があたふたと駆けつけてきた。セレナは目をつり上げ機関銃のようにまくし立てていた。レフリーは審判に事情を尋ねていたが、セレナの主張は空に終わったらしく強気から涙顔に変わっていた。最後にはルールなら従うわとかいったらしく、ベンチを後にした。
憮然としてポジションに付くが観衆のざわめきは収まらない。セレナは手を上げてそれを征して、試合は再開された。
53セレナはなんなくキープして54、興奮渦巻いていた満員の会場のセレナファンはほっとしたはず、そしてなおみのサービスアンドチャンピオンシップのゲームが始まった。
一ポイント目はセレナが取ったがあとはなおみが4015からサービスで決めて優勝した。
表彰式が始まるとなおみはブーイングに耐えかねてサンバイダーを深くかぶり涙を見せまいとしたが、大粒の涙は頬を伝わっていた。セレナはなおみは立派なチャンピオンです。もうブーイングは止めましょうと観衆に呼びかけると少し収まっていた。
司会者がなおみに質問を投げかけると、質問とは違う話があります。みんながセレナを応援していたことは分っています。こんな終わり方をしてすみません。そして隣にいたセレナにプレイしてくれてありがとうとお礼を言った。
異様な雰囲気のセレモニー、ちじこまって涙目で固まっていたなおみのスピーチに会場の雰囲気は祝福の雰囲気は変わっていった。ハイチの国旗を掲げ応援する集団が映し出された。父親の出身地、彼はライブで試合は見れないと会場には来ていないとなおみは言った。
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