金曜日
解体作業が行われて路を挟んだ家が二三日で消えて行った。時の流れを感ぜざるえない。ぼくたちが入居したころ、定年退職して間もないご主人がなくなられて、母親と息子二人で暮らしていたが、母親が95歳有余年になられた一二年前亡くなられて、そして後を追うように息子が昨年孤独死していたのだ。
裏の家も空きや、ぼくとほぼ同じご主人がなくなられてから、奥さんも倒れて入院している。路を挟んだ東側の家で一人暮らしていた県庁のOBも同じく九十半ばになられて入退院を繰り返して、入院している。夜中にぴんぽーんと鳴らすので、玄関に出かけて転んで起き上がれず、娘に電話したという。おそらくピンポーンも幻想だろうと推測する。
隣接する東側の家も老いた母親を抱えてた娘がひっそりと暮らしている。ど真ん中で入居時若干若かったぼくたち、じいちゃんは八十を前にしてテニス三昧、あーちゃんは老人の集いに足しげく通い、生きながらえている。
いつまで続くかは火を見るより明らかだけれど、火を見ぬふりして日々をすごし、孫らの成長や遊びに来るのを楽しみに、こよみをめくる日々が続いている。
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