土曜日
福岡県ベレラン今日は相手の棄権の為、午前中コートへ行きダブルワンセットだけする。昨日の一回戦は寒くてボールが飛ばなかった。雨上がりの弾まないコートは苦手で、別のラケットのテンションを試してみたかった。老いてその上非力と来ているから始末が悪い。一番ゆるく貼ったラケットで明日は頑張ったみたいと思う。
昼からwowowを入れるとデ杯予選の中国戦が放映されていた。丁度ダブルスが行われていて、日本が1セット取りセカンドに入っていた。終盤ブレークされてセット11。今年から変更されて3セット勝負。会場は中国の広州、地元の強みと格上の日本に容赦なく攻撃をしていた。勢いにまさる中国の二人に押されてダブルスを落して対戦成績1対2となっていた。昨日のシングルス2試合は西岡が負けてダニエルが勝ち1対1で今日を迎えていたのだ。
残るシングルス試合に勝利しなければ11月スペインで行われる本戦出場は閉ざされる。まさに土俵際、崖っぷちに追いつめられていた。おそらく楽勝だと思い中国に出かけたに違いない。我々が知っている選手は一人もいない。
今日のシングルスの一番手には昨日負けている西岡が登場した。中国は19歳の若者を送りだしてきた。錦織に善戦したらしい若者、グランドスラムジュニアーの部で単複優勝したとかで、松岡修造に言わせば将来トップテンに入る選手だと不安をあおるコメントをしていた。中国はこの若者で一勝を上げて三勝にして勝利を確定する作戦に出ていたのかもしれない。
だが西岡は昨日の雪辱を期していたかのように、若者を一蹴、二勝二敗として最後のバトンをダニエル太郎に渡した。相手は西岡を下した二百位台の選手、安定した強打のストローク、サービス。どう見ても二百位台の選手には見えなかった。
ファーストダニエルは64で取り、セカンドもツーマッチポイント取るまで追いつめていたが、相手の粘りにタイブレークに持ち込まれてセットを奪われ、太郎は疲れた表情を見せていた。そして本戦出場の雌雄は最終セットに持ち越されていた。
苦しみながらも太郎は序盤にブレークして42キープされて43のとき、ベンチに戻るとメディカルタイムアウトを要求して右足を診せていた。ヤバイと感じたが、これが昨年までのように5セットであれば赤信号だったかもしれない。3分すぎてコートに立つ。苦しみながらも何とかキープして53、相手のサービスをブレークすれば勝利するのだ。沈着冷静を装っているかにみえた中国選手にもプレッシャーがあったに違いない。ダニエルは苦しみながらも相手のミスを誘い何とか勝利した。その瞬間、急に足元がぐらついた。ビッコをひきながらベンチへ引き上げてゆく痛々しい姿、泣いているようにも見えた。日本を背負って最後まで頑張って勝利したダニエル太郎は素晴らしかった。拍手喝采!
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