こんにちは
内藤です
昨日からあったかいですね
花粉が多くなるのは辛いですが・・
あったかいのは嬉しいですね
テニスしてると暑いくらいです
そんな暖かい日に
背筋も凍るような話を耳にしました
背筋ってなかなか凍らないですからね
背筋(はいきん)じゃないですよ
背筋(せすじ)ですよ
まあ、背筋(はいきん)もそう簡単には凍らないですけどね・・
昨日ね
ジュニアの空き時間のときに
娘さんを見に来ていたA川さんと話をしていたんです
最近の若者は挨拶もなっとらん
職場の若い連中も仕事が甘い
自分が若い時はこうだった・・ああだった・・(まあまだ若いけどね・・ハハハーッ!)
・・・
なーんて話をしてたんです
そうです
例の、最近の若者へのダメ出しトークです
何かが生まれることは起こり得ない
単なるストレス発散としか思えない会話に
二人で興じていたんです
じゃあね
コンビニとか飲食店でも態度の悪い店員がいる
なんて話になったんです
A川さんもあったそうです
以前にね
Mドナルドで・・
以下、A川さんの証言に基づいて・・・
午後4時を少し回ったころ
少しだけ傾いた陽はまだ猛然と輝いていた
8月
猛暑日連続4日目
人を阿修羅と化すには、必要十分な環境であった
郊外のホームセンターからの帰り
A川は町田市のドライブスルーに寄った
午後4時過ぎ 中途半端な時間だったが、昼食をとっていなかったのだ
夕食は軽めにすればいい、自宅に帰ったらゆっくり食べよう
「いらっしゃいませ こんにちはー ご注文お決まりですか?」
「テリヤキバーガーセット・・コーラで・・あ、やっぱりスプライトで!」
「あと、ナゲットも!5個入りを2つ!」
「ソースは甘い方と辛い方、どちらになさいますか?」
「甘い方と辛い方、一つずつ」
バーベキューとマスタード
大人にはこの二択を提示すればいいではないか
A川は以前から思っていた
しかし、甘い方と辛い方・・この言い方が嫌いではなかった
正直ナゲットは3個ほどでよかったのだ
両方のソースを味わいたい
その思いから5個入りを2つ
計10個ものナゲットを注文した
自宅までの道は思いのほか空いていた
希望の轍(わだち)
お気に入りのサザンオールスターズの曲を繰り返し口ずさんだ
4回目を歌い終わるころ、家に着いた
Mドナルドの袋がまだ温かかったことでA川は少し気を良くした
as soon as
家に入るやいなや、A川はポテトを袋から取り出した
テリヤキバーガー、スプライト・・・ナゲット・・・ナゲットが・・
ない
1つも見当たらないのだ
袋にはもう何も・・
いや、あった
バーベキューソースとマスタードソース
甘い方と辛い方
「アホかー!ソースだけ入れて何に使えっちゅうねん!」
あまりの怒りに関西弁になっていた
キレた
頼んだはずのナゲットが入っていない
それどころかソースだけはしっかり入っている
猛暑の日に人をキレさせるには十分な理由だった
A川は携帯を取り出した
「あのね さっきそちらでナゲット買ったんだけど」
「家に帰って見てみたら入ってないんですよ」
「はい、申し訳ございません 今、確認致します 少々お待ちください」
アルバイトの女子高生だろうか
ひどく怯えた様子で電話を保留にした
♪♫♪♫♪♪~
ビートルズのLet It Beが流れていた
Let It Be そのままでいて、あるがままに
A川はそのまま待っていた
しかし、2分が過ぎたころ彼の様子は一変した
「待たせ過ぎじゃー!これがほんまのLet It Beって・・アホかー!」
次の瞬間、さっきの女の子のか細い声
「お待たせしました 確認しまして・・」
「待たせ過ぎやー!30秒超えたら折り返しますやろが!」
「申し訳ございません」
「お前じゃ話にならん!責任者出せー!」
上の者を出せ
接客業でこれ以上の恐怖の言葉は知らない
「お電話代わりました この度はご迷惑を・・」
「これ、どうしてくれんねや?」
「はい・・」
「わしはナゲットが食べたいんやー!」
「申し訳ございません すぐお持ち致します」
「はよ持ってこい!切るぞー」
「あ、お客様・・」
「何や?」
「ソースは甘い方と辛い方・・」
「どっちでもええわっ!」
「すみません・・あ、あと・・ご自宅は・・・」
「東京都のA川じゃ!ナビにそう入れて持ってこい!」
阿修羅と化したA川は怒りのままをぶつけた
ナゲットの入れ忘れ
2分間の保留
4日連続の猛暑
彼が怒りの頂点に達するのも無理はなかった
少し落ち着きを取り戻した35分後
インターホンの音が鳴った
「この度は、本当に申し訳ございませんでした」
まだ20代後半に見える青年は真摯に頭を下げた
そして大きめの袋をA川に渡した
こうゆうことには慣れていなかったのだろう
その若い店長は、たどたどしい言葉で謝罪を繰り返し
何度も何度も頭を下げてA川宅を後にした
慣れていなかったことで逆に気持ちがストレートに伝わった
A川は店長の頭を下げた姿を思い出しながら
電話口のアルバイトの女の子もまた、
身をかがめ頭を下げていたであろうと想像した
A川は全てを許した
この猛暑の中でも、彼にはまだ一片の慈悲の心が残っていたのだ
テリヤキバーガーとポテトで腹は膨れていた
しかし、せっかく持って来てくれたのだ
頂くことにしよう
袋を開けると5個入りナゲットが6つも入っていた
どれだけ入っているんだ
A川は少し困惑したが、
せめてもの誠意を示そうとした気持ちに笑みがこぼれた
袋の奥にやはり入っていた
甘い方と辛い方
バーベキューソースとマスタードソースが1つずつ
1つずつ・・計2つ
5個入りナゲット6つに対して
ソースが2つ
「アホかー わしはそんな甘ないぞー!」
A川は再度携帯を取り出した
あ、すみません
長くなりまして・・
こんなことがあったそうです
ちなみにこれは90%ノンフィクションです
あんな温厚そうなA川さんなのに・・
さっきもレッスンしたんです
そういえば・・・
フォアボレーの足元の守備がテーマやったのに
何球か足元にいかなかったな・・
まずい・・
そろそろ電話かかってくるかも・・
「フォアのローボレー持ってこんかーい!」って・・・
フォアのローボレーを自宅まで届けるのって難しいな・・・
打つボールの感じは甘い方でいいんやろか・・・
接客って難しいですね
では
午後のレッスンに備えまーす