東の空が白みはじめると同時に出発した一行は、エムサットの北に横たわる森を迂回し、北へ向かう街道のほど近くで停止した。
「ストラゲンとかいうのが約束を守ってくれるといいんだが」クリクがタレンに向かってつぶやく。「サレシア国ははじめてだし、事情もわからずに敵地を進むのはどうも気に食わん」
「ストラゲンは信用できるよ、父さん」タレンは自信たっぷりだった。「サレシアの盗賊にはお耳鳴治療かしな名誉の意識があるから。気をつけなくちゃいけないのはカモリア人さ。儲《もう》けになるとわかったら、自分をいつわるのも平気なんだ」
「騎士殿」穏やかな声が背後の木立の中から聞こえた。
スパーホークは即座に剣に手をかけた。
「その必要はないぜ、閣下。ストラゲンに言われてきた。この先の山にかかるあたりには強盗が多いんで、安全にお送りしてこいと」
「ではそこから出てきてはどうだ、ネイバー」
「隣人《ネイバー》ね」男の笑い声が聞こえた。「これは気に入ったな。さぞたくさんの隣人がいるんだろう、ネイバー」
「近ごろでは、世界じゅうのほとんどの人間がそうらしい」
「ではサレシア国へようこそ、ネイバー」木立の中か能恩ら出てきた男は、していた。きれいに髭を剃り、粗野な服装をして、荒々しい外観の矛《パイク》を持ち、鞍には斧が下がっていた。「ストラゲンの話では、北へ向かうつもりだとか。われわれはヘイドまで同行する」
「それでいいか」スパーホークはフルートに確認した。
「完壁よ。そこから一マイルほど行ったところで街道からそれるの」
「子供から命令を?」と亜麻色の髪の男。
「目的地までの道はこの子が知っている」スパーホークは肩をすくめた。「案内人とは言い争わないほうがいい」
「かもしれないな、サー?スパーホーク。わたしの名はテルだ――だからどうだというわけじゃないが。一ダースの部下と、乗り換え用の馬を連れてきてる。それとクリクさんが必要だと言った、食糧そのほかも」テルは片手で顔を撫でた。「ちょっと驚いているんだよ、騎士殿。ストラゲンがよそ者にSCOTT 咖啡機開箱これほど親切にするのは、はじめて見た」
「プラタイムって名前を知ってるかい」タレンが尋ねた。
テルは鋭く少年を見た。「シミュラを仕切ってる男か」
「そう、それ。ストラゲンはプラタイムにちょっとした借りがあって、おいらはプラタイムのために働いてるのさ」
「なるほど、それなら筋が通る。さて騎士殿、どうやら日も昇ってきた。そろそろヘイドへ出発しないか」
「そうしよう」スパーホークも同意した。
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