ATPツアーファイナル決勝、ジョコビッチ vs ナダル戦をゆっくり観てみました
二人が調子のいい状態であれば、全豪オープン決勝の時のように、壮絶なラリー戦&消耗戦になるのか?と思いきや、めちゃめちゃ展開が早い
でも、よく考えれば、予想されることでした。
2011年は、ジョコビッチがナダルに対して、クレーコートでも勝利し、7連勝、というとんでもない1年で、ジョコビッチは完全にナダル攻略法をつかんでいる状態でしたが、その7勝目の2012年の全豪決勝は、壮絶な接戦でした。
ナダルはジョコビッチに負けはしたものの、今までとは違い、はっきりと何かをつかんでいるという印象でした。それは、とにかく早く攻撃することで、ラリーの主導権を渡さない、という方法でした。
つまり、このところ、ナダルがジョコビッチに勝っている回数が増えてきていたのは、「早い攻撃」だったんですよね。
では、そのナダルに対して、ジョコビッチはどう戦うのか。もちろん、やはり「早い攻撃」で、主導権を渡さないということになりますよね。
まず、サーブで攻撃。相手のリターンが甘く返ってくれば、そのボールをすぐに攻撃。(なおにゃおが勝手に呼んでいる「3球攻撃」ですね^^)自分のリターンももちろん攻める。
誰でも、こういうプレイをしたのは当然なのですが、それをミスを少なく、攻撃し続けるのは、ものすごいことですよね。
先日のチャイナオープンでは、ジョコビッチはまさしくそういう試合展開をしていたので、今回のファイナル決勝も、お互いに同様の早い展開を目指すことは予想できたことでした なおにゃおをまだまだ読みが甘いです
試合では、いかに先に、ラリーの主導権を握るかを、よーいドンで、争っているかのようでした。
当然リターンから二人とも攻撃的。1本も、相手の様子を窺うようなボールはない。
そして、ベースラインに少しでも近いところで打とうと、陣取り合戦をしているよう・・・
ナダルのボールが伸びてきて、ベースライン際で大きく跳ねると、さすがのジョコビッチも食い込まれ、打点も合わなくなる。
一方、ジョコビッチのボールに威力が増してくると、ナダルはジョコビッチに左右に大きく振られ、ベースラインからどんどん後ろに下げられる。
お互いに、追い込まれた状況からも、一本の深い返球で、二人の攻守は入れ替わる。
一球も気の抜けたようなショットがないので、観ていて、かなりおもしろい
今回ジョコビッチがナダルに勝てたポイントは、
いつものように、ジョコビッチの最大の武器となる、リターンの良さ ナダルの素晴らしいプレイスメントのスライスサーブを、体のバランスを崩しそうになりながらも、なんとか返球できていた。いや、ただ返球しているのではなく、ナダルが最も嫌がる足元へコントロールしている。
ラファのダブルフォルトが出てしまったのは、やはりジョコビッチのリターン力を考えると、それだけセカンドでも攻めていた証拠でしょうね・・・ やや仕方ない部分もあるかな・・と思いました。
そして、もう一つは、ジョコビッチのネットプレイの多さ。今までは、ベースラインからショートアングルに決めることが多かったですが(というか、それもなかなかナダル相手では決まらないですが・・)、今回は、最後はネットプレイで決めるという展開が何度も見られた。
ナダルのパッシングは、とんでもなく強烈なので、気軽にネット出れば、当然のように、抜かれる。あのフェデラーですら、今までに何度ともなく、見るも無残なくらい、ストレートに、クロスに、と抜かれていた。
ところが、ジョコビッチは、自分のいいボールで優位に立った瞬間、すかさずネットにつき、少しスペースを空けて、その方向へナダルにパッシングを打たせるようにしていた。
あのナダルのパッシングをボレーで狙うなんて・・・驚きでした ジョコビッチは、新たな方向に、一歩進化したな、と感じました
試合の終盤、ジョコビッチに、チャンピオンシップポイントを握られ、そこからの巻き返しをすべく、超攻撃的になったナダルのプレイは、迫力もすごかった さすが、ラファ 本当にとんでもないプレイヤーです。
ジョコビッチとナダルの対戦、最高の対戦回数となりましたが、来年以降もまだまだたくさん観られることでしょう。
この二人の対戦、今後も目が離せません