水曜日
年に一回のローンコートの大会、いつも楽しみに出場していた。しかし肩を痛めて以来、この23年出場していない。利き腕左でのサービスは諦めて右腕でのサービスを練習中で、ランキングからいって厳しいかと思っていたが、とりあえず申し込んでいたら、ドローに名前があって嬉しかった。ファーストは上からセカンドはアンダーサービス、今のぼくはそれが精一杯。それがどこまで通用するか、試しておきたかった。
10時から試合開始、グラスコート佐賀テニスクラブには2時間余、8時半ごろに到着。早速オーダーボードを見に行くと、何とセンターコートに名前があって、またも嬉しかった。センターコートといっても少しの土手があるだけだが、独立しているので、隣のコートからボールが入ることがないのがメリットなのだ。
相手は東京の選手、名前は見たことがあったが思い出せなかった。ぼくとおなじ、バックの両手打ちが得意な少しへんそく選手だった。
ファースト63で取る。上からのサービスの確立悪く、アンダーサービスに相手はほんろうされていた。セカンドになるとアンダーサービスになれて、前づめされてこちらがほんろうされ始めた。44まで行ったが、相手の執念がまさり46で落していた。
相手の流れになっていた。上からのサービスがようやく入っても、相手の打ちごろになり、上からも下からもポイントを取るのは厳しくなっていた。トイレブレークを取り、道中考えた。左手のサービス、軽く素振りをすると痛みが遠のいているのに気が付いた。これで勝負してみよう。
ファイナルは10ポイントのスーパータイブレーク。ほんとうに久しぶりの左腕でのサービス。痛みがはしるかと心配したが、ゆるく打つ分には問題なかった。ぼくは久しぶりのサービスでポイントを取り、相手は戸惑ったのか、ないミスを続けていた。80となっていた。ぼくは勝利を確信した。81 82 92 93 103。作戦は成功して勝を拾っていた。