2018年 全仏オープン3回戦
R.ナダル 6-3 6-2 6-2 R.ガスケ
試合のハイライトはこちら
ガスケは個人的にとても応援している選手で、全仏オープンで勝たせてあげたい選手第1位です。
ガスケとナダルは同い年で共に10代から活躍していた選手ですが、ガスケの方が注目されるのは早かった気がします。しかし、気が付いてみればナダルは全てのグランドスラムタイトルを手中に収めた一方で、ガスケはグランドスラムではベスト4が最高と、二人の実力差は随分とついてしまいました。WOWOWの放送で知ったのですがガスケはナダルに15連敗しており、ここ10年の対戦ではセットを取ったことすらないのだそうです(10年間ナダルと戦えるポジションをキープしていること自体は素晴らしいですが)。
そんなガスケは、どんなプランならナダルを倒せるかのイメージがないまま試合に臨んでしまったような印象でした。ガスケは本来ベースラインから少し下がったポジションをとり、ボールを引き付けて打つのが得意な選手です。しかし、ナダルにはそれでまともに打ち合ってしまうと勝てないという思いがあったのか、ガスケはポジションをなるべく前にしようとしていたように思います。ただこれでポジショニングが中途半端になり、ガスケは却って自分のテニスのリズムを崩してしまったように見えました。
第1セット0-5になったところでガスケはポジションを本来の位置まで下げます。戦術的にそれが有効と判断したというより、対ナダル戦であること関係なく一度しっかり自分のテニスをしようということだったのだと思います。ここからの3ゲームはそれによってガスケのリズムが良くなり、下がってつなぐボールと前に行って叩くときとのメリハリがついて良い形でゲームが取れていたと思います。第1セットは落としてしまいましたが、ガスケにしてみれば無理してポジションを上げなくても、自分本来のテニスをすれば戦えるという自信を得たように思えました。
それだけに第2セットの第1ゲームでナダルがガスケのサーブをブレークしたことには大きな意味があったと思います。ガスケにしてみれば第1セット後半で得た自信をあっという間に打ち砕かれてしまうことになりました。結果的にこのゲーム以降の流れは完全にナダルが掌握していたと言っていいと思います。
それでも第3セット2ブレークダウンで迎えた自分のサービスゲームを、長いデュースの末にキープしたのは地元選手としての意地だったのだと思います。お客さんもそれをわかっていたのか、エンドチェンジの時にガスケを応援する長いウェーブをやっていましたね(でも、その次のゲームのサーブをナダルはラブゲームでキープしました。さすがです)。
ガスケの代名詞でもあるバックハンドの強打は不発だったというより、無理して打たされてミスになることが多かったように思います。ガスケの試合といえばバックハンドですから、これがあまり観られなかったのは残念でした。
この後の試合でモンフィスも負けてしまったので、男子シングルスで3回戦まで勝ち上がっていたフランスの選手(ガスケ、エルベール、プイユ、モンフィス、シモンの5人)は全員敗退となってしまいました。毎年のことながら、全仏はなかなかフランス勢が勝てません
↓人気のブログランキングに登録しています。よろしければクリックをお願いします。
プロテニスランキング