カテゴリー別アーカイブ: トレーニングオタク

筆者本人は苦手ですが…身体操作上トレーニングのネタは必須かと。レッスンでやった矯正法なども載せます

テニスの戦術をコート目線で考える

シングルス専門クラスも、ダブルス専門クラスも担当させていただいていますが、今のスクールにお世話になって、そういう勉強ができてきたことは本当に感謝しています。

 

なかには女子連で県の代表になったことのあるかたや、もと大学の体育会でインカレ直前くらいまで、なんていう経歴の生徒さんもいまして、当時は自分のほうがレベルが下なんじゃないか、いったいこういう人って何を求めてスクールに来てるんだろう、とかって悩みました。

私自身は練習好きで試合はあまり出ないで(生活のためもあります…)やってきたので、っそういった実績とかのある人に緊張します。

よくあるじゃないですか、初戦から第一シードとか、JOP持ってるとか。。。

けど、そういった皆さんは本当に謙虚で、こちらから感じたことを述べると、すごく深くうなづいて聞いてくれます。

とはいえ、こちらも毎日ボール打ってる生活で、ラリーで押されるなんてこともないし、ゲームも楽しめる。

試合に強い人はなんで強いのか?っていうことと、その真裏にある勝てない人はなんで勝てないのか?も同時によく考えるようになりました。

 

他人の試合を見ていると、アマチュアでもプロでも、「流れ」ってある。それは是が非でも得たいもの。

若いころの私はそんな「流れ」に期待してはイカン、と思っていました。不確実なものと思っていたんですね。

 

だけど、「流れ」は勝手にやってくるものじゃなくて、まさにコート上を流れてやってくるんだけど、しっかり捕まえて乗れなければおいしいシーンはやってこない。

乗るためには、能動的にプレーすることが必要です。

 

まず、相手のショットが取れるようにしなければならない。

それにはポジションが必要です。ボールの見え方が違う。相手のショットはコースがいいとか威力がすごいとかってことを評価しないほうがいい。今いる場所から走って間に合うような位置にいるかどうか。

間に合いそうでこちらからある程度コントロールできそうなボールは、視野の中の斜め前までに見えているはずです。自分から打点に入れるようにするように見える位置を探しましょう。

間に合わない、または後ろに走らされるようなボールは時間的に追い込まれていきます。相手が優位に立つかもしれません。今いる場所から八方に走る準備をするわけですが、グイっと攻めるわけじゃなければ、想定の一歩後ろにいるようにします。それで視野が広くなる。

相手の位置を見る

遠い相手には、攻撃は通用しません。また、自分がコート内に入り込んでいるときは、相手が下がっていても均等かそれ以上に攻められている状態。

攻める、の定義は「その次のショットもさらなる攻めかトドメのショットが打てるようにすること」です。速い球をコーナーに打つことじゃない。それをロブで返されてワンバウンド待って落ちてきたところから速い球を打っても、相手はしっかり態勢を整えてもう一本取れるはずです。そう思うと無理なショットを打って自滅しかねない。

速い球をコーナーに打ったら、いかにも相手がロブで逃げてくるようだったら、スマッシュしに行ければ、それは攻撃のきっかけとしてコーナーのショットが活きたことになります。それくらい違う。

そういうトライを、ポイントのかかったシーンなどで積極的に試せるようにしていくうちにメンタルも強くなるし、そのスマッシュを”コートに入れて”決められればいいわけです。

ただ思い切りスイングするだけ、っていうのが勝てない人の自滅パターン。そして結局ロブにはスマッシュという選択を外して相手が楽になります。

 

失敗したら、へたくそなんだから練習しなきゃ、でいいんです。そのポイントはもったいないことをしましたけど、そこまで作戦を手際よく遂行できているなら、あとはスマッシュに自信をつけられるような練習ができているかどうかがカギなわけですよね。

へたくそだからもうやらない、では上達しない。

 

そういうことができるようになるには、相手を動かさないといけなくなってきます。相手のショットを返球するのに、ポジションが良くて対応が楽になり、ゆとりが出ればコントロールにも自信がつく、っていうこと。

相手を動かすときには、その場所から相手が返してくるとしたら、こうなんじゃないかな?っていうイメージがわくようになってくると思います。それは予測として利用できるもの。「クロスに深くいったら相手もクロス」みたいな知識に凝り固まるのではなくて、打つ瞬間まで相手のことを見極めるつもりでイメージしましょう。そのために、相手を動かす。

スイングっていうのはある意味物理ですから、その形から始まったらゴールはこうでしょ、みたいなものがある。打ち方に癖のある相手だったら余計に読みやすい。

 

 
動かしていくうちに、相手の苦手が発見できるようになったらしめたもの。
ダブルスだったら、弱い方のひと、カバーや連携の穴、前に詰めたプレッシャーへの対応などで見ていけばいい。
シングルスだったら、速い球や遅い球を混ぜることとか、低いバウンドの後の高いバウンドなどでリズムを狂わせてみたり、執拗に同じところに返球していってしつこく返してくるか、先に展開しようとしてくるかとかを見ればいいです。「あなたのショットならミスなく返せます」という無言の圧力がどれだけ相手を苦しめるか。自分に置き換えても嫌ですよね。

そのうえで、自分の武器を発揮できるならそれがベターでしょう。例えばフォアのクロスが得意ショットなら、
相手をフォアに遠く振っておいて、ストレートに流せば決まるのを余裕で決めておき、大事なシーンではそのパターンの逆にもう一度クロスへ、すこし前に踏み込んでタイミング早く詰めて打つ。とか。

攻めるときにはリスクがついて回りますが、そのショットを入れておかないとらちが明かないならそのリスクはとらないといけない。

リスクがあるから、ミスも覚悟、って言っておいて玉砕するような人はテニスが上手くても頭は悪い。
リスクがあるのを理解しているから、そのショットをそこへ入れることが相手にとっても自分にとっても重要なシーンを作り出すことになるので、最大限の注意を払ってできるだけ強くねじ込むべきです。それもそういう訓練をしておかないと。

負ける試合でも、きちんとそうやって戦うべきです。勝たせてくれるのは相手じゃない。勇気とか、思い切りといった決断すべきシーンで正しい決断ができる訓練をすることなんです。

点を取られない試合もないわけですが、取られたら取り返せばいい。そうやっているうちに重要なポイントではきちんと相手と自分にイメージを置いて勝てるビジョンを持てるようにしないと。。。

カテゴリー: トレーニングオタク, 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 10:43 | コメントをどうぞ

ラリーを元に戻せる能力

「ニュートラル」なラリー、って聞いたことありますでしょうか?

ジュニアを育てているアカデミーとかではまずこれが出来るように、と取り組んでいる所もあると聞いたことがあったのですが、当初どういうことか、具体的には分かりませんでした。

なんとなく意味は分かりそうですよね。

ニュートラル=Neutral=中立、中間、中性とかっていう意味で、どちらにも偏っていないことを指しています。

車のギアを思い浮かべれば、調べなくてもニュアンスはそんな感じでしたね。

テニスのラリーでいえば、攻めても守ってもいないラリー。。。これが一番具体的でない感じがします。

なので、状況を変えて、ポイントを争っていない時で考えてみました。

普通にレベルが同じくらいのラリーが出来ている状態ですが、それで何十球もつづくことはなかなかないですね。どちらかの当たりがくるって、

「アッごめん!」っていうボールが必ずどこかにあります。思ったよりも相手から遠くへ行っちゃったり、打ちづらそうなショットにしちゃったとき。

それを、オッケー大丈夫!って普通のショットで返してくれると、ありがとうって思いますよね。

ラリーが壊れちゃうのは、やっぱりちょっと嫌なものです。

※                         ※

これを逆の目線で見てみましょう。相手側ってことです。

相手が打った瞬間「アッごめん!」ていうショットに、平然と打点を合わせてきれいな弾道のショットで元に戻してあげる感じです。

きっと追いつくのも早く、打点の設定もあっという間に出来て、その状況で自分のショットは狂わされなかったという事ですね。

リズムの狂う状況で、動き方を素早く対応出来るっていう事は、レベルがそのラリーよりも高い、ってことになります。

普通だと、想定外のショットという事になるので、対応が遅れて、自分のショットも崩れてしまい、元に戻せないままどちらかが2~3球のうちにラリーを終わらせることになってしまいます。それがラリーを壊してしまうってことですね。

※                        ※

そういえば、テニスコーチを始めていて、この「壊れそうなラリーの修復能力」を高くしよう、と心がけていた時期がありました。どんなショットが来ても、相手のフォアハンドの打ちやすい所に同じようなリズムのボールを届ける様に、みたいな取り組みです。

3球続けられると、自分でも「おお」って思えるくらい難しかったのをよく覚えています。フォアで打っても、バックで打っても、弾道とリズムをそろえて相手に返すのって、連続でやるのはかなり難しい。

相手のショットのいかんにかかわらず自分のショットとして合わせられるようになってから、ゲーム形式のデモンストレーションでは自分の言った状況を自力で作り出せるようになりました。当然、実際のゲームにでもかなり活きるようになってきた。

相手が強いときのプレッシャーは、その「自分のボール」を打たせてもらえないとか、自分のボールにしようとした瞬間を読まれて攻め込まれます。そういう圧に負けて自分がミスをすることもわかってきました。

でも自分のショットに出来るってことは、相手の思惑の逆も考えられるようになってきて、それができるようになってきてからはゲームのことを考えてポイント勝負ができるようになり、上達を感じられるようになったとも思います。

それが、練習でやるなら、ここまでいろんなエピソードで紹介してきた「元に戻すショット」を使う事で「ニュートラル」なショットになるんじゃないかと思う様になりました。

しっかり打たなければ、「弱気」なショットを送ることになります。

しっかりを「強めに」とだけ考えるとミスのリスクが上がります。

良い当たりを確実に、とやることでどこにもスキのない、手ごたえの良いショットが生まれます。

ショットのスピードも自分の動くリズムに即していると思いますし、相手がそれに乗ってくれれば自分の動きやすいリズムで返球されてきます。

試合でいえば、まさに主導権を握っている時と同じ状況。ただ試合だと、あいてが主導権を奪いに来るので思う様にならないことと戦わなければならないですから、まずは圧倒しにかからないといけない分プレッシャーが強くかかります。

それが「自分の方が強いぞ」という無言のアピールになると思いますし、それを平然と返球してリズムを作ることが出来れば「これしきでは何ともならんぞ」と逆に相手にプレッシャーをかけることが出来るわけです。

攻めようと思い過ぎてミスをすることもありますし

守らなきゃと思っても守り切れないシーンだってたくさんあります。

だからこその、ニュートラルかなと。

 

カテゴリー: トレーニングオタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 10:33 | コメントをどうぞ

直立の姿勢からテニス用の立ち方まで

フットワークの為の要素を書き出していこうと思います。

ただ真っ直ぐ、ぬっと立っていても、鋭いスタートってできないものです。野球の内野手とか、バレーボールの守備の反応とか、バスケットボールのディフェンスの動き方とか、スポーツによって似通っているけど専門的な要素もあります。

今回はテニス用の立ち方、レディポジションになるところまでを組み立てていくように考えてみたいと思います。

直立、つまり、気を付けですね。ここで独自の姿勢がある人っていないと思いますから、これを基本にしてみましょう。

直立が両足を揃えて立つことだとしたら、まずは足を肩幅に開きます。

足を軽く開いて立ったら、

今度は両腕をブランと下げるのに、背中を丸めてみましょう。お腹のあたりが凹んで、ちょっと礼をしたような感じだと思ってください。

そこで左右交互に体重移動。重心の移動に合わせて、両腕はブランブランと振り子運動をするようにして下さい。腕がお腹にこすれない程度に上体を前傾させます。

足の上に頭がない(ここでは前傾のせいで)と、バランスが悪くてつま先側にすごく荷重しているのがわかると思います。

このまま膝まで曲げると(まっすぐに縮んでいくと)、転びます(笑)。

ただし、膝を前に出すようにすると、腰をかがめたような格好でも上体がやや立ち上がり、頭と膝とつま先を結ぶ線が真っ直ぐになるくらいにすると、今度はぐっと足に力が入りやすくなって、走り始めるときにリラックスしながらも鋭いスタートが切れるようになります。

左右交互に体重移動すると、直立では体に腕が当たったと思いますが、こうやって作っていくとお腹が凹んで、腕は振り子運動をしても身体に当たらないでいいようになります。肩から膝までの空間に腕があるってことですね。

そのままブランブランでもよさそうですが、両腕をオペラ歌手のようにみぞおちの前で結んでみましょう。

そしてもう一度、左右交互に体重移動。

両腕の長さが短くなった(みぞおちの前で結んでいるから)ために、振幅が短くなっただけで、交互の体重移動はより素早くできるようになります。

その姿勢のまま、右へスタート!

ってやると、右ひじが斜め上に上がろうとするのがわかると思います。これ、ラケットを持っていたら、肩を入れながらスタートの一歩目をすることになります。

左にも同様。

肘から上腕を引き上げるようにすることも、スタートを鋭くする要素になります。重心の位置を膝の上にしながら、上半身のバランスを保とうとするのに、腕を前に垂らしたような感じにすると良いようです。

足を開いて立つ(肩幅に)=足幅を分ける(Sprit)するので、スタート前にこの形で準備するのと、フォアかバックかの反応には足がスタートするように形を作れるようにするといいと思います。

それで、スプリット・ステップ(反応しようとしないでいると、ただのスタンス(足幅)ですが)ですね。

レディポジション

 

こんくらいが、相手のインパクト直前だと思います。

カテゴリー: トレーニングオタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 15:17 | コメントをどうぞ

試合中のメンタルというめんどくさいもの

メンタル、ってただの負荷でしかない。

ゲーム中にはそう思う事がしばしば。正確には、試合中には思っていません。だけど、試合中には緊張したり、不安になったりする自分から逃げ出したいと思いながら、頑張って向き合っているという状況になることが多いものです。

サーブ入るかなぁ、から、リターンミスしないようにできるかなぁ、とか、ショット打ったら打ったで、「このまま返球しないでくれー」って、相手のミスか、自分のエースを願ってしまうものです。

だけど、現実、期待通りにいかないものだし、その期待って普段の自分の期待以上(実力以上)のものを期待している・・・ねらって打てるエースになるボールとか、センターオンラインのサーブとか、練習の時ですらたまたましか入らないのに、試合の時になってやっぱり「期待して」狙ったりするものです。

ワンセットに一回くらいは入っちゃったりするものだから、またやってみる価値があるなんて思っちゃいますね。

でも入らなかったら・・・って、不安な気持ちは、正直、みんなあるはずです。ちゃんと試合慣れしている人は、そこでセカンドサーブを使った戦略っていう準備がある。

一方では、そのとっときのスーパーサーブで点を取るイメージまでしか持っていなくて、弱々しい入れるだけのサーブでセカンドを打って、策もないままラッキーで点を取ったり、取られたりします。だから試合の「勝ち方」が分からない。わからないけど、勝てる人がいるから方法があるんだろうと思うから、知りたい。

身体を使って、ボールコントロールをしながらゲームを組み立てていくのに、知識があってもそこが出来なければ、教わった事を実行できないものですね。師匠を越えることのできない弟子?みたいな?

 

 

 

 

たとえば、良くあるケースなんですが、レッスンでの1ゲームマッチで、サーバーが調子よく30-0にする。

それが、30-30になると、そのゲームを落とす傾向が強くなります。

ちゃんとしたデータがあるわけじゃないですけど、印象としては7割くらい、30-0が30-30のあとは、30-40・そのままブレイクっていう簡単に終わっちゃうゲームになります。

もちろん、ワタシ自身もやらかしたことのある、非常におおいパターン。

顕著な例を挙げてみれば、まず、30-0までは、サーブの調子が良くて、ラリーがすごく短い。リターンミスとか、その次のターンで終わる。

要するに、実力はまだでない状態で、2ポイントとってしまったんですね。

そのあと、リターンが入るとか、リターンがまともな当たりになるとかで、サーバー側の3本目(リターンされたショットを返すこと)が甘くなったり、意思のない返球になったりします。

意志の無い、っていう状況がまずい。逆に、意思のあるショットっていうのは、更に攻撃的に展開したり、またはその次で相手が攻めてこないように深く打ったり、ペースを作りに行くようなことができる事です。そこをただ安全な状況・・・自分がミスをしないように下がってテンポを遅らせたり、マージンをたっぷりとってミスだけをしないように打っているようだと、次に相手が踏み込んで来て攻めてくる可能性が増えますね。

相手は最初の2本で、あなたのサーブにやられていますから、リターンに集中を上げ、サーブに対するイメージを豊かにして対応してきます。そしてすでにあなたは球筋を見せてしまっているわけですね。

そうやって弱気になりやすい状況で迎えた30-30では、一本手堅くポイントが欲しいあなた(サーブ)と、2本とってより挑戦する意欲に燃えている相手(リターン)では、心理的にチャンスを逃さずに打ってこれるのは、リターンの方になります。

 

机上の空論かもしれませんが、得てしてこういうことが、コート上で起こるわけですね。

いつも必ずそうってわけじゃないと思いますし、ワタシ自身、そのコートで感じられる緊張感とリアルに戦いますから、その時その時で考えることも作戦も変わりますが、もともと知っとかなきゃいけないメンタルの動きは、そんなに複雑じゃないです。

ただ、人間必ず強気の裏側に弱気も同居しているものだし、その不安に打ち勝つ要素を日々の練習から得ていなければなりません。

 

30-15では、一本勝っていますから、より強気で攻めていきたいものです。だって勝てそうな状況でしょ?

だけど、根拠のない攻め(ミスるかもしれないのにライン際にエースを奪いに行くような攻め)をして、30-30になった際の心理状況は、ということは、この30-15の状況でいちどシミュレーションしておきましょう。

そうすると、30-15は、どうしても40-15にしておかなきゃいけない。という事は、意図的に、絶対に落とさずにポイントを取る方法を考えなければいけないですね。ノリで、という人も性格上いるかもしれませんが、強気が功を奏するものだから否定はしませんが、30-30と40-15は全然違う状況だという事は、いちど考えておくべきです。

漠然とメンタルが、っていうことを気にしている人は、ポイントごとに、次のポイントを取ったらどうか、または、取られたらどうか、っていうその二面性に目を向けましょう。

それで、これをとったらデカい!というポイントだってことが解ったら、どうにかして相手から確実に一本取る作戦を立てましょう。

ポイントを取られてしまったり、先にリードされている状況だとしても、まだ負けたわけじゃないので、出来るところから確実に行きたいけど、相手のミスを期待するとしたら、フォアを打たせた方がいいのか、バックを狙った方がいいのか?またはそれをするのに、じぶんが無理をすることになりはしまいか?という事を短時間の内にササッと決めちゃいましょう。

 

コツがあるとしたら、迷わないこと。

 

迷うくらいなら、出来る方、成功率の高い方にパッと決めちゃって、きちっとやりきる方が結果は良くなります。もしまたポイントを取られたとしても、できる事をやっての失点なら、納得もしやすい。

迷った挙句に中途半端なプレーをして、もしポイントを失ったら、きっと後悔します。ミスしないことは、試合に勝つことではありません。ミスしないことは、相手に打たせることなんです。

ミスしないってことを出来る人は、相手の次のショットも取る自信がある、という事を指します。そうでなければ、その次か、あるいはラリーの最後は自分のミスになることが多いものです。

プレーのルーティンワークを守るとか、サーブの前にボールを何回突くとか、そういう儀式は、「身体が覚えたことをいつも通りできているぞ」という安心感のある動作になります。

ガットの目直しをする、というのは、視線を散らしてしまうのは、集中力が散漫になっている時の動きなので、そういうルーティンを入れておくことで、次のポイントをイメージするのに、きちんと集中をもたらしてくれる、視線を固定する、という事の為にあります。

そういうのは、メンタルを保つために行う技術であって、心理的に強気になるためのものではありません。

その試合に勝ちたいのであれば、きちんとコートとボール、相手と自分に向き合って、毎ポイント自分なりにファイトするイメージを持つことです。

 

 

カテゴリー: トレーニングオタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:39 | コメントをどうぞ

「筋肉動作」と「骨格動作」

これですけどね…タイトルがカッコいい感じに書いてみたんですけど、ワタシ自身がこの言葉の解釈を正しくできているかどうかがはっきりしない部分がありまして、専門家の方が見たら他の言いかたがあるかもしれないので、もしか良かったらコメントください!

ラケットの引き方、っていうのを最後にいったん一通りの動作を細かすぎるところへ注目して書いてみたんですが、手首をつかう、みたいな前回の書き方も誤解の多いところかと思います。

手首は積極的に、あるいは意図的に動かしてテクニックにしようと思うとうまくいかないものです。全体のスイングを強力にしたり、急激に加速したりするときにラケットの重さや長さを支えきれなくて動くようになります。

だからそれは、動作によって生まれる動きであって、手首の動かし方を意識するとか、手首の筋力でラケットを扱うようなことがあると、意識はラケットワークまでで止まってしまって、ボールコントロールにはならないケースが多くなり、不安定な技術までしかできません。要するに、たまにできるけどたまに失敗する。⇒信用できない技術にしかならないってことです。

大事な場面で助けてくれるのが、信用のできる技術であって、それって訓練されている動きだから「考えなくても先に体が動く」まで使い込んでいる技術⇒プレッシャーが強くないとかなら、ほぼミスをしないで済む確実な技術です。

 

 

そこで、動作には一連の動きを全体的に調和をとって美しく終わるようにしたいということになります。

適切な打点でのスイングというのは、そのまま自然とフィニッシュまで連れて行ってくれるもので、例えば無理に振り切るような動きをしないと形にならないのは、打点の位置がスイングの自然な位置にないからです。

 

で、運動経験が豊富な方なら自然とできてしまうような動きを、そうでない人はちょっと苦労するとか、ぎくしゃくした動きでまるで自分の身体じゃないような動き方をすることになるんです。

 

 

スタートの一歩目がシャープに出ない人は、筋力があっても踏ん張り方がわからない、要するに骨で支える部分とくに関節の力の入る形になじみがない。

馴染み・と書いたのは他に言いようがないからで、やらせてみればできる動きを、テニスの動きでできない…みたいな感じなんです。

以前に生徒さんにやらせてみた一例を。

ボールが半分くらい入ったカゴを片手で持って、腕の力で上げ下げする。または、両手で持って身体を動かさずに上げ下げする。

それを、できるだけ速く動かす。

次に、同じ動作、これは両手でやった方がわかりやすいのですが、膝と腰をリズミカルに使ってやるようにします。

といってできない人は本当にアンバランスな動きをするものなんですが、イメージは、小さなエンジンの付いた草刈機みたいなやつの、紐を引っ張るとエンジンが始動する、っていうやつありますよね。地面において、その紐を勢いよく引っ張るときって腕だけだと引っ張れる長さが足りなくて、ひざを曲げて腰を引くようにして一気に引っ張る。

そのときの、勢いをつけるような形と腕の動きが連動します。

右、左、と交互に素早くやるのは、脚にリズムがあって、脚の筋力はかごのボールの重さをものともしないはずですから、腕だけの時よりもはるかに速いテンポで動かせます。

そして、腕がつかれない。

まっすぐ立っているときに、骨を支える筋肉がないとまっすぐも立てないものですが、そもそも骨がしっかりしていないと立っていることすら疲れます。

骨で体重を支え、ふらつきを筋力で補い、ということなんだと思います。

骨を動かす=ほとんどの場合は骨盤を通る動きに関連があると思います。

膝を動かすようにして太ももが動くと、骨盤の動きができます。その上の肩まで動きは影響します。自然に、ですから決まった形では決まった形にしかならないのは、骨の動きに約束があるからです。

 

ラケットを引く動作も、前々回のブログで書いたように肩と腰のひねりこみが必要になってくるわけですが、それも動きの中で自然に発生させるようにしたい。

とくにジュニアを教えるコーチが足を動かせ、と頻繁に言う、コーチによっては打ち方はあまり教えないけど毎回足の事だけはうるさいようなコーチもいます。

脚の動きを育てると、打ち方は決まってくるものです。踏ん張れば力が入る、ということを体験的に知ることが出来るからです。

リズムをとることは、ほとんどの場合膝の動きです。無意識でも、ひざは動作の中では車でいうサスペンションの役目をする器官ですから、体重を支えるのにバランスをとって衝撃を吸収してくれたり、次の動きへ方向変換したりするのに役立ちます。

一般クラスの人たちが打ち方に興味があって、脚を動かせと言われるのに変な顔になるのは、打った瞬間にわかるミスが、腕の動きが悪かったからだとじぶんで早合点してしまうからです。なぜなら、ちょうどよく腕がつかえた時には足を使った記憶がなくても納得のいくショットが打て、そうでないときにはラケット面からくる衝撃が自分の手には失敗したと打った瞬間にわかるからで、脚の動きが関連しているとは思えないからでしょう。

しかし、全体の動作の調和によって適切なリズムがある場合には、そこに立っているだけでもちょうどよい打点だったかもしれないし、そうでなかった時には自分が「合わせる」動作をせずに打点を迎えたせいでインパクトの違和感が出ているとは思っていないわけです。

最初の動きは、ゼロからのスタートでエネルギーが必要になる瞬間です。相手が打った瞬間にシャープな動きで初動が迎えられるなら守備範囲もひろく、ゆとりをもって打球出来る分、失敗は減らせるようになると思います。

 

カテゴリー: トレーニングオタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:19 | コメントをどうぞ

武器を持たずには戦えないでしょ

試合に出て、勝てるようになりたい!

そりゃあ、テニスやって、どのくらい上手くなったか知るには試合をしてみるのが一番の方法ですし、同時に練習というプレッシャーの軽いプレーと、試合中という極端にミスを恐れるプレッシャーの状況とを知るには、これしかないです。

で、試合に出ると、みな一様に思うのは

「上手くなって、勝てるようになりたい!」ということでしょう。

そう思わない人は、きっと自発的には試合に出ていなかったんでしょうし、モチベーションそのものに問題がある。

さてそこでですが、自分の試合も含めて(日曜日試合だったんですが、初戦負け…)どうやって試合に勝つのか、と。

試合、とかくよりも、言い方を変えれば「戦い」にいって「勝つ」ということです。

戦うには、武器が必要です。防具も。

剣道の試合に出て、竹刀も防具もなかったら、病院送りになりそうな気がしますよね!

自分が空手や体術の達人だったら、その体や術が武器であり防具でもありますから、竹刀も身につける面や胴なども必要ないかもしれませんが。。。

テニスの試合を、こないだ見たんです。市民大会。

どうやって勝ってるんだろう、って見てたんですが、こりゃあこっちが勝つねと思って見ているペアさんたちは、ちゃんと攻めているし、相手が攻めてきてもきっちり次の攻撃をさせないか、さらに守りを厚くするかします。攻めるときも、軽いジャブくらいでは油断せず、間断なく攻め、スキを見せない。

でも、そんなことができるペアはすごく目立ちます。

大概のペアは、たまたま勝って、たまたま負けているように見えます。

いやいや、皆さん真剣にプレーされていますよ!よく考えて、ペアで話してプレーをしている風景を目にします。

けど外から見ていると、ミスを怖がるのかチャンスをきちんとものにできない。

ロブを上げて相手が間に合いそうなのにポジションも変えずに立ち尽くしている。

構えの格好はしていますけど、スマッシュとるのにそこじゃ間に合わなくないですか?要するに、防具は正しく装着されていませんよ!ってことです。

それで、何の練習をしてきたんだ、ってことになりますよね。

一生懸命練習をして、コーチの言うことを聞いて、立ち位置やら配球のテクニックを学んできたんじゃないでしょうか?

それは、こういう状況ではこんなパターンになることが多いですよ、っていうシチュエーションを作ってのモデルケースを紹介したにすぎない。実際の動きは、現場でその時になってみないとわからないものですから、その時に想定内の動きとしてできるようにしておきたいから練習しているわけです。

今やった動きが試合で出ますよ(学校で、ここの部分試験に出るよ)、だから覚えておいてね!

っていうような気分で聞いているから、そのことだけを記憶しておこうとするのが間違いなんですよね。

ここではこんな引っ掛け問題が出るから、答えの出し方はここんとこ気をつけながら解くように!っていう対策ならいいと思いますけど。。。(違うか)

自分の武器が何で、どうやってそれを使えるようにしたらいいか考えないと、接近戦(刀での斬り合いだとしたら)なのに自分の武器が長い槍だったら、相手が近くにいちゃあ使えません。

槍の達人だって、6畳間に入れられたら剣の達人にはどうやっても勝ち方が見つけられなくないですか?振り回すと壁か柱に邪魔されて攻めも守りもできない。

じゃあこの柄を折るか、って発想でもなければ間合いが変えられません。

そうじゃなければしのぎつつ庭に出て、広くなった瞬間槍が役に立つ。

じぶんの武器を変化させることも、じぶんの武器を振るいやすい場にもちこむのも、試合のテクニックです。それこそが自分の武器であり、強み。

急に槍を剣に持ち替えても、じぶんは槍の専門だから戦えない、じゃあ最初っから試合が決まったようなもんです。

習ってきたことしかできない、じゃあ工夫のある人たちとは差が出てしまいます。

まして、自分の武器が何であるかわかっていない人では、戦いにすらならないでしょう。

「あの人、試合で当たったことある」を自分で思い出せる人は、戦った相手です。

けど、強い人って、自分と当たったことを覚えてくれてないことありませんか?

それ、相手にならなかったんです。

試合はしたけど、戦いにならなかったから、その人はその戦場を歩いて通り過ぎたとしか思っていないから、風景の一つでしかなく、記憶には残らなかったんです。

悲しいですよね。一生懸命練習してきて、その扱い。

まだ足りないのか、って思う人はきっと強くなります。

武器を見つけて、磨いて、強くなります。

自分のことばかりじゃなくて、相手を知り(武器は何か、得意な戦い方はどうか、どうやって守れば負けないか)、自分の場はどこかを探して、強くなります。

立ち位置や、配球を教わりたい人は、手っ取り早く達人が今どうやって勝ったかを教わりたいだけで、自分が強くなったような気分に浸りたいか、それを知ったら達人のようになれると勘違いしているんです。

達人がそれを作り上げるのにどれだけ修練を積み、練り上げる時間を使ったか。

そこを見ずに憧れても、届きませんね。

上手い人も上手くなる人もいますし、苦労せずになることだってありますが、強くなるには自分で創意工夫する必要があります。

その苦労は、楽しいんですよ。出来てきますから。自分のことがわかってきますから。自分のことが好きになる。

だから練習が楽しくなるんです。

 

カテゴリー: トレーニングオタク, 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 07:40 | コメントをどうぞ