日別アーカイブ: 2016年3月15日

大事な場面でミスをする

キンチョーするんですよね・・・

それで、ミスをする。

年末にでた、千葉県選手権を、動画に撮ってもらっていたんです。(試合は負けたんです)でそれを見返していると、セットを通じて同じくらいミスをしているんですが、ワタシがしているミスって、割と大きなポイントでやらかしているものが多いんですね。

このチャンスをあっさり決めて、ノリたいところの、超簡単なネット前のボレーをなぜかネット。

それも、ペアの藤井クンが作ってくれた、完璧なチャンス。

その後も1-4から追いついて、4-4のペアのサービスゲーム。

自分のポーチがアウト。

ペアのボールがチャンスになり、相手の打ち込んでくるコースにいたワタシが受けミス。

作戦でポーチに出たところをストレートに抜かれ、0-40。

試合の序盤と、もっとも勝負のかかった場面で、ワタシがゲームを壊しました。。。

ホントにゴメン。

もうね、ホントに、闇の世界の悪霊がとりついたんじゃないかってくらい、絶妙なタイミングでミスをする。

え?そこで?っていうミス。

しかも、なんで自分だけ?みたいな感じしますよね。

 

でまあ、自分を例に出してはみたんですけど、誰でもそういう経験してるんじゃないですかね。

それで、勝った試合の後は、あんまりそういうイヤな思い出はなかったりします。ミスはしていたかもしれないけど、重要なシーンじゃなかったか、そういうところを乗り切っていいイメージのゲームができたからなんじゃないでしょうか。

さて、ミスらせるのは、プレッシャーです。

目に見えないものに原因を作るのは、好きじゃない(ワタシもそうですし、そういう人も多いと思います)。

ですが、心理的な要因で動きが固くなったり、ほんのちょっとの狂いが出ることもあるのは事実。

で、あるものは仕方がないので、それとどうやって向き合って、克服するか。

今は年を取って、「ナガキコーチはメンタルが強い」なんて言われることもあるんですが、それって普段と変わらないくらいユルっとした動きなのと、基本的なミスが少ない(ように見える)ことからなんだと思いますが、もともとは不思議なくらい緊張するタイプ。

試合前から手のひらは汗びっしょりだし、トイレ近くなるし、ずっとドキドキしてる。

テニスの試合で緊張する(特に初戦)では、ワタシの対処法は、やたらめったら走る。

心拍を上げて、ドキドキしてるのかゼイゼイしているのかわからないうちにゲームに入れるようになって、しかもそのころには体がよく動くようになっている。

うまくスイッチが入れば、普段の練習のように気持ちよくショットが出て、相手もよく見えて守備もうまくいく。

こんな、自然とできる方法を自分で見つけた時はしめたとおもいました(笑)。

しかし、コーチとしてはみんなにそのプレッシャーがあることを知ってもらって、自分のパフォーマンスに不安があること、狙った通りに打てると思ったショットにも精度の問題が常にあることなどを説明するうえで、心理的なものは話すようにしています。

自分の練習で思いついてやっていたのは、3ポイント連続でとるまでやる、という試合。

2連続は相手の緊張もあるので、偶然でも簡単にできるものですが、たった1ポイント違うとその確率はぐっと落ちます。4ポイントになると、意図的にやり切るのはホントに大変です。

1ポイント目、2ポイント目と、挑戦者の心持ちで強気にポイントしたとしても、あと1ポイントを絶対確実に、と思うと1stサーブが入らなくて急にラリーが弱気になったり、思い切ったショットも大きくアウトしたり、不用意に挑戦的なショットが返ってきて甘くなり、そこをつけこまれて逆襲されたり、などなにしろ取れないときは強気でも弱気でもうまくいかない。

 

さてテーマはここにあります。

強気と弱気のあいだでゆらゆらしたものがあって、それをどうしていいかわからずに不安定でどこに力を入れればいいのか、あるいは抜けばいいのかわからなくなる。

メンタルは、だれもきっと強くないし、弱くない。差があるとしても、たぶんちょっとの差。

あるいは、メンタルが弱くて、と悩んでいる人はこのことに気づいていてどうしていいかわからないと思っているだけで、悩んでいない人は気づいていないで飄々としているか、自分のことがあんまり好きじゃないとかっていう人。

そうじゃなければ、納得のいくトレーニングを積んでいて自分のパフォーマンスに自信があるか、本当の天才か?

プラス思考かマイナス思考かは関連があると思います。

ミスに落ち込みながら、自分をどんどん落としていく人は、まあ勝てるようにはならないでしょう。

だけどある意味マイナス思考でも、自分の最低なプレーをイメージしてみて、相手とアップで打ち合ってみて、そうでもないとか、試合の序盤をそれよりもいい感じで入ったら、落ち着いたゲーム運びができて勝てたりする。(←ワタシがこのタイプ…うまく乗れなくて負けることもありますが)

プラス思考でも、ミスしてもお構いなしにパカパカ打って自滅してたら、ただのバカなんでしょうし、自分をうまく持ち上げる要素を見つけていい方向へもっていこうとできるのなら、自分の性格を知ったうえで強くもなれると思います。

自分に自信のあるナニカを、武器として持っているのならそれだけでもメンタルを支える太い柱になります。サーブでも、フォアハンドでも、どんな球でもあきらめずに走れる足でもいい。自分の武器を知っていることは強くなれる条件。

ただ、たくさんのプレーヤーの中で、人より抜きん出た武器をはっきり持てている人というのもそんなに多くないのかもしれません。

そこで、自分にできることを丹念にやってみるとか、相手の戦力分析をしてみるとか、そういうことに頭を使うことで心理的に自分と相手が同じだとか、自分の方が先読みしているとか、優位にいるように気持ちを保つようにすることもあります。

自分はよく試合の時の自分がどうなってしまうか知っている、として、同じくらいのレベルだけど、自分の方が相手のちょっとだけ先に行く方法を考えよう、みたいなことです。

相手はフォアハンドが得意らしいけどそれでも自分も返せないわけじゃない。しっかり打ってもきっちり入るようにクロスに強く、あまり厳しくないコースでラリーして、たまたまいい球になっちゃったり、戻ろうとした相手の逆を突いたとかで一瞬でもスキがみえたらバックを狙ってみようとかを想定します。

相手のテニスと自分のミスが出ない範囲の計算ができるなら、あとは必死にしっかりつなぎながらチャンスを待つ。何しろ相手も自分に勝ちたくて必死でしょうから、最大限に油断なく戦って、何ポイントか、あるいはしのいだら大きいようなポイントでゲームの要所を締め、相手を心理的に追い込んだり、心をポキッと折っちゃったりしたいと思うわけです。

試合をしているときに、自分の都合しか考えていないと、メンタルがどうとか言っても自分で打破できるようなものなら今頃はそれ専用の教本とかトレーニングコーチとかがいてすごい稼いでいるんじゃないかと思っています。

専門家はすでにいますけど、一部のプロ選手についていたり、一般プレーヤーにはむつかしい存在かもしれません。

 

相手と自分

相手が打ってくるショットは、それぞれ自分にとってどうでしょうか?

①返球もむつかしい

②半面のコースの打ち分けならできる

③球種を打ち分けて、強弱や高低の差をつけてリズムを変えられる

④相手よりも強く打てる

⑤相手よりも強い球を、コースを変えて打ち分けられる

⑥ラリーしながら相手のショットを押すように、コート内に入って攻撃的にいける

⑦狙ってエースがとれる・それを拾われてもトドメを刺すまで攻め続けられる

・・・とまあ、できることのランク付けみたいなものがあるわけです。

例えば④は、強く打てるだけで入るかどうかわからなければ、①よりも下になりますが。←大事なシーンでも入れられるなら④はそこでオッケーですが、たびたび決めに行って自滅しているようではダメですよね。

それが、またサーブに対してどうか、フォアハンドに対してどうか、バックハンドになったらなにか変わるか、ネットに出られたらどうだろうか、ということをシミュレーションしてみて、生き残れそうなプレーを相手にさせましょう。

そういうのに集中していくと、メンタルがどうとか、試合中に考えずに済みますしね。

 

自分と相手

自分が相手のどっちを狙ったらいいのか、相手の弱点を見つけたけど、そこを自分が狙う力があるか、そして今日はどうか。何球までなら続けられるか。

・1stサーブではコースをしっかり考え、確率と威力とコースをどのくらいのレベルで入れられるか

・2ndサーブではいかに相手のタイミングや打点を狂わせられるか

・サーブの後のショットがどのくらい攻撃的な動きで入れるか(相手の返球の具合はどうかってことと自分がどのくらい準備よく形に入れるか)

・バックハンドの精度はどうか

・コート内に踏み込んで打ったショットを、相手はどのくらい強気で打ってこれるか

・高く弾ませた影響はどう出るか

・スライスで低く滑らせたり、速い球への対応はどうか

・ネットをとったらプレッシャーと感じてくれていそうかどうか(相手のプレーの質が落ちる=焦って勝負球を打ってきたり、無理に狭いコースを通そうとしたり・またはその時の精度)

・・・とまあ、挙げればきりがないかもしれませんが、自分の得意パターンや持ちネタを相手にぶつけてみてどうかってことを計測するようなつもりでゲームの序盤を戦うわけですね。

この時点で差がはっきり出ているなら、ワンサイドになる可能性もありますし、自分が勝っていて後で追いつかれたりするときは、相手も分析ができていて、すでに最初に見えた相手とは別人になっている可能性があります。

緊張している自分に気づけば気づくほど、あるいは無視していても考えないでいれば、大事なシーンでミスをするのは自分かもしれません。

ミスをしている自分と、未オスをしなかった自分とが具体的にどう違うかを知っているってことも、練習をよくしている人なら持っているアイテムで、練習していてもたくさん打っているだけで実験的なことや反省などをあまりしない人はある程度強くてもそれ以上に行くのが大変なんじゃないかと思います。

ワタシだって一生懸命練習して実験して反省して試合もしてますが、心理的なものは自由になったりしません。

いい時ってこうだな、ってときはいま書いたようなことが全部自分にとっていい方向へ回転していて、そこに乗って気持ちよい緊張感と、高揚感のある勝ちを味わっていると思います。

 

 

 

 

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 23:54 | コメントをどうぞ