日別アーカイブ: 2018年7月19日

薄いグリップについて

どこかで書いたことがあるかもしれないのですが、グリップの持ち方を細分化しないことにしています。

というのは、コンチネンタル、イースタン、セミウエスタン、ウエスタン…などと分けて教科書に書いてありますが、それらの中間ぽいものも存在する。ガスケみたいなフォアハンドのテイクバックではコンチに見えるのにインパクトでセミウエスタンに見えるなんてこともあって、握り方って本質的なところを抑えていないとどんな握り方をしていても力の伝達がうまくいかないし、握り自体を名前を付けて分析することに意味を感じないってことがあるから。

「薄い」握りと「厚い」握りには力の入りやすい方向が明確にあって、それぞれの用途に合わせて使い分けられるなら、あとはプレーヤー本人が力を扱いやすいところで持ってもらっていいと思います。

 

そんな中、最近はボレーの握り方というか、手首の固め方の面白い説明の仕方を自分なりに発見して、その成果が結構出てる、ということもあってちょっとマイブームみたいになっています。

力を入れるときに、何に向かって力を入れているのか、そこんところに目線を持っていくと面白いことが結構ありました。

単純に、ボールかごを空にして、一個だけボールを入れます。

そのかごをスイングして(テニスの型でなくてもいいので)、中のボールを上手く回す、ということができないものなんですね。

持っているかごに力を入れても、中のボールの動きが把握できない、ということが結構あるみたいなんです。

カゴを持ったらそのかごの形を基準に、中のボールを動かす、というイメージに変えるだけでできる人も結構いましたが、そこがクリアできない人も若干いました。

ラケットに当たって飛んでいくボールのことが想像できる人も、できない人もいるんですね。

 

それって、能力というか感覚に差があるから、ショットを見比べれば差はきちんとわかるものだったんです。

だけど、うまくできないほうの人だってちゃんとラケットにボールを当てられるし、ネットを越えてボールが入るので、試合になるとわかりません。

力の入れ方がうまくないと、ショットの質を上げるのに限界が早く来るとは思いますが、テニスはラリーをするゲームなので、ラリーができるなら、その中でイメージと実際が合致する瞬間を増やしていくほどに感覚がよくなって、また上達するチャンスが来るようになるものです。

 

さて、薄いグリップは、振り下ろしてきたラケットをあるポイントでピタッと止められるような動きができる握り方です。

その半面でフォアハンドのトップスピン方向へのスナップはうまくできません。

薄いグリップは手首の固定が楽にできる、といって差し支えないでしょう。

ただし、力を入れなくても固定できる、なんてことはなく、ラケットの長さも重さの一つの種類になるので、それなりに力を入れなくてはなりませんが、固定できると固定力が高まる、というのが薄いグリップの特徴でもあると思います。

私の場合、バックハンド側の高いバウンドをトップスピンで返す場合でも薄いグリップでいきますから、厚いグリップってのはフォアハンドストロークを打つとき以外には出番がない。

だけどテニスをする中で最も数多く打つのがフォアハンドストロークなわけです。だから、フォアの厚い握りと、それ以外で使う薄い握りの頻度はそれほど変わらないのかも。

それで、ボレーなどで前腕ごと固定して使うような感覚ができた時に、サーブやスマッシュなどにも応用が利くような感じがすると思います。

オーバーヘッド系のショットで手首を使うにしても固定するにしても、薄い握りだと結局はヘッドの動きがよくなり、ショットの質は上がっていくと思っています。

ボールをというよりもラケットを「後ろから押すような」スイングだと薄い握りにする意味は分からないままだと思いますが、先ほど書いたカゴの件のような、力の伝達方向がわかればやっぱり必要なことがわかると思います。

 

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:54 | コメントをどうぞ