アメイジング・グレイス

火曜日曇り

今日も変な天気だった。寒そうで暖かく、暖かそうで寒い。風邪も吹いたり止んだりだ。
あーちゃんは博多の義姉のところへ髪を切りに出かけたので終日ひとり、尺八を取りだしてオタマジャクシの楽譜で「アメイジング・グレイス」を何度も練習したが、期待した音色には程遠くてガッカリしていた。それでも気休めに、気分転換に洋楽の楽譜を吹いてみる面白さを知ることができた。

NHKの「達人達」という番組で尺八の藤原道山と吉永小百合の対談番組を録画していた。小百合は道山の尺八にメロメロになるほど見せられていた。こっそりと忍んで彼の演奏会に足を運んだこともあったという。

原爆詩詩の朗読を通じて世の中に奉仕(ライフワーク)というか、生きがいを見出している小百合は東日本震災の詩の朗読に際して道山に尺八での音楽をお願いしたという。慣れないメール、指一本使ってメールを道山に送ったそうだ。彼はびっくり仰天の驚きで、それが二人の交流の発端だったらしい。

芸術大学の玄関で待つ道山を尋ねた。小百合が和服姿の神妙ないでたちで歩を進めて玄関ホールにたどり着く、道山と感激の挨拶を交わすと、尺八の音色が聞こえてきた。驚く小百合、道山さんの曲ですかというまもなく、人影が隣の壁から一人また一人と尺八を吹きながら小百合の前に並んでアンサンブルを演奏、まさに感激の瞬間、男女十数名の道山の生徒たちであった。

バッハなどの古典は道山にも通ずるものがあるという。虚無僧など尺八を吹いていましたね。祈りに通ずるものがあるでしょうかと小百合が質問すると、道山は一息おいて、音楽というものには、そんなものがあるのではないでしょうか、というと画面がお寺の境内に変わって雪景色の木立の中で仁王立ちで尺八を構え「アメイジング・グレイス」を熱奏、神秘的な尺八の音色が流れてきた。


カテゴリー: 日記 | 投稿者ていちゃん 23:37 | コメントをどうぞ